この本は、世界中で成功している華僑の人たちの考え方を、華僑に弟子入りしたという日本人の著者が解説した本です。Kindle Unlimitedの対象になっていて、タイトルが気になったので読んでみました。

- 作者: 大城太
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2014/03/14
- メディア: Kindle版
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華僑の思考法則
世界中で成功を収めている華僑の人たちの秘密とは。本書では、華僑に弟子入りしたという日本人の著者が、46章に渡って華僑の思考法を解説しています。
各章テンポよく書いてあって、すらすらと読めました。
書いてあることは、華僑についてどこかで聞いたことがあるような事が多く、少し典型的すぎる気もしました。書かれていることが、どこまで華僑の人に共通することなのか分からないのですが、なるほどなと思うことがたくさん書いてありました。
特になるほどと思ったのは、次の二点です。
追い詰めない・責任を追求しない
例えば、華僑の人たちは、失敗した相手を決して追い込まないそうです。また、そのためにメールなどの「証拠」が残る連絡手段を好まないそうです。
最近のネットを見回してみると、失敗した人はいくらでも叩いて良いという態度を取る人が目につきます。しかし、そこがまさにその人の人生哲学が出るところなのかもしれません。
失敗した人を追い詰めてその人を潰してしまったら、その人が後から挽回する可能性を潰してしまうわけですし、窮鼠猫を噛むで捨て身の反撃をされる可能性もあります。
そうなるくらいなら、失敗をことさら責めずに、恩を売っておいた方が良いという考え方ですね。確かに、そのほうが現実的です。
私は、仕事の連絡は証拠が残るメールが絶対良いと思っていたのですが、それは、言った言わないを避け、不当な責任を被せられないようにという意識が強かったと思います。
しかし、よく考えると、それは上司の指示が間違っていた場合にもそれを明確にして追い詰めてしまうということでもあるのですね。そこで上司にさえ恩を売る度量があれば良いのでしょうが、なかなか出来るものではないですね。
結局、恩を売って返ってくるという経験がないと、恩を売るという行為をしようと思えないですよね。華僑の場合はそこを上手くシステム化できているのかもしれません。
相手の財布にお金を貯める
また、華僑の人たちは、よく食事をおごり合うそうです。それは、「相手の財布にお金を貯める」という感覚があるためだそうです。
私などは、ケチなのでなかなかそういう思考法が出来ないのですが、そういう感覚が商売で成功するのには必要なのかもしれませんね。
華僑の考え方の根底にあるのは、人と人とのコミュニケーション、仲間同士の助け合いです。異国の地の商売で成功し、生き残るための知恵がそこにはあるように感じました。
本書に書いてあることは、もしかしたら、華僑にかぎらず、商売で成功する人に共通する思考法なのかもしれないと、最後まで読んで感じました。
実際、本書でも、華僑は子育ての時に子供の商売の才能を見極めて、駄目なら大学に行かせて出来るだけ就職がよくなるようにするなどと書いてありますから、本書に書いてあることは「商売の上手い華僑の思考法則」ということなのかもれないですね。
まとめ
Kindle Unlimitedで『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』を読んでみました。典型的な華僑のイメージが綺麗にまとまって書かれすぎている気もしましたが、なるほどと思うことも多く、読んで損はありませんでした。