ついに買ってしまいましたよ。こね鉢を。蕎麦打ちというと必ずと言っていいほど見かける、漆塗りの、内側が赤いあれです。
こね鉢購入
購入したのは、外径が42cmのこね鉢です。一見漆塗りのように見えますが、実際にはプラスチック製の3000円ちょっとのお手頃な価格のものです。本物の漆塗りのものは、そんな値段では到底買えません。
最初、どのくらいの大きさの物を買うか迷って、この一つ下の大きさのものも検討しました。しかし、両手を入れて作業できる大きさというと、私の手の場合このくらいの大きさが必要だと思い、結局この大きさになりました。
届いて箱を開けた時は、正直、想像以上の大きさに驚きました。
道具の揃え方
自分のポリシーとして、常に今あるもので蕎麦打ちができないかということを念頭にこれまでやってきました。そして、必要に応じて、麺切り包丁、駒板と、徐々に道具を揃えてきました。
麺きり包丁も、駒板も、結果としては蕎麦打ちには必須の物だと分かって来たのですが、最後に残ったのがこのこね鉢です。
そして、これまでこね鉢無しでもなんとかやってきて、そこそこの蕎麦も打てるようになってきました。
また、麺つゆも、最初はスーパーの安いものから始まり、次は、少し高級な「桃屋 つゆ 特級」を使ってみて、今は、かえしと出汁で自作した麺つゆを使うまでになりました。
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こう見てみると、初めて蕎麦を自作してから2ヶ月ちょっと、ずいぶんと遠くに来たものです。
しかし、やはり最後に課題として残ってきたのは、一番難易度が高い「水ごねでの十割蕎麦」を作った時の蕎麦の繋がりが悪いということです。
大体の蕎麦打ちの教科書や動画は、大体、今回買ったようなこね鉢を前提として作業が説明されています。そうすると、十割蕎麦の繋がりが悪い理由の一つとして、こね鉢を使っていないからではないか。もっと言うと、両手が入るような大きなこね鉢の中で勢い良く粉をかき混ぜて水を満遍なく行き渡らせるということがやはり出来ていないのではないか、と思うようになりました。
というわけで、思い切って購入してしまったわけです。
結局、麺きり包丁、駒板、こね鉢と、合わせると8000円くらいの出費となったわけですが、ならば、最初から下のような蕎麦打ちセットを買ったら良かったのではと思う方もいるかもしれません。こういうセットなら、1万円~2万円で、さらに麺台やDVDも付いたりしますしね。

42センチこね鉢・L判そば打ち道具一式・フルイ・粉ホーキ・そば粉セット (極上石臼一本挽き)(そば打ちセット)(teto51)
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- メディア: ホーム&キッチン
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しかし、私は、私が採った徐々に道具を増やすという方式を後悔していません。
と言うのも、最初蕎麦粉を買うだけという最小限の出費で小さく始めたからこそ、蕎麦打ちを始められたのですし、なにかうまく行かなかった時に、まずは自分の腕を疑ってみて試行錯誤してみる、それでもだめなら道具を疑ってみるということをすることで、蕎麦打ちというものをより深く、楽しく習得できた気がするのです。もちろん、先人の知恵の詰まった道具がいかに便利なものかということも、実感として分かりました。
なにか新しいことを始める時に、最低限揃えなければならない道具というものがあることも事実です。スポーツなどでは、そこをケチったら命の危険があるということもあるでしょう。
しかし、命の危険が無いのであれば、道具は少しケチったくらいの方が楽しく、長続きするというのが、私のこれまでの経験からは言えます。私の場合、道具を先に揃えてしまうと、それで満足して先に進まないということがよくあるのです。
すこし前置きが長くなりましたが、こね鉢を使った今日の蕎麦打ちの様子をレポートしてみます。
こね鉢を使っての蕎麦打ち
材料
- 殻入り石臼挽き蕎麦粉 105.5g
- 水 54.9g (加水率52%)
