今日のお昼は蕎麦打ちをしました。最近は十割蕎麦に挑戦することが多かったですが、久しぶりに小麦粉のつなぎ多めの「外二」を打ってみました。やはり、小麦粉が多いと、蕎麦の繋がり具合が良いですね。道具も揃い、腕も多少上がってきたのか、これまでの蕎麦打ちで一番と言っても良いくらいの長く繋がっている蕎麦ができました。
外二蕎麦とは
おさらいですが、「外ニ」蕎麦とは、蕎麦粉10に対して、小麦粉を2の割合で入れて作る蕎麦です。
蕎麦粉の割合は、二八蕎麦の80%から、83.3%と少し高めになっています。その先には、9割蕎麦(90%)、外一(90.9%)、十割蕎麦(100%)と続いていきます。
小麦粉は、水で練るとグルテンを形成して、結合力を生じますので、蕎麦をつなげる難易度でいうと、外二は、二番目に簡単な蕎麦ということができると思います。
細かいことを言うと、下の記事で紹介したように、水でこねるのではなくお湯でこねる「湯ごね」や、海草などの粘りがある食材でつなげる方法でも、つながりやすくなることもあります。
しかし、蕎麦のつなぎとして一番オーソドックスなのは、やはり小麦粉です。
もう一つ、外二蕎麦のいいところは、蕎麦粉を1食100gで固定した時に、小麦粉を20g足しますので、出来上がりの量が20%程増えて、蕎麦をたっぷり食べたいなという気分の時にピッタリということです。
蕎麦粉は、大体100g単位で売っていますので、蕎麦粉は1食100gで固定の方が、半端に蕎麦粉が残らずやりやすいのです。
まあ、蕎麦粉が中途半端に残ったら、下の記事の様にガレットを作るという手もありますよ。
蕎麦の香りを楽しみたければ蕎麦粉100gで十割蕎麦、香りも十分楽しみたいし量も少し多くというときには小麦粉を10g足して外一、量が欲しいという時には小麦粉を20g足して外二という打ち分けが出来ると思います。
ちなみに、今まで蕎麦打ちをしてきて一番の美味しく出来たのは、外一蕎麦を打った時の蕎麦でした。
前置きはこのくらいにして、今日の蕎麦打ちの様子をレポートしてみたいと思います。
外二蕎麦を打つ
材料
- 蕎麦粉(石臼挽き)100g
- 蕎麦用つなぎ粉(強力粉) 20g
- 水 61.2g (加水率51%)
加水率は、二八蕎麦など小麦粉が入った時には加水率は少し下がるということなのですが、前回の51%のままでやってみることにしました。
粉を良く混ぜて、こね鉢に入れます。この前買ったこね鉢、大活躍中です。
粉の真ん中に窪みを作り、そこに、水を全体の80%程度一気に入れて、それを指を立てた手で一気に混ぜていきます。
最初の頃は、この水回しの工程で指に粉が粘りつくのが嫌で、ボウルに粉を入れスプーンで混ぜていましたが、実際にやってみると、意外とベトベトくっつくことはなく(付くことは付くのですが)、慣れれば許容範囲だなと思うようになりました。
このような十分な大きさのあるこね鉢を使い、手で粉を混ぜたほうが、明らかに出来る蕎麦の繋がりが良いということが分かってきましたので、麺きり包丁もそうですが、伝統的に使われている道具にはやはりちゃんと意味があるんだなあと感心しています。
できるだけ「ダマ」を崩すような感覚で、揉んでいくと、こんな感じになりました。
ここから、残りの水を少しずつ入れて、生地をまとめていきます。
だんだん、大きなまとまりになってきます。
最後は、こんな感じに一つにまとまります。
ただ、今回、まとまった生地を練り始めてみると、相当柔らかいことが分かりました。やはり、小麦粉が入った場合は、加水率を低めにしたほうがよいようです。
のし板の上で、水分を吸わせるようにいつもより長く練ってみましたが、それでも柔らかいです。
一般に、柔らかすぎる生地は、「ズル玉」とい言います。柔らかくて練りやすく、のしも楽で、蕎麦も繋がりやすいため、「ズルをする」という意味で、そう言われるという説もあります。
素人は、最初はズル玉気味でやるのもいいという話も見かけます。
しかし、柔らかすぎる場合は、今度はのしている間に生地がのし板にくっついたりして、とたんに扱いにくくなりますので(そこまで水が多いものは「切らず玉」と言うらしい)、必ずしもズル玉が簡単ということは言えないような気もします。
ズル玉気味ですが、なんとかまとめて、円盤状にしました。
伸しは、板に付くのを警戒して、少し打ち粉多めで行いました。
