私の好きな名言に、「考えていない、悩んでいるだけ」という言葉があります。
悩むのは判断材料がないから。だから、いくら悩んでも答えは出ない。判断するための情報収集をして、自分で考えろということです。
元々は、劇作家の鴻上尚史さんの「孤独と不安のレッスン」という著書からの引用で、それがネットで伝わったものを、どこかで読んだのだと思います。その時の自分の心に響いたのか、ずっと心に残っている言葉です。
この言葉には、個人的に付け加えたい続きがあって「考えても判断材料が無いものは、ひとつずつ両方やるしか無い」ということです。
Aという選択肢と、Bという選択肢どちらが良いか悩んでいるとしましょう。でも、どちらが良いかなんて未来のことは、いくら情報を集めて論理を繋いでみても予測しきれるものではありません。結局、やらなければ良い選択だったのかはわからないのですから、それが知りたければ、やるしか無いわけです。
でも、AとBどちらから始めるのが良いのか情報収集してから、という人がいます。そして、そんな情報収集をするのに「Aを試してみて失敗であることを確認するのと同じくらいの時間」を使ってしまう人がいます。本末転倒ですよね。
極端な例で言うと、医学研究でAという薬が良いかBの薬が良いかの決着をつけたいときに、どちらかしか試さないというのは、そもそも間違っています。このように両方試すしかない場合も、多々あるのです。
では、Aから始めるか、Bから始めるか、どうやって決めれば良いのでしょうか。サイコロを振るのでも良いですが、私が最近心がけているのは、複数の選択肢がある場合には「ゼロをイチにする」 方の選択肢を選んでみるというものです。ピーター・ティールの「ゼロ・トゥ・ワン」を読んだり、
まだ読んでいないのですが、堀江貴文さんの「ゼロ」の評判を聞いたりしてから、ひそかに心の中で設定しているルールです。元々好奇心が強いので、そういう生き方をしてきた方だとは思いますが、最近はより一層これを意識するようになっています。
別に、人生の大きな選択から始める必要はありません。最初は、日常の小さなことで実践してみれば良いのです。例えば、レストランで何を食べるか迷ったらこれまで食べたことがないメニューを試してみたり、散歩でこれまで通ったことのない道を歩いてみたりするだけでも、新しい発見があり嬉しくなります。
そうやって「ゼロをイチにする」志向を自分の強固な習慣にしていけたらなと思っています。