煩悩退散!

シンプルライフを目指しています。なのに煩悩(物欲・食欲・承認欲 etc.)は尽きません。そんな煩悩をここで吐き出して成仏させようとする試み。

【読書】桜井章一著『恐れない技術』


5月の月替りセールで購入した、桜井章一著『恐れない技術』を読みました。「20年間無敗の雀鬼」と呼ばれる櫻井章一さんが、「恐れない心・動じない心」について書いた本です。

恐れない技術 (SB文庫)

恐れない技術 (SB文庫)

動じない心

何か想定外のことが起こって、あたふたしたり、取り乱したりしてしまった経験は、誰もが持っているのではないでしょうか。

そんなときに必要なのが、恐れない心、動じない心です。

本書では、著者が生まれつき「恐れない心」を持っていることを物語るぶっ飛んだエピソードが、次から次へと語られます。正直、そこまでしなくてもと思ってしまうエピソードも多いです。

著者も言っていますが、これは一般の人が簡単に真似できるものではありません。しないほうがいいと思います。

しかし、そのくらいずば抜けて強い心がないと、勝負の世界では生きていけないのかもしれないなと感じました。

ということで、本書は、どうしたら恐れず、動じない心をもつことができるかというよりも、まずは恐れない・動じない心の重要性を読者に気づかせるための本だと言えます。

一般の人はまず姿勢と呼吸から

一般の人が真似できる心がけとしては、姿勢を正すことと呼吸を深くすることが勧められています。

これは私が最近読んできた瞑想の本などと、一致していて、何気なく買った本なのに、意外と繋がっているものだなと感じました。

なんとなく、そういう「自分に合いそうだな」という本の雰囲気というものがあるのかもしれませんね。

何事にも恐れない一家の大黒柱

恐れない心に関して、著者は、最近一家の大黒柱がいなくなったと言います。

一家の大黒柱は、何があろうとも、一家を守ります。たぶん、リストラにあっても、会社が倒産しても、自殺などせず一家を守っていく、そういう恐れない心・動じない心を持っているのが大黒柱なんだと思います。

昔ならば、父親は大黒柱としての役割を与えられ、家族からはそのために尊敬され、それによって、動じない心というものが自然と培われたのかもしれません。

しかし、最近ではどうでしょうか。

今は、父親には、大黒柱としての役割は必ずしも期待されません。そして、それと同時に、動じない心を身につける必要性や機会も少なくなってしまいました。あるいは、順番は逆なのかもしれません。

たしかに、最近の家族の傾向として、そういう面はあるなと感じます。

しかし、ここは少し昔を美化している気もしました。昔の家制度において、大黒柱の器ではない父親は、責任に耐え切れず、単に暴力親父になったり、酒浸り親父になってしまっていただけでは無いでしょうか。

ただ、本書に出てくる、家族を列車にたとえるのは良いいたとえだなと思いました。何時の時代であっても、そういう家族でありたいものだと思いました。

化けの皮を被って勝負していると後が辛い

人は、成長するに従って、自分を偽る化粧を施します。良い学校に入ったり、資格をとったり、良い会社に入って役職を得たり。

しかし、その化粧のおかげで仕事という勝負に勝ってきたとしたら、「肩書がなくなったら」という不安や恐れはどんどん大きくなるはずだと著者は言います。

そして、「素」の自分で勝負することを練習しておかないと、定年になって化粧がはがれた時に辛くなります。

これは、確かにそうだなと思いました。いくら仕事で成功しても、なにか満たされない気持ちというものを抱く人は多いのではないでしょうか。

この話、以前読んだ本で、イラストで自信が持てない人にプロのイラストレーターの人がアドバイスとして「絵を描く時にパソコンという機械に頼っているから自信が持てないのでは?肉筆で書いてみよう」と書いていたことを思い出しました。

結局、素の自分を評価してもらうという経験が自信を作るのでしょうね。

心に残った言葉

他にも、本書には、心に残る言葉が沢山ありました。いくつか挙げてみます。

  • 脅しを仕掛けてくる相手には、逃げるのではなく向かっていくと、それ以上脅そうとしないものである。
  • 権力者のために存在する「規則」や「制度」が、一個人のために何かしてくれるなどと期待するな。
  • 「固定給」とは「法人」が「社員」を「固定」して、「私の言うとおりにしなさいよ」と縛り付けるための金である。
  • 会社員で「ぶれない人」はまずいない。会社や上司がぶれれば、一緒にぶれなければならないから。
  • 分かったつもりが一番いけない。
  • 自分との約束は絶対守る。

まとめ

桜井章一著『恐れない技術』を読んだ感想を書いてみました。本書には、恐れない心を簡単に身につける方法は書いてありませんでした。この著者は、恐れないことに関しては、特殊能力の持ち主なのです。一般人が真似できるものではありません。しかし、私のような一般人にも、恐れない心というものの重要性は十分感じ取れるものになっています。

私は麻雀をしないので、最初、そういう麻雀の勝負の話がでてくるのかな、理解できるかなと心配したのですが、麻雀の話はほどんどなく、読みやすかったです。

姿勢と呼吸については、既に心がけ始めたところだったので、続けていって、少しでも恐れない心が育てばいいなと思っています。

桜井章一さんには、本書の他にも、勝負の世界の経験を元にした多くの著作があるそうです。こちらの本なんかも読んでみたくなりました。

運を支配する (幻冬舎新書)

運を支配する (幻冬舎新書)