蕎麦粉をこね鉢の中に入れます。やはり、100gだとこね鉢が不必要に大きく感じますね。
このこね鉢は、400g~500gくらいのそばを打つのにちょうど良い大きさなのではないでしょうか。
用意した水の80%くらいを一気に入れ、それを手で素早くかき混ぜていきます。いつもは、ここを菜箸でやっているのですが、今回は、いかにも蕎麦打ちらしく、指でやってみました。
思ったよりも指への蕎麦粉のくっつきはありませんでした。
さらに、手で軽く揉むような動作でダマを壊してバラバラにしていきます。こね鉢を使ってやりたかったのはこの作業で、両手が入るくらいの大きさが無いとやりにくいのです。こね鉢を使うと、小さなボウルでやるよりも明らかにやりやすく感じました。やはり、このくらいの大きさは必要なようです。
面白いことに、この作業の後の仕上がりがいつもよりも乾燥しているように感じました。満遍なく水が回っている証拠かもしれません。
この状態から、水を少しずつ足していき、生地をまとめていくのですが、この時、水を一気に入れすぎて、指に粉がこびりつく場面がありました。
最近分かってきましたが、粉が指にくっつかないようにするには、局所的に水が多すぎるところができないようにするということがとても重要だということです。そこさえコントロール出来れば、手に粉がついてどうしようもないということはなくなるようです。
生地をひとまとめにしたら、菊練り(のようなもの)をして、最後に丸いお餅のような形にまとめます。
これを延し棒で伸ばしていきます。
今日は、四つ出し(角を出して四角くする作業)が上手く行きませんでした。
気を取り直して、これを4つ折りにして、駒板を当てながら麺きり包丁で切っていきます。
生地の折り目のところにヒビはなく、結構いい感じに切れました。
茹で時間は、55秒としてみました。
茹で上げた蕎麦を、冷水で締めて、皿に盛ろうとすると、これまでの水ごねの十割蕎麦とは明らかに違う感触です。折り目で切れずに長く繋がっている蕎麦の割合が多いのです。
出来上がりはこんな感じ。
試食
長い蕎麦が多く、すするのが楽しいです。
間違いなく、水ごねの十割蕎麦ではこれまでで一番つながっています。もしかしたら、これまで作ってきた湯ごねの十割蕎麦や、会心の出来だった外一蕎麦と同じくらいか、それ以上に繋がっているかもしれません。
やはり、こね鉢でやったのが良かったのでしょうか。
茹で加減や麺の食感は、まあまあですが、今一歩かなという感じでした。アップでみると、すこし角の立ちが悪いのが分かります。
美味しい蕎麦は見た目からして良いですからね。まだまだ修行が必要です。
これから
これで、麺きり包丁、駒板、こね鉢と、一通りの道具が揃いました。
後欲しいのは、もう少し大きいのし板です。今ののし板では、狭すぎて一人分の蕎麦しか一度に打てませんので、蕎麦を人に作ってあげるということが出来ないためです。
今の蕎麦打ちは自分の食事用に特化していますが、ある程度上手くなると、やはり誰かに食べてもらいたくなるものです(人に食べさせるには、あと一歩上達する必要がありそうですが)。
まあ、今の狭いのし板でも、違う種類の蕎麦を1人分ずつ作って、合わせて一人分にするというのでも良さそうですよね。その方が、食べ比べが出来て、実は楽しいかもしれません。できるだけお金をかけないことを考えると、こういう工夫が思いついてくるわけです。
次の目標はそこら辺かな。
ちなみに、今まで蕎麦の道具にかけた8000円程度の投資は、かなり早く回収できそうです。というのも、今の私の蕎麦は店で500円くらいで出されても納得できるくらいの出来なので(自画自賛なので割り引いて聞いて下さい)、材料費の200~250円との差額が、蕎麦を自作する度に利益として道具代を相殺していくからです。さらに腕を上げれば、800円、1200円相当の蕎麦も作れるようになるかもしれません。
まとめ
念願のこね鉢を買ったので、それで水ごねの十割蕎麦を作ってみました。水ごねの十割蕎麦としては、これまでで一番のつながり具合で、やはりこね鉢は重要なのかなと考え始めています。あと道具として残るのは、大きな伸し板ですが、上で書いたように、今のものでもあと少し引っ張れそうですね。