煩悩退散!

シンプルライフを目指しています。なのに煩悩(物欲・食欲・承認欲 etc.)は尽きません。そんな煩悩をここで吐き出して成仏させようとする試み。

麹の健康効果


麹(こうじ)の自作を始めました。今日は、米を蒸し、種麹をかけて、ヨーグルティアによる保温を開始しました。結果は40時間後くらいに分かるはずです(ヨーグルトや納豆に比べて時間がかかかります)。出来上がりを待つ間に、糀による発酵の仕組みや健康効果について調べてみました。

基本的な麹の働き

麹・糀(こうじ)の基本的な働きはデンプンを糖化することです。ですから、麹と御飯を混ぜて保温すると甘酒になります。また、日本酒を作るときにも、麹によって米のデンプンを糖に変えてから、酵母が糖をアルコールに変えるアルコール発酵が行なわれます。

この糖化作用は、麹が生成する酵素であるアミラーゼによって起こります。また麹は、アミラーゼ以外に、プロテアーゼやリパーゼといった酵素も生成します。プロテアーゼはタンパク質の分解、リパーゼは脂質の分解に関わります。

麹 - Wikipedia

これをみると、麹による発酵は糖化や分解がメインで、プロテアーゼなどによる分解によって旨味が増すことはあるでしょうが、納豆菌による発酵にあるような特別な健康効果はないように思われます。

もちろん、麹の糖化や分解作用は、それ自体とても素晴らしい働きであることは言うまでもありません。それがないと、日本酒も醤油も味噌も作れないのですから。

しかし、近年の塩麹などのブームの際には、健康ということも言われていたと思いますので、麹による発酵に特有の健康効果があるのかどうか、ちょっと調べてみました。

麹の健康効果

色々な情報を総合すると、麹には以下の様な健康効果があるようです。

  • ビタミンB群 
  • GABA → ストレス耐性
  • α-エチルグルコシド → 保湿、体重抑制、肝臓保護
  • コウジ酸 → 美白
  • ペプチド → 血圧降下

参考:

https://welq.jp/14531

「麹」とは…調味料にもデザートにもなる麹の魅力 [食と健康] All About

肝臓保護効果?

ここで私が特に興味を持ったのは、「α-エチルグルコシド」という成分です。ちょっと検索してみたところ、下のような研究があるようです。

清酒中のα-エチルグルコシド(広島大学の研究) 清酒中のエチルα-D-グルコシド

α-エチルグルコシドの美肌効果、体重抑制効果など(大関の研究) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/99/12/99_12_836/_pdf

α-エチルグルコシドの肝臓保護効果(酒類総合研究所、大関の研究) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/103/8/103_8_646/_pdf

おもに清酒の研究で、日本酒がお酒の中では健康に良いという方向の研究です。

もし、α-エチルグルコシドが麹の段階で既に生成されているとすると、アルコールを含まない甘酒とか塩麹で摂った方が健康にはよさそうです。

また、他の記事によりますと

 日本酒(清酒)には飲んでよく,風呂の湯に混ぜてよい「美肌効果」をもたらすエチル-α-D-グルコシドがある.この成分は日本酒(清酒)中,エタノール,グルコースに次いで第3番目に多い.この成分はコウジカビの転移酵素α-グルコシダーゼ(EC 3.2.1.20)により,発酵醪中の小糖類であるマルトオリゴ糖やデンプン分解物であるデキストリン成分の非還元性末端から構成糖のグルコースをエタノールに転移してできる.エチル-α-D-グルコシドには荒れ肌の誘発を抑制する効果が見られる

出典: 国際的に認知される日本の国菌

とありますので、やはり、日本酒にしないとα-エチルグルコシドは生成されないように読めます。

まとめ

麹の仕込みのために米を蒸している時間で、麹の健康効果について調べてみました。

麹単特有の顕著な健康効果というものはなさそうでしたが、甘酒が「飲む点滴」と称されるように、体に良いものであることは確かです。麹を自作で安価に大量生成することが出来れば、健康に役に立つはずです。

また、日本酒は「お酒の中では」健康に良い方だということを、再認識しました。