今日のお昼は、生パスタにしました。以前挑戦して失敗した「シラテッリ(Scilatelli)」です。このシラテッリは、ストロー状のミドル〜ロングパスタで、乾麺パスタなどを軸にして生地を伸ばして成形します。
高難易度の生パスタ「シラテッリ」
シラテッリ(Scilatelli)はイタリア・カラブリア州発祥のパスタで、ストロー状の穴の空いた形状が特徴となっています。ちなみに、カラブリア州は、イタリアの長靴の形のつま先の位置にある州のようですね。
いつものように、こちらの本を参考にしています。

まいにち食べたい手打ち生パスタ: パスタマシンを使わずに粉から作る、本場イタリア仕込みのレシピ集
- 作者: 金子琴美
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2013/12/02
- メディア: 単行本
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このシラテッリ、実は、以前↓のように一回挑戦して失敗して途中で諦めたことがある生パスタです。
あまりにうまく行かず、途中で、オレッキエッテを作ることに方針転換したのでした。
今まで挑戦した中で、上手くいかず途中であきらめたものはこれだけで、個人的には、上の本に載っているものの中で一番難易度が高いパスタなのではないかと思っています。
しかし、前に進むには、このパスタを成功させておかないといけないという気持ちになって、今日、再挑戦してみました。
では、早速やってみましょうか。
シラテッリ作りの様子
材料
- 日清自家製パスタ用小麦粉(デュラム小麦粉) 80g
- 塩 1g
- オリーブオイル 1g
- 水 39.2g(加水率49%)
前回加水率51%で、くっついてどうにもならなかったので、今日は加水率を49%とかなり低めにしてみました。
こね
いつものように、水に塩、オリーブオイルを混ぜ、それを小麦粉に少しずつ足していきます。全て入れ終わったら、生地全体をまとめ上げ、のし板の上で5分ほどこねていきます。
やはり加水率が49%と低いので、生地が固く、こねるのにもかなりの力が必要です。
こね終わったら玉にして、乾燥を防ぐためボウルを逆さにしてかぶせ、15分以上寝かせます。
寝かせた後はこんな感じです。
成形
寝かせた生地を、指で適量つまみます(オリーブの実程度)。
丸く整えて、たっぷりの打ち粉を付け、そこに、乾麺パスタなどの細い棒を生地の真ん中あたりまで押し付けます。
そして、手のひらなどを使って、この乾麺パスタの棒を埋め込んだまま、生地を横に伸ばしていきます。
コロコロ転がしながら、伸ばしていき、継ぎ目もちゃんと接着するようにします。
5mm程度の太さになったら、棒を抜きます。
ここが一番の難関で、中でパスタの生地と棒がくっついていると、綺麗には絶対抜けてくれません。
今日はどうでしょうか。
お、抜けるぞ!
右の方が蛇腹になりかけましたが、なんとか抜けてストロー状の麺が出来ました!
本には、長さ7~10cmとありますから、私が作ったのは、少し長めですね。
この通り、穴が開いているのが分かるかと思います
伸ばし方は、大体手延べパスタの「ピチ」を作る時の要領と同じです。
一本目はなかなか上手く行きましたが、二本目はくっついてしまいました。
成功率は50%といったところでしょうか。
途中で棒として使っている乾麺パスタも折れたりしました(もったいないですね)。また、竹串でもやってみようとして、長さが足りず、諦めたりしました。
相当な苦労と、時間をかけてこんな感じに出来ました。
やっているうちに、少しコツのようなものも見えてきました。
一つは、手延べパスタの「ピチ」を作る時には、手のひらは少し水で湿らせた方が生地が滑らなくてやりやすいのですが、このシラテッリの場合は、手を湿らせると、その水分が中に入ってしまった場合に生地と棒のくっつきの原因となりますので、余り具合が良くないということです。
むしろ、打ち粉をかなりしておいて、継ぎ目がくっつくかくっつかないか位の力加減で、棒と生地の間に隙間が少しある状態で手の平を使って伸ばしていくのが良いようです。
それである程度伸びたところで、ちゃんと継ぎ目を閉じることも考えて少し圧力をかけるという感じでやると、棒と生地がくっつかず、かつ、ストロー状になるというわけです。
しかし、打ち粉をしすぎても、継ぎ目がくっつかなくなってしまいますので、加減がとても難しいです。
また、5mmの太さまで伸ばすと書きましたが、実際には、そこまでやるとくっついてしまって棒が抜けなくなることが多かったので、もう少し太めにしています。
これらのことを守っても、成功率は50%程度なので、まだまだ発見できていないコツはありそうです。
ふえ〜、疲れました。
この成形作業だけで、40分くらい掛かってしまいました。
今日は休日だったので良かったですが、平日に作るのはちょっと無理な気がします。
茹で
湯で時間は、本によると3分ですが、少し太めなので3分30秒としてみました。
茹でている途中で、チューブの一部が壊れて広がってしまうものが、少しですがありました。
ソースと和える
シラテッリの場合は、穴のところにソースが入りこめるように、水分が多めのサラッとしたソースの方が相性がよいとのことなので、今日のソースは、トマトジュースで作るトマトソースにし、トマトジュースの煮詰め方を弱くしてみました。
具は、ベーコンとバジルの葉です。
試食
こんな感じで出来上がりました。
早速、食べてみます。
「お〜!なるほど」
確かに、ストロー状になった穴の中にトマトソースが入り込んでいて、噛むとジュワッと出てきます。
これは美味いです。
ちゃんとストロー状が維持できている麺には、かなりの弾力があります。長いマカロニのような感じです。
ただ、茹でている時に一部壊れてしまったものは、少しフニャッとした食感になってしまっていました。
麺に思いのほか弾力があるので、食べる時には、注意が必要です。上手くフォークを操らないと、ソースがはねやすいです。ただ、最後の方になると、慣れて、フォークで上手く食べられるようになりました。
それにしても、このパスタは美味しいですね。苦労して作る価値はあると思いました。
まとめ
以前挑戦して失敗した超高難度の生パスタ「シラテッリ」に再挑戦しました。今回は、どうにかこうにか作ることに成功し、食べるところまでたどり着くことができました。出来上がったシラテッリは、弾力があり、ソースがよく絡むとても美味しいパスタでした。難易度がかなり高いので初心者の方にはオススメできませんが、苦労して作る価値はあると思いますので、ある程度生パスタ作りの技に自信のある方は、是非挑戦してみて下さい。