この前から読んでいる『地図とあらすじでわかる!古事記と日本書紀』を読了しました。古事記の部分については、この前の記事で書きましたので、今回は日本書紀の部分を読んだ感想を書いてみたいと思います。

図説 地図とあらすじでわかる!古事記と日本書紀 (青春新書INTELLIGENCE)
- 作者: 坂本勝
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2009/01/07
- メディア: 新書
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古事記の部についてはこちら:
古事記: 失われた歴史の断片を繋ぎあわせた奇想天外で壮大なファンタジー - 煩悩退散!
古事記で端折られた時代に注目
古事記は、第33代推古天皇の記述を持って終わるのですが、最後の仁賢・武烈・継体・安閑・宣化・欽明・敏達・用明・崇峻・推古という各天皇の記述は実にあっさりとしたもので、尻すぼみ的に終わってます。
したがって、日本書紀の見どころはこれら端折られた天皇の時代の記述と、推古天皇以降の歴史でしょう。ここらへんから学校の歴史で習うイベントがどんどん出てきます。
個人的に面白く思ったのは、時代順に並べると
- 武烈天皇(極悪人にされた天皇)
- 継体天皇(北陸・越前から探してきた天皇)
- 崇仏論争(物部氏と蘇我氏の対立、聖徳太子登場)
- 推古天皇・聖徳太子の政治
- 乙巳の変(中臣鎌足、中大兄皇子)
- 大化の改新
- 白村江の戦い
- 壬申の乱
あたりです。
これ以外のトピックとしては、個人的には、下の二つが興味をかき立てます。
邪馬台国の卑弥呼? 倭迹迹日百襲姫
日本書紀には、崇神天皇の時代に、倭迹迹日百襲姫(やまとととひももそひめ)の話があります。百襲姫は三輪山神の大物主の妻であり、その墓と考えられている箸墓古墳が作られたのが卑弥呼の時代と近いことから、卑弥呼と倭迹迹日百襲姫は同一人物ではないかという説があります。
この倭迹迹日百襲姫は古事記にも名前は出てきますが、記述については日本書紀の方が詳しいようです。
ちなみに、箸墓古墳はこんな所。奈良県桜井市にあります。
倭の五王は誰か?
5世紀後半に書かれた中国の『宋書(そうじょ)』には、讃、珍、済、興、武という五人の倭の王が宋に使者を送ったという記述があります。
この五人の王がどの天皇に対応しているかということにも色々な説があるそうです。このようにいくつかの書物の記述を付きあわせて考えるというのはパズルのようで楽しいですね。
解説書を原書片手に楽しむのが良さそう
というわけで、古事記と日本書紀の大体の様子が分かったわけですが、ここからどのように進めていきましょう。
これらの記紀には様々な解釈があり、「〜という説がある」というような所が至るところにあります。これらの解釈を自分なりに解釈して妄想していくというのが楽しいかなと思っています。
というわけで、今後は、様々な解説書や論考書などを、原書片手に突き合わせながら読んでいくつもりです。
古事記は原書・現代語訳は既に下の本を買ってあります。
日本書紀の方はまだ買っていないのですが、本の予算を今月は使いきってしまったので、おいおい買って行きたいと思います。
これから買うべき本
こちらは原文・書き下し文で全5巻!

- 作者: 坂本太郎,井上光貞,家永三郎,大野晋
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/09/16
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現代語訳は下が評価が高いようです。
ほかにも、漫画で解説した本もありますので、そこら辺から入っていっても面白いですね。
まとめ
古事記・日本書紀の入門書を完読しての感想の第二弾を書いてみました。もともと考古学は好きなので、どんどんはまっていってしまいそうで怖いです。