Kindle Unlimitedの対象になっていたので、読んでみました。本書での「雑談」とは、単なる時間つぶしの意味のないおしゃべりではありません。言ってみれば、自分の目的の方向に話を持っていくための話術です。

- 作者: 安田正
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2015/06/12
- メディア: Kindle版
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雑談とは何か
本書では、雑談力を磨くための色々なテクニックが紹介されています。
そもそも雑談とはなんでしょうか。
本書で言う雑談とは、単なるおしゃべり、無駄話のことではなく、商談などの場面で自分の目的の方向に話を持っていくための会話です。
商談のための話術というと、何かテクニックで相手をその気にさせて物を買わせることを想像します。もちろん、それも含まれるかもしれませんが、要は自分の目標とする方向に話を進めるための方法であって、使い方一つで、悪いことにも使えますが、良いことにも使える技術です。
セールスを仕事にする人以外にも、雑談力は様々な場面で役に立つでしょう。
雑談のコツ
本書を読んで、雑談のために特に重要だと感じたことは、次のようなことです。
- 目的意識をもって会話する
- 話のフックとなるような幅広い知識を持つ
- 相手が返しやすいようにする
雑談を続けるには、まず、自分のターンでは、相手の言ったことの中にフックになるようなことを見つけて、話をふくらませていく必要があります。そのためには、常日頃、幅広い知識を身につけるようにしておかなければなりません。
そして、相手のターンになった時に相手が返答しやすく、しかも、自分の目的の方向に話が行くようにしなければなりません。
本書の説明で「なぜ?という質問は駄目」とあって、私は、その種の質問をよくしてしまうので、どうしてかなと思って本書を読み進めたのですが、「なぜ」という質問は、相手がそれに答えるだけの知識がない場合、返答に困ってしまって、そこで会話がストップしてしまうからなのだそうです。さらには、相手は気まずくなってしまうかもしれません。
正直、私にはこれまでその発想はありませんでした。自分の知識欲が全面に出てしまって、相手が答えられなかった時のことなど、気にしていなかったということなのですね。
本書を読んでいると、雑談は会話上の「詰将棋」のようなものであるという印象を受けます。
そして、雑談を続けるコツは、結局のところ「相手を思いやる」ことだとも感じました。
そう考えると、ちゃんとした雑談は、なかなか簡単にできるものではありません。
それだけに、雑談がちゃんと出来る人は、能力があると判断されて、信頼もされ、商談もうまくいくのでしょう。
確かに、本書の意味での雑談を常に念頭に置いて人と会話している人と、そうでない人では、色々なところで大きな差が生まれてくるような気がします。
私も雑談力を磨かなければと思いました。
まとめ
Kindle Unlimitedの対象になっていた、安田正著『超一流の雑談力』を読んでみました。要点がまとまっていて読みやすく、個人的にはとても勉強になりました。