煩悩退散!

シンプルライフを目指しています。なのに煩悩(物欲・食欲・承認欲 etc.)は尽きません。そんな煩悩をここで吐き出して成仏させようとする試み。

美味しい生パスタを作りたい! 初心者が陥りがちな落とし穴をまとめました。


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ここ一月以上、平日のお昼には大体生パスタを作って食べるという生活をしているぶ仙人です。何回もの失敗を重ね、なんとか食べて美味しいと思える生パスタが出来るようになってきました。そこで、初心者の私がこれまでに経験した生パスタ作りの落とし穴をまとめておこうと思います。これから生パスタ作りを始めようという方の参考になれば幸いです。

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美味しく出来た生パスタの例

1ヶ月以上生パスタを作り続けて、最近では、結構美味しく満足できる生パスタが作れるようになってきました。

最近作った生パスタで特に美味しかったものを少し紹介してみます。

初心者でも、ちょっと頑張ればこのくらいは作れるようになりますので、ぜひ挑戦してみてください。

生パスタ作りをマスターしたら、材料代だけで色々な美味しいパスタが食べられるようになります。

これは自給自足を目指す私としては、一生もののスキルだと思っています。

前置きが長くなりましたが、さっそく初心者が陥りがちな失敗を紹介していきます。

失敗パターン1: 麺が太すぎる

麺を自作するときに、おそらく一番やりがちな失敗は、作った麺が太すぎるというものではないでしょうか。

麺は、茹でると膨張します

したがって、それを見越して出来上がりよりも細めの麺を作ることが必要です。

初心者のうちは、作業を早く終わらせたくて、ついつい太い麺になってしまいます。

こんな感じに。

今これをみると酷いですね。生地が厚いし、太すぎます。

心を鬼にして細め細めを心がけてください。

また、万が一太めになってしまったときには、茹で時間をかなり増加させる必要があるようです。

太さが2倍になったら2倍の茹で時間ではなくて、4倍とかそんなイメージです。

極端な例でいうと、極太のうどんで知られる「一本うどん」は、一時間も茹でるそうです。

失敗パターン2: 水分量(加水率)を間違う

当然ですが、水の量が多ければ生地がベチャッとして伸ばしたりする時の作業性が著しく下がります。

また、生地を練っているうちはちょうど良いと思っても、寝かせている間に水分が生地から出てきてのし板や包んだラップにくっついてしまうということもあります。

逆に水が少なすぎると、生地を練っているときのまとまりが悪くなります。生地を二つ折りにして押し付けたときに生地が接着せずに分離したままのような時には水分が明らかに足りません。

また、水分が足りないと、粉を練るのにより力が必要となり、疲れます。

これまでの経験から加水率(水の重量/粉の重量 × 100)に関して、

  • > 54%: 多すぎる
  • 54%:  ショートパスタのレシピで良く出てくる。寝かせた後のベタつきはあるので注意。
  • 50%~52% 作りやすい

ということが言えるようです。なお、これは卵を使わない生地の場合で、セモリナ粉デュラム小麦粉(日清自家製パスタ用小麦粉)8、全粒粉1の割合で作っている時のものです。

出来上がりが太めになるショートパスタの場合は、加水率が高めのほうが良いようです(低いと硬すぎる)。

いずれにしても、加水率は非常に重要です。1ccの水で加水率は大きく変わりますので、下のような0.1g単位で重さを量れるはかりがあると便利です。

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私も最近このはかりを買いました。

失敗パターン3: 卵入りの麺にこだわる

ネットで生パスタのレシピを検索すると、粉100gに対して全卵を1個使うというレシピが大半です。その生地で、タリアッテレのような幅広麺を作るというのが、定番のようです。

しかし、私は、初心者は加水率のコントロールしやすい卵無しの生パスタから習得していくのが良いと思っています。

私も最初は、卵入りの生パスタを作ろうとしていました。

しかし、卵を入れるレシピには次のような落とし穴があります。

  • 卵の大きさは一定しないので、加水率がコントロールしにくい
  • 卵が入ると麺が発泡性になってモチモチ感が全然でないことがある

卵が入ると麺が特に膨張するので、薄め薄めに生地を伸ばすことが必要です

確かに、タリアッテレは卵入りで作るのがイタリアでの正式のレシピです。

しかし、卵を入れた麺で日本人の麺に対する理想(コシがあってモチモチ)にあった麺にするのは難しいと個人的には感じています。

私が卵入りでそこそこ食べられる麺に出来たのは、生地を一晩寝かせた時ですが、それでも、完全に満足できる麺にはなりませんでした。

パスタには、卵を入れないものも沢山ありますし、また同じパスタでも地方によって卵を使ったり、使わなかったりするようです。

あまり巷にある卵入りのレシピにこだわらず、自分の好きなように生地の配合を決める方が良いと思います。

ちなみに私は、その時の気分によって全粒粉を混ぜたり、蕎麦粉を混ぜたりと、結構自由に生地の配合を決めています。

失敗パターン4: 打ち粉が足りない

整形した後のパスタに良く打ち粉をしておかないと、置いておいた場所にパスタがくっついてしまいます。特に加水率が高い場合には注意が必要です。

そうなると、いざ茹でようという時に、パスタが上手くお湯の中に投入できないということになります。

最悪なのが、剥がそうとしてパスタが変形する、麺が湯に綺麗に投入出来ず鍋のフチに付いてしまうといった失敗です。

この種の失敗を避けるには、打ち粉をしっかりするということが重要です。

伸し板の一角に、打ち粉を大量にひいた場所を作っておき、整形したパスタをそこにいったん置いて打ち粉を満遍なく付けてから、皿など(ここにも打ち粉をちゃんと敷いておく)に置いていくのが良いようです。

