煩悩退散!

シンプルライフを目指しています。なのに煩悩(物欲・食欲・承認欲 etc.)は尽きません。そんな煩悩をここで吐き出して成仏させようとする試み。

【今日の蕎麦打ち】これまでで一番の弾力のある十割蕎麦が出来た!後は太さのバラつきを抑えたい


f:id:skktmlab:20161018191147j:plain今日のお昼は蕎麦を打って食べました。前回に引き続き、今年の秋の新ソバの蕎麦粉で打ってみました。前回は、小麦粉を入れる外二蕎麦でしたが、今日は、十割蕎麦に挑戦してみます。

前回の蕎麦打ちの様子はこちらです。

この時は、外二蕎麦を作って、これまでで最高の弾力と適度なツルツル感の蕎麦が出来たのでした。

そうすると次に気になるのは、その蕎麦粉を十割蕎麦にした時にどんな蕎麦になるかです。

というわけで、今日は十割蕎麦を打つことにしました。

では、早速今日の蕎麦打ちの様子を御覧ください。

今日の蕎麦打ち

今日のポイント

ちなみに今日は、色々情報収集をしていて見つけた、新しい「こね」の方法を試しています。

参考にしたのは、こちらの動画です。

www.youtube.com

「竹やぶ」という蕎麦の名店の主人の阿部孝雄さんが、dancyuで下のDVDを出した時のプロモビデオのようです。

「竹やぶ」阿部孝雄のそば打ち

「竹やぶ」阿部孝雄のそば打ち

(節約も目的なので…)DVDは買っていませんが、このプロモビデオだけでも、いろいろ発見がありました。

例えば、私はこれまで、こね自体は軽めにして菊練りの方を100回くらいやっていたのですが、こちらの動画では、手で生地を押しつぶして伸ばすようにして、かなり力をかけて練っています。

そして、このビデオで出てくる蕎麦の麺が、しなやか、かつ、つるっとしていて美味しそうなんですね。それで、さらに調べてみると、この蕎麦は生粉打ち(十割蕎麦)らしいんです。

十割蕎麦でも、こんなにしなやかな蕎麦が作れるのでしょうか。

できるものなら自分でも作ってみたいと思い、この練りの動作を試しに真似てみることにしました。

材料

  • 石臼挽き蕎麦粉100g(北海道産、2016年秋新そば)【蕎麦粉ID: 6】
  • 水 49g(加水率49%)

加水率は、外二の時より気持ち高めにしました。

水回し

いつものように、水の80%を最初に入れる方法でやりました。 f:id:skktmlab:20161018191410j:plain

まんべんなく水を回して、こんな感じになりました。 f:id:skktmlab:20161018191419j:plain

更に水を足してまとめていきます。 f:id:skktmlab:20161018191427j:plain

ちょっと固めかなと思いましたが、そのままやることにしました。 f:id:skktmlab:20161018191436j:plain

ここから、竹やぶのビデオのように、生地を手のひらで押しつぶす気持ちで練っていきます。 f:id:skktmlab:20161018191447j:plain 水分の関係か、ビデオほどには生地は伸びませんでしたが、なんとなく、生地が均一になり、粘りも強く出ているような気がしました。

こんな感じで生地をまとめて、菊練りに入ります。 f:id:skktmlab:20161018191543j:plain

いつもは菊練りのところで100回くらい練る感じでやっていたのですが、練りは前の段階でかなりやっていますので、菊練自体はごく短時間でシワを寄せるだけで完了としました。

最後にとんがりにして、それを上から潰して生地の準備は完了です。 f:id:skktmlab:20161018191600j:plain

ちょっと歪んだ形になってしまいました。 f:id:skktmlab:20161018191609j:plain 生地にちょっとヒビが入っていて、少し心配になりました。水分が少し少ない証拠ですね。

のし

ある程度手で伸ばします。 f:id:skktmlab:20161018191619j:plain

さらに今度は麺棒で伸ばしていきます。 f:id:skktmlab:20161018191628j:plain

円形から四角形に変形するため、四つ出し(角だし)をします。 f:id:skktmlab:20161018191638j:plain

厚さの不均一を正すために、肉分けをします。 f:id:skktmlab:20161018191644j:plain

本のしで、目的の厚さまでさらに伸ばします。 f:id:skktmlab:20161018191701j:plain ちょっとへこんだ所がありますが、まあまあ、四角くなっています。

畳み&切り

打ち粉をして、4つ折りにし、それを90度回転させて打ち粉をしたまな板に乗せます。麺帯の上、横(切った麺が出来る部分)にもよく打ち粉をしておきます。 f:id:skktmlab:20161018191710j:plain かなり四角い形になっていて、同じ長さの蕎麦が取れそうな部分が長いです。いい感じです。

麺帯の幅は12cmでした。

ということは、「切りべら23本(=幅1.3mm)」にするためには、この麺帯を91回で切れれば良いことになります。

実際はどうだったかというと… f:id:skktmlab:20161018191718j:plain

何と、93回(=1.29mm)!

