ここ最近の食欲を振り返った時、金額的には大きくないですが、生活を大きく変えたものに、ぬか漬けを始めたということがあります。
糠漬けを始める前は、胃酸に強く腸まで届く植物性の乳酸菌を取るために、ザワークラウトや水キムチを作成していました。その様子は↓の記事にありますので、興味のある方は、御覧ください。
これらを自作することで、ある程度の満足をしていたのですが、これら2つは、味が比較的単調であったり、たまに作成に失敗したりする、ということで他に良いものはないかと模索していました。
そのとき、ふと「これまでぬか漬けは面倒そうで敬遠していたけど、これまで色んなものを自作してきて度胸もついたし、自分でも出来るのではないか」と思い、スーパーで粉末状のぬか床の素を購入しました。値段は300円くらいだったと思います。↓のような感じのものですね。
それを、100均で買った大きめのタッパーに水と混ぜて入れ、野菜くずなどを入れて捨て漬けをして、まず乳酸菌の増殖を促しました(実際には捨て漬けもただの塩付けとして食べてしまいましたが)。ある程度時間が経つと、酸味とぬか漬け独特の香りが出てきます。
私は、酸っぱいのが好きなので、段々と塩分が少なくなるように調整して乳酸菌の発酵を促しています。
ぬか漬けのいい所は、ぬか床が出来上がってしまえば、後は野菜を入れるだけで1日位で食べ始められることです。料理をしてちょっと余った野菜を入れたり、畑で間引いてきた小さなニンジンや大根を入れておくのでもよいです。
また、ぬか漬けは、乳酸菌だけでなく、酪酸菌、酵母などの様々な菌が生成する複雑な風味があって、とても美味しいです。特に、玄米飯や麦飯との相性は抜群です。酪酸菌は、嫌気性のため底のほうにいて比較的嫌な匂いを発生しますが、必ずしも悪者と言うわけではありません。乳酸菌は真中付近に住んでいて、乳酸を生成してpHを下げ腐敗を防ぎます。表面には酵母(産膜酵母)が住んでいて、フルーツの香りを発生します(日本酒の香りと同じ原理ですね)が、行き過ぎるとシンナー臭となってしまいます。これらの菌のバランスを保つために、ぬか床をかき混ぜる必要があるわけです。
ぬか漬けをしてみて結構困まったのが、野菜から出てきた水分の処理と、糠・塩分の補充です。野菜はかなり水分を含んでいますので、1、2回漬けるとぬか床がべちゃべちゃしてきます。これは、ぬか床を痛める原因になりますので、こまめに対処する必要があります。
水を抜く方法はいくつかありますが
- 水抜き専用の道具を使う
- ぬか床の隅を窪ませて、滲みでてきた汁をスプーン等ですくって捨てる
- 乾燥した食材を漬ける
などがあります。
一つ目は、↓のような道具を使う方法です。
この商品が、今保留している物欲の一つでもありますが、上で挙げたふたつ目の方法で、ある程度は水抜きができることが分かったので、現時点では、買わなくても良いかという方に傾いています。
最後に挙げた乾燥した食材を漬ける方法では、食材として干し椎茸を挙げているサイトがありましたが、高価なので私にはちょっと難しいです。実際に試したものでは、切り干し大根があります。これは、漬けた後の味は良かったですが、細かいので糠床から取り出すのが面倒でした。高野豆腐も試してみましたが、硬くぼそぼそした感じに変質してしまって、失敗でした。これらの経験から、大根などの野菜を大きめの固まりで乾燥させたものが最適ではないかという結論になりましたが、野菜を乾燥させるために外で干しておくのは腐敗が心配ですし、PM2.5も心配です。そこで目を付けたのが↓のような電気乾燥器です。

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野菜、果物、肉の乾燥が室内で出来るという優れものです。ただ、ぬか漬けのためだけにこれを買うのはもったいなく、現時点では保留としています。
糠の補給は、ぬか床の素の成分表から1gあたりの食塩量を割り出しておき、漬ける野菜の重量の大体1%程度の食塩が含まれる量のぬか床の素を適宜追加していけば、大体定常状態になると思います。
ぬか床の素を足すと、水分が吸われて少し固くなるので、現在では、スプーンによる水抜きと、たまの糠床の素の補給で、上手く回っています。
以上、長々と書いてしまいましたが、ぬか漬けを始めて良かったということを伝えようとしたら、ついつい書き過ぎてしまいました。興味のある方は、是非、挑戦してみてください。案外簡単ですよ。