投資を考え始めた方なら、「複利効果」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。利子が利子を生む。それが本当ならもうウハウハですよね。でも実際には、世の中そんなに上手く行きません。それを教えてくれるのが植物です。
複利効果は植物が教えてくれる
私は、家庭菜園やプランターで野菜を育てています。実は、複利効果(とその破綻)は植物を観察していると簡単に実感することができます。
植物の一生は、最初はケシ粒のような小さな種から始まります。そして、発芽し、二葉が出て、それから次に本葉が出ます。葉は、太陽の光を浴びて光合成を行い、有機物質を生成します。植物は生成した有機物質を、葉を更に大きくすること、新しい葉を作ることに使います。葉の面積が大きくなれば、より多くの太陽光を受けることができ、有機物質の生成もより多くなります。つまり、再投資をしているわけです。
葉だけではなく、地下の根でも同じことが起きています。こうして植物は、短期間のうちに驚くほど成長します。まさに、複利効果による指数関数的な成長です。
成長の限界
しかし、この成長は長くは続きません。次第に隣の植物と葉が重なるようになり、資源(太陽光や土)の奪い合いが始まるのです。
栽培をしている場合は、「間引き」で個体数を減らし、残りの個体の成長を人為的に助けます。
間引きをしない場合でも、いち早く大きくなった個体が、そのうち他の個体への太陽光を横取りするようになり、最終的にはごく少数の個体が大きく育ちます。植物の世界では、上を取ったものが勝ちなのです。
植物からの教訓を投資に活かす
この観察から、経済や投資に対する教訓も得ることができる気がします。
それは、複利効果による指数関数的な成長はありうるが、資源の限界により、いつかは頭打ちになるということです。そして、いち早く成長したものが生き残り、それ以外には死が待っています。
投資でも、いつも5%の年利が得られると思ったら大間違いです。たまに、大きなバブル崩壊が起き、そこまで得られた複利効果が相殺され、平均的に見れば線形のありきたりな成長であったことに気づくでしょう。
このような環境で大きく勝つには、以下の方針を取るしかないように思います。
- 種は、播く。
- 種は、いち早く播く。
- 上手く発芽したら、しばしの指数関数的成長を享受する。
- 限界が近づいた時、自分が一番高い木になっていると思ったら続ける。
- そうでないなら、利益を確定してゲームから自主的に降り、次の種を播きにいく。
しかし、成長の限界の時期を見極めるのはとても難しいことであると思われます。それが、投資で成功している人が一握りである理由なのではないでしょうか。
いずれにしても、種を播かないことには利益の享受はありません。また、いち早く種を播いて成長させた者(と一部の早く逃げ出した者)だけが、指数関数的利益を享受するのです。
まとめ
植物の成長の様子の観察を通して、投資の複利効果について考察してみました。
みなさんも、以上のようなことを頭に置いて、投資を考えてみるのはいかがでしょうか。当然、投資の成功を保証するものではありませんが(笑)。
今日は、金欲の煩悩が強く出てしまいました。