以前の記事で、想像の良さを主張しました。
そこで、想像の実践として、私が愛読する松本清張の小説「点と線」ゆかりの地を訪ねる旅を想像してみます(ネタバレ注意)。
「点と線」は時刻表トリックが有名な、松本清張の処女長編推理小説です。
さあ、出発しましょう。
まずは、地下鉄千代田線で赤坂に向かいます。
赤坂の割烹料亭「小雪」
犯人に目撃者として仕立てられる女中や被害者となる女中が働いていた割烹料亭は、赤坂にありました。もちろん、「小雪」は架空の料亭ですが、赤坂界隈には多くの料亭があります。
こうして赤坂を地図で見ると、皇居の南西、永田町や国会議事堂などに近いことが分かります。料亭は議員や役人がよく使うというイメージですが、そういう地理的条件があったんですね。
私も、接待される役人の気持ちになって、料亭で料理を食べている所を想像してみましょうか。。。私だったらそんな料理は美味しく感じないでしょうね。だからこそ、かなり美味しい店が必要なんでしょうか。できれば、自分のお金でプライベートで訪れたいものです。
有楽町レバンテと銀座コックドール
女中は、犯人の安田と有楽町のレバンテで待ち合せをし、軽くコーヒーを飲んでから、洋食を食べるためにコックドールに向かいます。
レバンテという店は実在するようです。
■“レバンテ”とはスペイン語で「東方・日出る処」という意味です。
1947年(昭和22年)3月有楽町駅前にて、大倉財閥の当主であった大倉喜七郎により創業されました。 (店のページより)
喫茶店というよりは、ビア&レストランのようですね。
コックドールも実在したレストランですが、今現在銀座の店は無くなっているようです。
コックドール(Coqd'or)とは、フランス語で「金の雄鶏」という意味です。1947年に開設した、銀座5丁目のフレンチレストランがスタートでした。その後「カフェスタージュ・ファームハウス」、「ラ・ヴィレッタ」「カフェスタージュ」、「カレーのからなべ屋」など、いくつかのブランドを立ち上げました。コックドールというお店は1店だけになってしまいましたが、当時の店名を社名に残して現在に至っています。(会社のページより)
場所は、銀座5丁目とありますからここらへんでしょうか。
私も、レバンテでコーヒーを一杯のんで、ランチを食べにコックドールに向かいました。お腹が一杯になったところで、東京駅に向かいます(空想)。
東京駅
東京駅は数年前に復元工事が終わって話題になっていましたね。
Google Mapのストリートビューは、想像の旅にはとても便利なツールですが、東京駅付近は地下街が発達していて、地上の道路での景色が欲しいのに、すぐ地下街のほうに行ってしまいます(地下街のストリートビューまであるのもすごいことですが)。使い方が悪いのかもしれませんが、ちょっといらっときました。まあ、実際に地下街で迷った気分を味わったことにします。
それから、有名な外観は、東京駅の東側にあると勝手に記憶していましたが、実際は西側にあります。何年も東京に住んでいて東京駅にも何回も行ったことがあったのに、記憶というものは曖昧です。
駅の中の売店で、東京駅のペーパークラフトのおみやげをついつい買ってしまいました(想像)。
さて、小説の舞台は、東京駅の鎌倉へ向かう横須賀線の13番線、遠距離列車用の14〜15番線で、ここで時刻表を使ったトリックが行なわれます。「点と線」は、昭和32年のダイヤを元に書かれましたので、その頃とはホームの様子は当時とは随分変わっていて、現在では小説の趣を感じることはできないかもしれません。特急「あさかぜ」は、東京ー博多を結ぶ寝台列車で、2005年までは走っていたようです。
次回は、犯行現場となる九州の香椎海岸に向かいたいと思います。