確かに、生地が柔らかいので、すぐ伸びます。こんな感じになりました。相変わらず、四つ出しが上手くいきません。
麺帯の表面には、少し「ウロコ」のようなものも見えています。
少し心配になってきました。
この生地を4つ折りに畳んで、麺きり包丁で切っていきます。
水分が多くて、切りにくいかったり麺と麺がくっついてしまうのではないかと危惧しましたが、そんなことはなく、意外と切りやすいです。
できるだけ、一定に、細くを心がけましたが、まだまだですね。
十割蕎麦の時に比べて、麺にしなやかさがあります。
意外と良いのでは?と思えてきました。
お腹が空いたので、(本当はいけないらしいですが)すぐに茹で始めました。
茹で時間は、麺を入れて再沸騰してから、25秒としました。取り込みに手間取ったので、30秒くらいかかった麺もあります。
冷水で締めて、皿に盛ります。
皿に盛ろうと、手で蕎麦をつまみ上げると、これまでにない重量感があります。それが意味するのは、麺の長さが長いということです。
やった!これまでで、一番蕎麦が繋がっているかもしれません。
一番切れやすい折り目の所で切れないで繋がっている蕎麦が、50%~60%くらいある感じです。
蕎麦つゆ
最近書くのを省略していましたので、蕎麦つゆについても書いてみましょう。
今日の蕎麦つゆは、いつもの様に前日から仕込んだものを使いました。
これまで色々なやり方を試しましたが、ここ最近の作り方は以下のとおりです。
- 鰹節3gをそば猪口(耐熱)に入れておく
- 水60ccをケトルに入れ、沸かす
- お湯が沸騰したら、そば猪口に注ぐ
- それを2分ほど置いて出汁がでたら、そこへ「かえし」を25cc注ぎ、そば猪口にラップする。
- 十分冷めたら冷蔵庫に入れて次の日まで寝かす
かえしは、下の記事で紹介した、自作のかえしです。
これで、蕎麦を全部浸さない食べ方に調度良いちょっと塩辛いつゆができます。
そば猪口に残った鰹節は、最後、蕎麦湯を入れて飲む時に、一緒にふやかせて食べます。
もったいない精神です。結構うま味が残っていますし、醤油も染みこんで味がついていますので、そこそこ美味しいですよ。
全部飲むのはしょっぱすぎるので、もったいないですが、蕎麦つゆは蕎麦湯を入れる前に半分くらい捨てます。
最初からこの半分の量で作れば良いのではと思われるかもしれませんが、それだと蕎麦が食べにくいと思われますので悩ましいところです。
試食
出来上りはこんな感じになりました。
蕎麦の色は、十割の時に比べて、少し白味がかっていますね。
早速食べてみます。
蕎麦が長いので喉越しがとても良いですね。
やはり長い麺をすするのは楽しいです。
写真がボケてしまいましたが、箸でつまみ上げると、こんな感じです。右手で箸を持ち、左手でカメラを持ちながらシャッターを押すのは大変ですね。三脚をがあるとやりやすいのかな。
蕎麦の表面は、十割蕎麦の時に比べて、多少ツルッとしている気がします。
茹で加減は、私好みの調度良い固さです。
ズル玉だったので、茹でたら腑抜けた感じになるかと思いきや、シャキッとしていて美味しいです。これまでも、生地が緩めの時の方が、意外にも蕎麦がシャキッとしていて美味しかったような気がしないでもないです。ココらへんはもう少し追究が必要ですね。
十割蕎麦の時に比べて、やはり、香りは劣ります。十割蕎麦は噛まないでも香りがするのに比べて、この外二は良く噛むとようやく蕎麦の香りがしてくるという感じです。今回薬味は何もありませんでしたが、蕎麦の香りが薄いとすれば、薬味をなにか使っても良いかもしれません。
麺の量がたっぷりあって、食べごたえがあって良かったです。
まとめ
久しぶりに外二蕎麦を作ってみました。小麦粉が多かったのと、技も多少向上したのか、これまでで一番のつながり具合の蕎麦ができました。味や茹で加減も良かったです。やはり、小麦粉のつなぎとしての力はかなり強いですね。
二八蕎麦など小麦粉が多めの蕎麦は、温かい蕎麦に向くそうです(十割だと切れやすい)。実は、今野望として考えているのは、今年の「年越しそば」を手打ちでやりたいということです。それまでに、温かいそばも練習しておきたいですね。
それにしても、こね鉢買って良かったです。明らかに出来る蕎麦の質が上がりました。

- 出版社/メーカー: 祭のええもん
- メディア: ホーム&キッチン
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る