今日のお昼は、蕎麦にしました。引き続き、モンゴル産の蕎麦粉で十割蕎麦を作ります。ここまで、加水率は50%以上のレンジで探っていましたが、今日は、思い切って49%と下げてみた所、この粉で作った十割蕎麦で一番美味しい蕎麦になりました。
加水率を思い切り下げてみる
これまでこのモンゴル産の蕎麦粉では、加水率や茹で時間を色々変えて作ってみて、前回ようやくそれなりの出来かなと思える蕎麦になったのですが、まだ完全に満足できるものにはなっていません。
加水率は、51%, 52%, 51.5%と、全て50%以上のレンジで最適な所を探ってきました。
ただ、少し気になっていたのが、この蕎麦粉のメーカーの記述によると、もっと低い加水率がこの粉の適切値と書いてあることです。
これまで、この粉も含めて何種類かの蕎麦粉を試してきましたが、全てメーカーの推奨よりも高い加水率で落ち着いていました。
今私が採っている水回しの方法で粉が自然とまとまってくるところまで水を入れると、どうしてもそこらへんの加水率になるようなのです。
ただ、やっぱり蕎麦粉のプロのメーカーの値と大きく異るというのが、どうも不思議に思っていました。
そこで今日は、思い切って、メーカーの推奨の加水率まで下げてみてどうなるかを見てみることにしました。
具体的には、49%の加水率でやってみることにします。
これまでの感覚からすると、49%では固すぎるはずなのですが、どうなるでしょうか。
早速、見てみましょう。
今日の蕎麦打ちの様子
材料
- 石臼挽き蕎麦粉(モンゴル産)100g
- 水 49g(加水率49%)
水回し&こね
計量した蕎麦粉をこね鉢に入れ、中央に水を入れるための窪みを作ります。
そこに、用意した水の80~90%程度を一気に入れ、それを、指を立てた手で勢い良く混ぜていきます。
いつも書いていますが、水が満遍なく分布するように、ダマと乾燥した部分をぶつけるように、手で揉んでほぐしていきます。
こんな感じで、しっとりしたおからの様になったら、残りの水を少しずつ入れていきます。
水の量が少ないので、水を全部入れても、自然とはまとまってくれませんでした。
そこで、手の平で少し圧力をかけながら混ぜることで、ある意味強制的にまとめていきました。
まとまった生地は、こね鉢の中である程度こねていきます。
ある程度こねたら、延し板の上で、菊練りをして、最後は、円盤状にします。
こんな感じになりました。
生地は固めですが、固すぎるというわけではなく、意外と十分蕎麦にできそうな感じです。
延し
手である程度押し広げていきます。
それが出来たら、上に打ち粉をして、今度は麺棒で伸ばしていきます。
ある程度広がったら、「4つ出し」をします。
4つ出しが終わった状態です。
全然きれいな四角になりませんでした。
切り
生地を4つ折りにします(打ち粉はたっぷりと)。
駒板をあて、麺切り包丁で切っていきます。
切りの技術を磨くために、今回から、出来た麺帯の幅と切った回数を数えてみることにしました。
江戸の蕎麦の場合は、一寸(3.03cm)を、23本に切る「切りべら23本」が標準となっています(幅1.3mm)。「切りべら」とは切り口の方が幅よりも長いという意味。
とりあえずはこれが出来るように目指します。
今回、麺帯幅を測ってみると、13.5cmでした。
計算してみると、これを、102.5回均等に切ることができれば、切りべら23本になります。
で、実際は、84回でした(すみません、写真を撮るのを忘れてしまいました)。
計算すると、蕎麦の幅が1.61mmくらいに切れたことになります。
うーん、まだまだですね。
ちなみに、今回、加水率が低めなので、切った蕎麦が包丁にまとわりつく現象もほとんど起きず、切りやすかったです。
茹で
茹で時間は、麺を入れて再沸騰してから25秒としてみました。
冷水で締めて皿に盛る時に、加水率が低いにも関わらず意外にも蕎麦がかなりつながっていることが分かりました。これは期待できそうです。
試食
こんな感じで出来ました。
見た目からして良さそうです。
早速食べてみました。
率直に言って、美味いです。
シャキッとしていて、私の好きな固さになっています。
このモンゴル産の蕎麦粉での十割蕎麦で最高の出来だと思います。
また、これまでの全ての蕎麦打ちを考えても、3位あたりに入りそうな出来です。
これは意外でした。
この安い蕎麦粉(1食の粉代が100円)でここまでの味が出れば、私は大満足です。
蕎麦つゆと、追加で食べた卵や野菜ジュースの値段も入れても、今日のお昼代は200円以内に収まっていると思います。
やはり、メーカーのアドバイスはもっと早い段階で守ってみるべきでしたね。
これから、加水率の考え方を変えなくてはいけないかもしれません。
これまでは、「粉が自然とまとまってくるまで」水を入れていましたが、「少し圧力をかけたらまとまってくるまで」とするが良いのかもしれません。
とても美味しく、久しぶりに満足できる蕎麦打ちでした。私の場合、何か進歩のようなものがあったときに満足を感じるようですね。
同時に、私の今の技術レベルではこの蕎麦粉のポテンシャルを全然出せていなかったということが痛感できた蕎麦打ちでもありました。
まとめ
モンゴル産の蕎麦粉で十割蕎麦をつくりました。思いきって、加水率をこれまでよりもかなり低くしてみたところ、意外にも、つながりが良くとても美味しい蕎麦が出来ました。蕎麦打ちは、まだまだ奥が深いですね。