特に、麺ならば切り口、ショートパスタなら成形の過程で内部の生地があらわになっているような所にちゃんと打ち粉をしておくことが重要です。

ただし、トロフィエやピチなど、手で伸ばしたり、ひねったりする作業をする段階では打ち粉が生地につかないように気をつけます。打ち粉が付いてしまうと、生地が滑って逆に上手く作業が出来ないからです。

失敗パターン5: 麺同士がくっつくことを必要以上に恐れる

上の失敗と矛盾するようですが、多少パスタ同士がくっついても茹でれば離れてくれるということは良くあります。

必要以上に麺がくっつくことを恐れ、茹でる前に手で離してから湯に入れようなどと考えると、逆にせっかく成形したパスタの形が変わってしまったりして失敗につながります

多少くっついていても、気にせずお湯に投入しましょう。投入したら、すかさず箸で軽く混ぜくっついているパスタを離します。

失敗パターン6: 茹でる時のお湯が少ない。火力が足りない。

パスタをお湯に投入するとお湯の温度が下がります。この時、火力を強めておいて沸騰が切れないようにすることが大切です。

乾麺のパスタは茹でている時に鍋にへばりつくということは殆どありませんが、生パスタの場合は、鍋のフチや底に接触した場合、こびりついて手に負えなくなります

パスタをお湯に投入する時には、鍋のフチに接触しないように丁寧に入れること、底に接触しないように沸騰を途切れさせないことが重要です。

そのためには、お湯の量はたっぷりにしておくこと、パスタ投入時の火力は強くしておくことがコツです。また、パスタを一気にお湯に入れると言っても、一度に投入する量は手のひらに乗るくらいに押さえておく必要があります。

仮に投入に30秒かかっても構いません。慎重に投入しましょう。

全てのパスタを投入して一煮立ちしたら、そこで初めて火力を弱めて吹きこぼれをしないようにします。

追記: 特に小さな鍋で茹でる時に、パスタを湯に入れた時に突沸して、お湯がこぼれて火が消えてしまうということがありました。上で書いたように、一度に湯に入れるパスタの量は抑えて下さい。

失敗パターン7: 水回しの時に手で混ぜることにこだわる

大体のレシピや教科書では、粉に水を加えて行く時には手で行うと書かれていると思います。

しかし、私はこれに反してスプーンなどで混ぜることにしています

そんなのは邪道だと異論のある方もいるかも知れませんが、初心者の内はこれで良いと思っています。

手で混ぜると粉がベトベトと手にまとわりついて、とても不快だからです。

もちろん、その感触がむしろ好きだという方は、この章は無視して下さい。

この水回しの作業が不快なことが、生パスタ作りの敷居を挙げているような気がするのです。

それで最終的に失敗してしまったら、とても不快な思いをしている分だけ、落胆も大きくなります。

それで、「もう生パスタ作りなんかやるものか!」となってしまうかもしれません。

格好をつける必要はありません。

スプーンで混ぜれば、この作業の不快さを避けることが出来ますので、初心者の内は手を使わないで水回しすることを提案したいと思います。

その場合のコツは、手でやる場合と同じですが、水を何回かに分けて少しずつ入れることです。

水が均等に行き渡ったら、後は手を使って生地をまとめてこねていきます。満遍なく水が行き渡っている場合には、たいして手につかなくなっているはずです。

最終的に完璧な出来を目指すなら手で混ぜる必要があるのかもしれませんが、ある程度技術を身につけるまではこれでいいのではないでしょうか。

失敗パターン8: ソースと絡めた後にちゃんと煮込まない

生パスタは、乾麺のパスタとは違って、ソースの旨味をパスタ自体に染み込ませて食べるものです

ですから、茹で上がったパスタをフライパンの中のソースと絡めてから、そこそこの時間「煮込む」くらいの気持ちでソースと混ぜあわせます。

その間、水分はパスタに吸われていきますので、パスタ投入時のソースの水分量は乾麺パスタの時よりも少し多めにしておくのが良いようです。

追記: 上記は、いつも参考にしている『まいにち食べたい手打ち生パスタ』に書いてあったことですが、最近買った『プロのためのパスタ事典』の著者(プロのイタリアンシェフ)は、生パスタは煮た方が味が染み込むという考え方に否定的です。ソースは目標の固さに最初から持っていき、パスタと手早く和えるとのこと。私は、現時点では、最終的なパスタの固さがちょうどよければどちらの方法でも良いのではないかと考えています。

まとめ

以上、生パスタ初心者が陥りがちな失敗をまとめてみました。これらは全て初心者の私自身の経験から導き出したものなので、間違いも含まれているかもしれません。参考程度に考えて、ご自分で最適なやり方を見つけていただければ幸いです。最初は手ひどい失敗もするかもしれませんが、上手く出来た時の嬉しさは格別です。ぜひ生パスタ作りに挑戦してみてください。

様々な生パスタの作り方については、私は下の本を参考にしてきました。オススメです。

追記: 最近こちらの本も買いました。上の本にないパスタが多く紹介されています。

プロのためのパスタ事典

プロのためのパスタ事典

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