最近、生パスタや蕎麦の自作に挑戦しています。そんな中で、「上達」ということについて少し感じたことがあるので書いてみたいと思います。それは、上達には、二つの段階があるということです。
初心者は行き当たりばったりでアウトプットが一定しない
何事も初心者から始まるわけですが、当然、最初から上手くいくということは多くありません。
蕎麦打ちを例に取ると、麺の厚さや太さも作る毎に一定しませんし、そもそも蕎麦の麺自体が切れて長い麺にならないことも多くあります。
一般的な常識で「蕎麦」と考えられているものさえそもそも出来ないわけです。
私の場合、一番最初に蕎麦を作った時には、(ビギナーズラックで長い麺にはできたのですが)きしめんのような形の麺になってしまいました。
(これでも、十分美味しく、ここから蕎麦打ちにはまっていったのですが…)
第一の上達の段階: アウトプットが安定してくる
初心者でも、ネットで情報を調べたり、教科書を買ったり、弟子入りしたりして練習していくうちに、だんだんと目標となるものを安定して作ることが出来るようになります。
これが第一の上達の段階です。
言い換えると、固定された目標を達成できる段階です。
蕎麦打ちなら、世の中で「蕎麦」と言われている太さ・固さ・長さを持った麺を安定して作れるようになった段階です。
この「安定して」というのが重要で、目標が固定でも、その時々の環境に合わせてやり方を変えなければなりません。
蕎麦打ちならば、蕎麦粉の状態、その日の湿度や温度などの環境の変化に対応して水の量などを変える必要があり、これをちゃんと出来るだけでも大変なことです。
この段階に至ったならば、それを商売にすることも出来るかもしれません。
第二の上達の段階: 安定して作り分けが出来る
第一の上達の段階に至るだけでも大変なことですが、それより一段階上の上達の段階というものがあります。
それは、「作り分け」が出来る段階です。
例えば、蕎麦ならば、固くて太い蕎麦、細くて柔らかい蕎麦など、自分が自由に設定した様々な目標物を、(初挑戦で)うまく作ることが出来る段階です。
これが出来るためには、単に一つの手順(とその微調整方法)を覚えているだけでは出来ません。
蕎麦なら蕎麦粉や小麦粉から麺が出来る原理を理解した上で、手順を大きく変化させる必要があります。
対象に対するより深い理解がないと出来ないわけですね。
初心者の時の「ばらつき」を狙って作る
この第二の上達に達した人は、初心者の時に経験する「ばらつきの楽しさ」を狙って作ることができるようになります。
初心者の時には、アウトプットは安定しませんが、出来てきたものの中には、常識からは外れているけど意外にいけるというものがあったりします。
例えば、私が蕎麦打ち初挑戦で作ったきしめん状の蕎麦、これも考えようによっては新しい蕎麦のジャンルにできる可能性があるわけです。
しかし、初心者だと、それをもう一度作れと言われても、再現はできません。
この第二の上達に達した人は、それを狙って再現することができます。
つまり、第二の上達に達した人は、新しい創造ができる人です。
この段階に達したならば、その人の商売も安泰でしょう。
当然、かなり大きな環境の変化にも対応できますし、自分から新しいものを作って提案していくこともできます。
まとめ
ここまでをまとめると
- 初心者: アウトプットが安定しない(ただし、まぐれあり)
- 達人1: 一つの(決められた)目標のアウトプットが安定(まぐれなし)
- 達人2: 複数の(自分で作った)目標のアウトプットが安定(狙ったまぐれ)
ということになります。
第一の達人に達するのも難しいことですが、(だからこそ)それに安住してしまい、常識に縛られて成長が止まってしまうということも良くありそうです。
しかし、特にそれを仕事にするならば、第二の達人になることを目指すべきだと私は思います。
「俺は、この蕎麦さえ打っていればいいんだ」
「俺は、このやり方でこれまでやってきた」
「俺は、この分野の専門家だ」
こんな言葉は危険信号だと思います。
みなさんも、一度、意識して目標を変えてみて自分は対応できるかということを試してみてはいかがでしょうか。あなたの本当の上達度が分かるかもしれません。