お昼に蕎麦を打つときには、蕎麦つゆも自家製のものを使っています。その蕎麦つゆに使う「かえし」がもう少しで無くなりそうなので、次の仕込みをすることにしました。
蕎麦つゆの作り方
蕎麦つゆは、意外と簡単に自作することが出来るのをご存知でしょうか。
必要なものは、「かえし」と「だし汁」だけです。
「かえし」は、醤油と味醂と砂糖を混ぜて加熱して寝かせたものです。
(これは加熱する「本返し」というもので、加熱しない「生返し」というものもあります)。
「かえし」とだし汁を、蕎麦を食べる前日に1:2〜1:3の割合で混ぜて、一晩寝かせたら、蕎麦つゆが出来上がります。
前回、最初にかえし作りに挑戦した時の様子は、下の記事を御覧ください。
そして、このかえしを使った蕎麦つゆで始めて蕎麦を食べたときの様子はこちらです。
最近は、ちょっと邪道かもしれませんが、だし汁は厚削りの鰹節(3g)に熱湯(60ml)をかけるだけ、まだ熱いだし汁(鰹節は入れたまま)にかえしを25ml加える、という方法でつゆを作っています。
こうすると、出汁をとった鰹節が次の日の蕎麦を食べる頃には柔らかくなっていて、蕎麦湯を飲む時に一緒に食べられて無駄がないので、気にいっています(厚削りの鰹節は、蕎麦を食べる時にもあまりじゃまになりません)。
今使っているかえしを作った時の作り方は
材料:
- 醤油 552ml
- みりん 149ml
- 砂糖 126g
作り方:
- 醤油と味醂を鍋に入れ、火をつけ砂糖を溶かす。
- 沸騰する直前に火を止め、冷ます
- 瓶などに詰め、密閉しないように蓋のかわりに布をかぶせたりして、冷暗所で1週間程寝かせる
- 以後は、蓋をして冷暗所で保存する(一年程度は保存できる)
というもので、ネットで出回っているレシピです。
このかえしで作った蕎麦つゆでも結構美味しく食べてきたのですが、私の好みから言うと少し甘いです。
そこで、今回は、少し醤油の割合を多くして塩っぱいかえしにしてみることにしました。
「かえし」の仕込みの様子
前回は、醤油はヒゲタの「本膳」、みりんは養命酒製造の「家醸本みりん」、砂糖は普通の砂糖という材料で作りました。
今回は、みりんは前回の「家醸本みりん」の残り(121ml)を使い、醤油は井上醤油店の「井上古式じょうゆ」を新たに購入して使うことにしました。
「井上古式じょうゆ」は島根県・奥出雲で作られている醤油で、醸造期間が2年と長くて、とても濃い味がします。最初にこの醤油を使った時には、その濃さに衝撃を受けました。
それ以来、大好きな醤油なので、この醤油で一度蕎麦つゆを作ってみたいと思っていたのです。

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まず、「井上古式じょうゆ」をそれだけで舐めてみます。
私の味覚が変わったのか、最初の衝撃的な出会いが美化されているのか、昔に比べて少し薄く、辛口に感じます。
しかし、美味い醤油であることに変わりはありません。
前回使った「本膳」と比べるてみると、「本膳」の方が上品で旨味が強いかもしれません。
さて、この醤油で作った蕎麦つゆはどんな味になるでしょうか。
かえし作成の様子
早速この材料で作ってみます。
計画としては
- 醤油(井上古式じょうゆ) 448ml
- みりん(家醸本みりん) 121ml
- 砂糖 93g x 0.85 = 79g
前回よりも、砂糖を少し少なくするという計画です。
しかし…
いろいろな失敗が重なりました。
その失敗とは
- 「ml(ミリリットル)」と「g(グラム)」を勘違いして、gで計っていた
- 砂糖と間違えて、最初、塩を入れてしまった!
こんな感じです。
「醤油を448gっと(この時点で間違っている)」
「みりんを121gっと。あれ?149gあるぞ!」
(みりんの比重が1でないことを忘れている)
「元々容量が270だから121しか残っていないはずなのに」
「もしかしたら、みりんって少し多めに入っているのかな?(←そんなわけない)」
「とすると、醤油を増やさないといけないな。醤油は計552gになるようにしよう」
「よし、砂糖入れるか」
「小さじ1、2…あれ?これ塩だった!」
「しょうがない、今の塩を醤油に換算して、その分砂糖を増やして114gとしよう」
「あれ?あれ?うわ~、最初っからmlとgを間違っているじゃん」
完全にぼけていました。
というわけで、最終的な分量は
- 醤油(井上古式じょうゆ) 552g
- みりん(家醸本みりん) 149g
- 砂糖 114g
- 塩 16g
となりました。
仮に、醤油比重: 1.19、塩分濃度(w/v) 15.8%、みりん比重: 1.23として計算してみると
- 醤油 565ml
- みりん 121ml
- 砂糖 114g
相当となり、結果的には、前回よりも辛口の味に仕上がったのではないかと思います。
全ての材料を混ぜ、火にかけて、沸騰直前まで温めます。
今回は、温度計を見て85度まで温度を上げました。
それを冷ましたら、瓶に入れて、瓶の蓋はせずに布のようなもので通気性を確保して、冷蔵庫に入れておきます。
前回使った「本膳 720ml」の瓶で、ここまでの量になりました。
この本膳の瓶は、蓋がプラスチック製なので、醤油などの塩分のある液体を保存するに良いと思って捨てないでとっておいたのです。
日本酒の瓶だと蓋が金属なので、瓶の口に付いた塩の結晶と擦れ合わさって、金属の粉のようなものが混じって汚くなることがあって嫌な感じになるんですよね。
仕方がないので、今使っているかえしの瓶は、蓋をとってワインを飲みかけで保存するときのゴムの栓をしてあります。梅酢の瓶もそんな感じで使っています。
このかえしは、一週間ほど寝かせたら、蓋をして後は一年ほどは保存することができます(前回のかえしは、2ヶ月程で使い切ってしまいましたが)。
まとめ
色々失敗はありましたが、なんとか第二弾のかえしの仕込みが終わりました。このかえしで作った蕎麦つゆはどんな味になるでしょうか。今のかえしも少し残しておいて、食べ比べをしたいと思っています。