昨日のお昼は、蕎麦打ちを始めてからずっとやりたいと思っていた「十割蕎麦」に初挑戦してみました。小麦粉のつなぎを全く使わないのでとても難しいのではとビクビクしながらやりはじめましたが、意外や意外、そこそこの蕎麦ができてしまいました。
美味しいつゆには美味しい蕎麦が欲しくなる
この前、ちょっと高級な麺つゆ「桃屋 つゆ 特級」を買いました。

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このつゆが結構美味しかったので、蕎麦自体もさらに凝った美味しいものを作りたくなってきました。
そこで思いついたのが「十割蕎麦」です。
蕎麦打ちを始めた人なら、いつかは十割蕎麦を打てるようになりたいと思うものではないでしょうか。
私も、まずは二八蕎麦を打てるようになるまで練習して、そこそこ出来るようになったら、一度、十割蕎麦に挑戦してみようと思っていました。
そこで、満を持して今日、十割蕎麦に挑戦してみました。
素人が十割蕎麦を作ったらどうなるかというのも何かの参考になるかもしれませんので、少し詳しくレポートしてみます。
十割そばの作り方
二八蕎麦のように小麦粉のつなぎを使わない十割蕎麦は、一般的には麺がつながりにくく難易度が高いと言われています。
以前、下の記事でも書いたのですが、十割そばには、二通りの作り方があります。
一つは二八蕎麦と同じように水で練る「水こね」です。
この場合には、蕎麦粉に含まれる小麦粉のグルテンとは違う別のタンパク質の結合力を利用してつなげていきますが、グルテン程の結合力にはなりません。
もう一つの作り方が「湯ごね」と呼ばれる手法です。
これはお湯で蕎麦粉を練ることにより、デンプンのα化を起こし糊状にしてその粘りで結合力を出すという方法です。タンパク質をほとんど含まない更科粉で蕎麦を打つ場合や、農山村での田舎そばでは、この湯ごねの技術が使われるそうです。
つなげるという観点からは、後者の「湯ごね」の方が簡単ですが、出来上がった蕎麦の風味の点では「水ごね」の方が有利と言われています。
十割蕎麦を売りにしているような蕎麦屋の場合、「水ごね」でつなげることにこだわっている店も多いようですね。
で、今日挑戦したのは、無謀にも「水ごね」です。
これまで、生パスタ作りと蕎麦打ちを両方やってきて感じたのが、意外にも、蕎麦粉の方が小麦粉よりもネチッとした粘りがあるということです。少し蕎麦粉を混ぜた粉で生パスタを作ったとき、それを感じました。
というわけで、蕎麦粉自体の粘りもバカにできないと前々から思っていたので、今回思い切って、水ごねで十割そばを作ってみることにしました。
いったい、どうなるでしょう。
十割蕎麦(水ごね)挑戦レポート
十割そばということで、粉の配合は以下のとおりです。
- 蕎麦粉 (ロール挽き)100g
- 水 44cc (加水率44%)
シンプルですね。加水率は、これまで二八蕎麦で上手くいっている44%のままとしました。
使用している蕎麦粉は、こちらの蕎麦粉です。

