最近、小説を投稿できるサービスが話題になっています。それで、小説ってなんだろうと考えていたら、小説は説得のための良いツールなのではないかと感じてきました。
小説投稿サービスが話題です
ここ最近、ユーザーが自由に小説を投稿できるサイトの話が耳に入るようになりました。はてなとKADOKAWAが始めた「カクヨム」というサービスです。
昔からあるジャンルのサービスですが、今回大手が始めたというのは、世の中の空気を感じ取った結果なのかなと想像しています。
というのも、少し前の記事で私も下のようなことを書いていて、ツイッターとかSNSを飛ばし読みするのに少し疲れてきたなということを感じていたからです。
小説は感情で人を説得する
本題に戻りますと、私は人を説得する方法について、ずっと考えています。人を説得しようと思ったら、普通は、筋の通った記事や論文を書いて論理で人を説得するということを思いつきますよね。
しかし、聞く耳を持たない人にはいくら言っても届きません。いわゆるバカの壁です。意見が二分して一向に決着を見ないネット上の議論など見てきて、そんな思いを強くしています。
それで、もう何か気に入らないことがあっても批判はせずに、「良いことを良いと言う」ことに徹する方が、楽しく役に立つ生き方なのではないかと思うようになりました。
なのですが、小説サイトのことを考えていていたら、ふと、小説は説得のための良いツールだなと気付きました。
小説の中では、作者が悪いと思うことを体現したキャラクターや事件を自由に登場させることができます。そして、主人公にそれをやっつけさせたりすることができます。
小説は、魅力のあるストーリーや文体を駆使して、読者にその物語を最後まで読ませるのです。
読者は知らず知らずのうちに、作者の主張や思想を受けとることになります。論理ではなく感情に訴えて説得するのです。しかも、際どい主張でも「全てフィクションです」と言って逃げることもできます。
この感情に訴えるという方法は、実は、小説にかぎらず既に多く利用されています。漫画やアニメの政府広報とか、いくつか思い出すことができます。
小説のデメリット
しかし、このように小説で感情に訴えて説得することには問題点もあります。
一つは、感情に訴える方法がとても強力なため、真実でないことでも信じこませることができてしまうということです。
つまり、論理的な思考ができる人が真実や思想を伝えるために小説形式を使うのでなければ、とても危険になり得ます。
もう一つは、伝えたい真実に関係のない様々な事象を描写しなくてはならないということです。そのためには、作者は人生の全ての経験から、ディテールを絞り出す必要があります。それはとても辛いことなのではないでょうか。
論文では議論と著者の人格は明確に分離しようとしますが、小説ではそうは行きません。つまり、小説は強力であるが危険でもあるということです。両刃の剣ですね。
そう考えると私は、小説を書ける才能を持つ人を尊敬すると同時に、可哀想にもなるのです。
まとめ
私は、小説を書いたことが無いので、以上のことは単なる想像です。そんなこと考えないで、純粋に面白いストーリーを書く作家もいると思います。実際の小説家の心の中については、もう少し勉強したいと思っています。
村上春樹の下の本などは読んでみたいですね。
また、Macのブログ執筆ツールを調べていた時に見つけた「Hagoromo」というアプリは、原稿用紙に縦書きで書く感じで入力できて、日本語で小説を書くときに良さそうです。雰囲気だけでも味わってみようかな。