一時期、日本酒に嵌っていました。その後、ワインが一番好きだった時期もありました。最近では、コスパの良い酒として泡盛に注目しています。そんな酒好きの私が日本酒にはまるきっかけとなった思い出の本を紹介したいと思います。
夏子の酒
東京の広告代理店で働いていた夏子が、兄の死をきっかけに新潟の実家の酒蔵を継ぎ、兄の念願だった幻の酒米「龍錦」の復活のために紆余曲折・試行錯誤するという感動物語です。
実際にあった「亀の尾」という酒米の復活劇をモデルにしているそうです。
私はこの漫画を読んで、日本酒に本格的に興味を持ち始めました。何事も入門にはこういう簡単なところから入っていくと上手くいくようです。
この漫画が書かれたのは1988年で、当時の日本酒業界や農業の問題点を厳しく指摘しています。
私が読んだのは恐らく2005年頃、既に多少時代遅れの感はありましたが、全体としてとても楽しく読めましたし、感動もしました。
最近の日本酒業界は、漫画に描かれている時代に比べたら随分良い方向に進んでいるのではないかと(消費者の視点からは)感じます。
知識ゼロからの日本酒入門
夏子の酒の作者の尾瀬あきらさんの書いた日本酒の入門書です。これを読めば、日本酒についての大体の知識が得られるのではないでしょうか。
夏子の酒のイラストが各所に散りばめられていて、想像がかき立てられるのがいいですね。絵を書けるというのは、本当に素晴らしい才能です。
純米酒を極める
著者の上原浩氏は、広島財務局鑑定部や鳥取県工業試験場で酒造技術者として長年働いたという方です。
本書を読むと分かりますが、夏子の酒の尾瀬あきら氏も、上原氏の日本酒に対する思想に呼応して、作品を書いていることがわかります。「夏子の酒」にもこの上原氏をモデルにした先生が登場するくらいですから。
本書の内容は、冒頭の
酒は純米、燗ならなおよし
という言葉に集約していると言えます。
ちなみに、著者は、毎週2日の休肝日(その日にはビールを飲む!)以外は、毎日日本酒を4合、軽い割り水をして澗にして飲むのだそうです。
本書の最後は、酒飲みをとても勇気づける言葉で終わっています。
まとめ
私は上で挙げた3冊の本を読んで、まず日本酒の魅力を知りました。そして、割り水・澗・古酒などの新しい楽しみ方を知って、ますます日本酒にはまっていったのでした。
日本酒熱は最近は少し落ち着いていますが、この前、とても寒い夜に澗酒を飲んで、これらの本との出会いを思い出し、日本酒をまた探求するのもいいなと感じている今日このごろです。