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いつものように、粉に水を二回に分けて入れていきます。二八蕎麦の時には、蕎麦粉と小麦粉を満遍なく混ぜるという作業が必要ですが、十割そばの場合はそれが無い分だけ楽です。
この時、できるだけ満遍なく水が行き渡るように気をつけて混ぜていきます。
前から書いているように、私はこの作業を(邪道ですが)ボウルとスプーンで行っています(生パスタを作る時も同様)。一番の理由は手に粉がこびりつきにくいということなのですが、このやり方でもそれほど問題を感じていないということもあります。
水を全部入れ終わって、しばらく混ぜた状態がこちらです。だんだん生地がまとまり始めます。
ある程度までいったら、そこで初めて手を使ってまとめていきます。
こんな感じにまとまってきます。この段階になると、手で触ってもこびりつく粉は少なくなります。
まとまった生地を、のし板の上で練っていきます。
私は、特に蕎麦だからこういう練り方をしようということはなくて、生パスタの時と同じように、「生地の上半分を手前に折って押す」を繰り返しています。時間的には、3~4分くらいでしょうか(練る回数は生パスタより気持ち少なめかもしれません)。
最後は、丸く整えて、伸しに入ります。
粉の量が少ないので、巷で見られる蕎麦打ちのお手本どおりでは出来ませんが、最終的に四角い麺帯にすることが目標であることは同じです。
こんな感じになりました。生地の真ん中のところが少し薄くなってしまいましたが、気にしないで続けます。
この写真でいうと、横方向の長さが、切れないでつながった時の蕎麦の長さになります。もし切れてしまっても、この半分の長さの蕎麦になりますので、理想的には、横長の四角形にしたいのですが、なかなかそのようにできたことはありません。
これがどのくらい効果があるかわからないのですが、麺切りに入る前に最後に伸す方向は写真の上下方向にすると出来上がった蕎麦が切れにくいそうです。
伸ばした生地は、まず下半分に打ち粉をして、上半分を折り重ねます。そしてそれを90度時計回りに回転させて、今度は上半分に多めに打ち粉をして、下半分を折り重ねます。
最初の折り目の部分は包丁で切ってしまいますので、気にしないでいいですし、強めに折ってしまっても良いのですが、次の折り目の所は、麺として繋がるべき所ですので、強く折ってはいけません。
包丁で切る時に、いちばん蕎麦が切れやすいのが、この二回目の折り目のところです。
折った麺帯は、下に打ち粉を良くしたまな板の上に移動させます。そして、上にたっぷりの打ち粉をします。蕎麦が切られて溜まっていく右側にも打ち粉をしておきます。この時、のし板の上に溜まっている打ち粉をこれに再利用すると無駄がなくて良いようです。
こんな感じになりました。先ほども言ったように、生地の下の端が蕎麦が一番切れやすい部分になります。
これを麺きり包丁で切っていきます。駒板があると良いですが、私は空き箱の蓋で代用しています。
こんな感じで蕎麦ができました。少し太めにしてみました(十割蕎麦ってそんな印象があるので)。
見たところ、折れ曲がっている所で麺が切れているということはないようです。
ここまでは、意外に上手くいきました。後は、茹でた時にどうなるかですね。
茹で時間は、40秒としました。
たっぷりのお湯で茹でて、ザルであげたら、ためていた冷水で3回ほど優しく洗いぬめりを取ります。
皿に盛り、大根おろし、刻んだ紫蘇、鰹節をかけて、おろし蕎麦にしました。
十割蕎麦のおろし蕎麦、完成です。
つゆはもちろん、「桃屋 つゆ 特級」です。
試食
最初は、蕎麦の出来を確かめるために、もりそばのように食べてみます。
美味いです。蕎麦屋で食べる十割蕎麦のような固さが出ています。
「桃屋 つゆ 特級」は、思った通り、十割蕎麦で食べたほうがその良さが際立つように感じました。
蕎麦のつながりですが、100%とは行きませんが、1/3くらいの蕎麦がちゃんと切れないで繋がっている印象です。
このくらい繋がっていると、「蕎麦を食べている」という感覚はそこそこ味わえます。
あまりに美味しいので、おろし蕎麦として食べるのを忘れて、1/3くらい食べてしまいました。
残りの2/3くらいは、つゆをぶっかけて、おろし蕎麦として食べました。
おろし蕎麦としても美味しかったのですが、この十割蕎麦はつけ汁につけて食べる方が美味しい蕎麦だと感じました。
まとめ
良いつゆには、良いそばをということで、十割蕎麦、しかも水ごねでの十割蕎麦に挑戦してみました。最初、素人が十割蕎麦を作ったらやはりブツブツ切れた蕎麦が出来るのではないかと心配していたのですが、意外や意外、思った以上につながった蕎麦が出来ました。
しかし、蕎麦屋の蕎麦とはまだまだ比べることも出来ないくらい拙い蕎麦であることには変わりません。もっと練習して技術を向上させていきたいです。十割蕎麦に関しては、湯ごねという技術にも興味がありますので、次は湯ごねでやってみたいですね。

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