ここ数日読んでいる瞑想の本『自分を変える気づきの瞑想法』の後半部分を読み終わりましたので、前回に続いて、私が理解した範囲でまとめてみたいと思います。
読んでいる本はこちらです。

自分を変える気づきの瞑想法【第3版】: ブッダが教える実践ヴィパッサナー瞑想
- 作者: アルボムッレ・スマナサーラ
- 出版社/メーカー: サンガ
- 発売日: 2015/07/09
- メディア: Kindle版
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前半部分のまとめはこちらにあります。
上の記事で書いた通り、瞑想には「サマタ瞑想」と「ヴィパッサナー瞑想」があります。本書の後半では、ヴィパッサナー瞑想の目的とやり方が紹介されています。
ヴィパッサナー瞑想とは
ヴィパッサナー瞑想の目的は「明確に観る」ことです。これにより、全ての悩みや苦しみから開放された悟りを得ることができます。
苦しみの原因は「思考」自体
人間は感覚器官で常に感覚を受け取って脳に送っています。その感覚を感じた先に思考が作られますが、思考は、妄想・雑念・主観・感情となります。それが、苦悩の原因となります。
このように思考にともなう妄想や雑念を持つ人は、今を生きていないとも言えます。例えば、食事をしている時に「ブログに何書こうかな」などと思考して、食べたもののことは上の空になっていまうのです。
また、思考には飽きが来ます*1。「息を吸ったら、息を吐く」「昼は肉だったから、夜は魚」。飽きが来るから、いつも満足できません。これは、生きる原動力にもなっていると思いますが、苦の原因でもあります。
そして、このような無駄な思考に時間とエネルギーを遣ってしまい、本来の仕事を十分に行うことができなくなってしまうのです。
ヴィパッサナー瞑想=思考を止める訓練
ヴィパッサナー瞑想は、この無駄な思考を止めるための訓練です。思考を止めのことによって現れるのが「智慧」です。
この瞑想の基本は、今の瞬間ありのままに「実況中継」することです。
例えば、パソコンの騒音が聞こえていたとしても、「パソコンの音がうるさいな」とは考えずに「音がしている、音がしている、…」とひたすら頭の中で実況中継して行きます。また、思考や妄想が浮かんできたら、「妄想、妄想、…」とその状態自体を実況中継することで妄想から脱します。
また、この際、背筋をしっかり伸ばして「怠けをなくす」ことも重要です。
やり方は、色々あって「座る瞑想」「立つ瞑想」「歩く瞑想」「食べる瞑想」などがあります。座り方とか細かいやり方は、本を参照して下さい。
この瞑想では、本当にありのままの「音がしている」という基本レベルの観察に脳の状態を合せています。
しかし、このような瞑想の訓練を行うことで、普段の仕事の場面でも、偏見や妄想を廃した適切なレベルに思考を合わせるということができるようになるのではないかと想像しました(仕事だと何らかの思考はする必要があります)。
意外だった点
私は最初、思考を止めるというのは何も考えない楽な状態だと思っていましたが、上で書いた通り、脳は必死に実況中継を行なっているので楽ではありません。もしかしたら、悟りに至るというのは、この実況中継が楽にできる脳の回路ができることを指すのかもしれません(勝手な想像ですが)。
また、瞑想は人間性を捨てるためのものではないということです。動物のようにただ自然にしたがって(欲にしたがって)生きるのではなく、大脳の力によってそれを制御しながら生きることが目的です。これは、大脳が発達した人間にしか到達できない境地です。瞑想のポイントに、背筋を伸ばして怠けを無くすという項目があることから、動物達のように単に省エネルギーの楽な姿勢でいることとは対極にあります。
つまり、大脳は妄想も生み出すが欲を制御することにも使える器官であるということだと理解しました。
また、瞑想では、人間の顕著な能力である言葉を利用しています。言葉は、ありのままの感覚ではなく、既に抽象化した情報であり、既に思考です。しかし、できるだけ抽象的な一般的な単語を使うことで、できるだけ感覚に近いレベルに思考を留めます。
また、この本では、仏教は宗教では無いとはっきり言っています。 瞑想などの修行はあくまでも自己責任です。自分がやりたいからやる。宗教のようにこれをやらないと地獄に落ちるとかいう脅しを受けてするものではありません。
言うは易く行うは難し
これまで、本書も含めて仏教や瞑想に関する幾つかの本を読んできて、仏教の瞑想が目的とすることや原理は、頭ではだいたい理解できたと思います。しかし、実践するとなると、これは難しそうだなという印象です。最近、生活の中で瞑想を色々試し始めていますが、雑念や妄想が次から次へとでてきて、消えません。
まあ、気長に挑戦していきたいと思っています。
ちなみに、座禅をする時には、下のような座布団をお尻に挟んで、背筋をしっかり伸ばせるようにすると、長時間座っていられて良いらしいです。

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他に読んだ仏教関連の書籍

反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」
- 作者: 草薙龍瞬
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版
- 発売日: 2015/07/29
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*1:本書では感覚は飽きるものと書いていますが、私はむしろ感覚の先にある思考の段階で飽きが来るのではないかと感じました。