目標よりも細く切れました。ほぼ切りべら23と言ってもいいでしょう。

アップです。 f:id:skktmlab:20161018191731j:plain なかなか、しなやかそうです。

まだまだ、蕎麦の幅は一定していません。

が、最近では一番の切りだったのではないでしょうか。

茹で

茹で時間は、前回は、80秒でかなり良い茹で加減だったのですが、今日はその時よりが蕎麦が細めなので、どうするか迷いました。

迷った時は、実験だということで、実際に数本とって80秒茹でてみたところ、茹ですぎの感がありました。

というわけで、今回は、茹で時間は少し短く60秒としました。

皿に盛る時に、かなり蕎麦のつながりが良いのが感じられました。

また、蕎麦がしなやかで、弾力があるのも触感で分かりました。

これは期待できます。

ただ、蕎麦の水切れがすこし悪く、多少水っぽい感じではありました

蕎麦が細いことも原因かもしれませんが、後で思い返すと、すすぎもちょっと弱かったように思います。せっかくいい出来だったのに、最後でミスをした感じですね。

食べる

気を取り直して食べましょう。

出来上がりはこんな感じです。 f:id:skktmlab:20161018191746j:plain

アップはこんな感じ。 f:id:skktmlab:20161018191754j:plain

早速食べてみます。 f:id:skktmlab:20161018191802j:plain 結構長いです。

ズズズッ。

おお!

蕎麦の表面が、適度にツルッとしています。

そして、しなやかで、前回の外二蕎麦ほどではないですが噛むと弾力もあります。

正直、十割蕎麦でこんなにしなやかで弾力のある蕎麦が出来るとは、思っていませんでした。とても嬉しいです。

この新そば粉は、弾力が良いようですね。

今日導入したこねの方法も良かったのかもしれません(これは後日、これまでの方法でも作ってみて比較する必要がありそうです)。

また、蕎麦の太さは、噛まないでも飲み込めるくらいの蕎麦の太さでした(私は噛んで食べますが)。

切りべら23本の蕎麦の食感ってこんな感じなんですね。

個人的には、もう少し太い方が好みですが、この細い感じもまた良いですね。

心配した蕎麦の水っぽさはそれほど感じませんでした。

香りは、前回同様、あまり強くないですね。

もしかしたら、固くはなりますがもう少し茹で時間を短めにした方が良いのかもしれません。食感と香りのバランスは難しいです。

総評:

評価項目 点数
食感:  ★★★★★☆
香り: ★★☆☆☆☆
つながり: ★★★☆☆☆
太さ: ★★★☆☆☆(平均1.29mm、目標1.3mm。ばらつきあり)

蕎麦の太さと品質管理

今日もなかなか良い蕎麦が打てましたが、惜しむらくは、蕎麦の太さがまだまだ一定していないことですね。

そう言えば、以前読んだ、「タグチメソッド」という品質管理の手法に関する本に、製品を作る時には、平均値が目標値に一致することも大事だが、それよりも重要なのがバラつきを抑えることだと書いてあったのを思い出しました。

確か、この本だったかな。

入門 タグチメソッド

入門 タグチメソッド

タグチメソッドわが発想法―なぜ私がアメリカを蘇らせた男なのか

タグチメソッドわが発想法―なぜ私がアメリカを蘇らせた男なのか

面白い例として、タイルを製造する企業の話がありました。

確か、こんな話です。

タイルは、粘土をタイルの形に成形して窯で焼いて作るのですが、どうしても焼くと縮むのですね。しかも、窯の中の位置によって火加減が微妙に異なるので、縮み具合も変わってきて、出来上がるタイルの大きさにバラつきがでるそうなんですね。

目標とする大きさにはならないは、大きさにもバラつきがあるはと言うわけです。そこから製造工程の改良を始めるわけですが、まず最重要視するべきなのは出来上がりのサイズのバラつきをなくすことなのだそうです。なぜなら、バラつきなく目標値よりも小さい(または大きい)タイルが焼けるのなら、そういうサイズのタイルとして売ることが出来るからです。一方、大きさにばらつきがあっては、タイルとして商品にはなりません。

そして、バラつきの要因を取り除いた後に、必要なら平均値を動かす要素を見つけ出して調整するのだそうです。

あまり知らない分野だったので、こんな考え方があるのかと、眼から鱗でした。

蕎麦に戻りますが、この話、蕎麦でも言えると思うんですよね。

目標とする太さにならないとしても、一定してある太さの蕎麦にできるなら、その太さに最適な茹で時間とかを探って美味しい蕎麦が茹で上がると思うのです。

こんな話を思い出して、切りべら23の太さにはこだわらず一定の太さに切ることの方を重視して練習した方が良いのかなと思うようになりました。

まとめ

新そば粉で、十割蕎麦を打ってみました。練りの手法も変えながら作ってみたところ、これまで作った十割蕎麦で一番しなやかで弾力のある蕎麦ができました。残った課題は、やはり、蕎麦の太さが一定しないところです。それさえクリアできれば、本当に蕎麦屋に食べに行く必要がないというところまで来ている気がします。後もう一歩、頑張ろう。