煩悩退散!

シンプルライフを目指しています。なのに煩悩(物欲・食欲・承認欲 etc.)は尽きません。そんな煩悩をここで吐き出して成仏させようとする試み。

【読書】近藤麻理恵著『人生がときめく片づけの魔法』を読みました


今や世界的にも有名になった近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』がKindle Unlimitedの対象になっていたので、かなり遅ればせながら読んでみました。

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

片付けは多くの人を悩ませるテーマです。

私もこれまでの人生でずっと悩んで来たような気もします。正確に言うと、悩むというよりは、やりたい、やらなければならないと思いながらも面倒くさくて出来ずに、適当な所で妥協してしまい、その後ろめたさがいつも頭の上に重くのしかかっている感じです

近藤さんの片付け術に関しては、テレビでもネットでも既にかなり流布していますので、大体のことは、「これ聞いたことがある」というものが多かったのですが、その根底にある考え方が分かったという点で、読んで良かったです。

私が理解した範囲で要点をまとめると

  • 捨ててから整理
  • 片付けは、一気にやる(片付けは祭り)
  • 片付けは、場所別ではなくモノ別で行う
  • 片付けは、「衣類→本→書類→小物→思い出品」の順で行う

ということですね。

片付けの目的は「自分が幸せになることである」というところから出発し、あの有名な「ものを触ってみて、ときめくか」どうかで捨てるものを決めるといった、どこまでも個人的な、感情に基づいたルールが導き出されています。

確かにこれは、目からうろこで、しかも本質をついているように思います。この点をはっきり示したしたことが、本書の一番の功績だったのだろうと感じました。

綺麗の片付いているとは何か

そもそも「きれい」とはどんな状態のことなのでしょうか。片付けの目標が「幸せになる」ということであれば、自分が心地よくなる状態のことを「きれい」というのでしょう。

とすると、それは個人的なものになるわけですが、大抵の人にとっては、物がきっちり片付けられていて、まっすぐに並び、家具や床の上にはほこりも無いという状態が、「きれい」で想像することでしょう。

しかし、これは「自然」とは少し違うものです。自然にまかせていたら、部屋の中は物が散らかり、ほこりは積もっていくわけです。

一方で人は、自然に任せた森や湖をみて美しいとかきれいだなと感じたりします。でも、それらをアップでよく見てみると、虫はいますし、動物の糞もありますし、落ち葉の下にはカビも生えています。

いくら自然好きで自然の中にいると幸せを感じる人でも、そこに住みたいかというとそうでないのではないでしょうか。

結局、人間の頭の中には色々なモノのあるべき姿というものがあって、家の中ならば人の力をかけて自然に対抗して秩序を取り戻した状態があるべき姿であり、自然の森ならば自然にまかせて雑然とした状態があるべき姿だということなのでしょう。

そもそも、家というものは、動物の巣から始まり、自然の脅威から自分を守るシェルターとして生まれてきたのでしょう。

したがって、家の中では、自然からできるだけ離れる方向が善とされるようになったのではないでしょうか。物は自然に反して直線や直角にならんでいるのがよく、自然に反してほこりが積もっていないのがよく、自然に反してカビが生えていないのがよいのです。

しかし、この家の中で反自然を志向する力は、一人歩きを始めているような気もします。最低限自然の脅威から身を守るのでよければ、人はこんなに片付けで悩まなくてよかったはずです。

どこかで、ストップしなければならないのかもしれません。

その現れの一つが、モノを減らすということなのでは無いでしょうか。モノを減らした上で、残ったモノに関しては反自然を徹底してきれいに片付ける。そうすれば、労力を減らしながら、家の中に反自然を作り出せます。

この本を読みながらこんなことを考えていると、片付けは多くの人が悩むだけあって、深いものだなあと感じました。

まとめ

Kindle Unlimitedの対象になっていた近藤麻理恵著『人生がときめく片づけの魔法』を読んだので、感想を書いてみました。これだけ世界で人気になっているだけあって、確かに、片付けで悩んでいる人は一度読んでおくべき本だと思いました。

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法