今日のお昼は、「フィレイヤ(Fileja)」というパスタを作りました。ソースは、辛めのアラビアータ。パレットナイフを使った成形がとても楽しく、しかもとても美味しいパスタでした。
筒状のパスタ「フィレイヤ(Fileja)」
「フィレイヤ(Fileja)」は、イタリア・カラブリア州南部(長靴の爪先のあたり)の伝統的パスタで、成形に使う木の棒からその名前がつけられたそうです。形としては、少し長めの筒状をしていて、マッケローニ(マカロニ)の一種となります。
今回『プロのためのパスタ事典』を参考にして作りました。

- 作者: 西口大輔,小池教之,杉原一禎
- 出版社/メーカー: 柴田書店
- 発売日: 2014/04/28
- メディア: 単行本
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こちらの本では、木の棒ではなくパレットナイフを使った成形の方法が紹介されていましたので、その方法を試してみることにしました。
幸い、家に既にパレットナイフがあったので、新たな購入は発生していません。
ちなみに、パレットナイフとはこういう道具ですね。

- 出版社/メーカー: 貝印
- メディア: ホーム&キッチン
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本来は、ケーキを作る時に生クリームなどを塗る時に使う道具なんだそうです。
家にあったのも、偶然ですが上と同じ貝印のものでした。私の家、この前買った麺切り包丁も貝印だったし、キッチンの貝印率が結構高いですね(貝印の回し者じゃないですよ。でも、安心感があるのでつい買ってしまうのです)。
ちょっと横道にそれました。
早速、今日のフィレイヤ作りの様子を御覧ください。
フィレイヤを作る
材料
- デュラム小麦粉 45g (日清自家製パスタ用小麦粉])
- 00粉 45g (カプート クオーコ: 旧名 サッコロッソ ピッツァイオーロ)
- 水41.5(加水率46.1%)
- 塩 1g
相変わらず『プロのためのパスタ事典』のレシピは加水率の設定が低めですが、そのまま作ってみます。
生地をこねる
水を少しずつ入れて、こねていきます。ある程度まとまったら、のし板の上でさらに、5分程こねます。
やはり加水率が低いので、こねても生地がなかなか綺麗にまとまらず、苦労しました。
表面には、あばたのようなものができて、完全に滑らかにはなりませんでした。
こねた結果できるヘソのほうも、加水率が十分であればくっついて閉じてくれるのですが、下の写真のようにあまり綺麗にくっついてくれませんね。
こねた生地にラップをして、15分程寝かせてから、成形に移ります。
成形
成形に使う道具は、先ほど書いたように、パレットナイフです。のし板の下には、滑り止めのため濡らしたタオルをしいてあります。
寝かせた生地は、ラップをかけて置いたおかげで、随分しっとりしてきていていました。これだと、成形は少しやりやすそうです。
生地を適量とり、太さ6mmの棒状に、手延します。
やはり、加水率が低いので、生地の表面が乾燥して滑ってしまい、上手く伸ばせません。
こういうときは、手に水をつけて湿らせながらやるのがコツです。滑りがなくなってやりやすくなります。
ただ、このくらい加水率が低いと、生地が固く、弾力があるので、なかなか伸びてくれません。
以前このブログで、手延べのやり方としては、手を少し開いて、指の第一関節のあたりを使って優しく伸ばしてやるとやりやすいということを書いたことがあります。
これまでは実際そういうやり方をしていました。
しかし、加水率が低い場合には、手の平のあたりでかなり力を込めて転がしながら伸ばしてやった方がやりやすいようですね。
そんな感じで、新しいコツをつかみつつ、下のような6mmの太さの棒に伸ばしました。
それを、長さ8~9cmに切り分けます。
棒を横に置き、その上にパレットナイフを置きます。そのとき、少し斜めにして、右上の生地が少し見えるくらいにします。
この状態で、パレットナイフを押し付けながら、左手前にひっぱります。
そうすると、生地がめくれて巻き込まれて、筒状になります。筒と言っても、中の穴は閉じた感じですが。
こんな感じですね。
上の写真では、まっすぐな棒のようになっていますが、本のお手本では、もう少し緩やかなカーブが付いています。
パレットナイフの傾きと、力加減をうまくすると、少しカーブがかかるようですね。
このフィレイヤ、成形の原理としては、以前作ったテーブルナイフで成形するカヴァテッリと似ているかもしれません。
フェレイヤは、カヴァテッリの細く長い変種とも言えそうです。
それにても、このパレットナイフを使った成形は、それ自体がかなり楽しいです。
そして、とても簡単です。初心者でも、やりやすいのではないでしょうか。
こんな感じで、成形完了。
もう少しだけ、細く長く作った方が良かったかなとも思いましたが、とにかく、そこそこ上手く出来たと思います。
茹で
茹で時間は、9分としました。
本では10分となっていましたが、これは冷凍から茹でる場合です。どらちにしても、結構長めの茹で時間ですね。
茹で上げたフィレイヤを、ソースと和えたら出来上がりです。
今日のソースは、野菜ジュースで作ったアラビアータにしました。
ちなみに、このフィレイヤの発祥の地、カラブリア州では辛い料理が多いそうです。
本のレシピでも辛いソースで合わせていますので、今日は結構伝統的なスタイルで作れたのではないでしょうか。
鷹の爪の種まで入れて、辛めの仕上がりにしてみました。
試食
出来ました。
「フィレイヤのアラビアータ」です。
食べてみます。
なかなか歯ごたえのある、しっかりした「棒」のようなパスタですね。
中身の詰まった長いマカロニといったら良いでしょうか。
棒なのですが、長めなのでしなやかさもあります。
表面はツルツルしていますね。
それでいて、噛むと中はモッチリ、コシがあります。
ちょっと細めのものの茹で加減が絶妙でした。
固すぎず、柔らかすぎずと言った感じ。
全てがこの茹で加減だったら、とても素晴らしいパスタになったはずで、かなりのポテンシャルがあるパスタだと思いました。
やはり、全体をもう少し細めに作った方が良かったようですね。
アラビアータソースも、辛さがちょっと強めで、よい感じでした。
前々から感じていましたが、唐辛子には辛味の裏に甘みが隠れているようで、入れるとソースの旨味が増しますね。
ごちそうさまでした。とても美味しかったです。
まとめ
今日は、少し長めの筒状のパスタ「フィレイヤ」に挑戦しました。パレットナイフを使って成形するのは、とても楽しく、また、簡単でした。成形の小気味よさに惹かれてまたリピートしてしまいそうな、そんなパスタでした。アラビアータソースも美味しく、満足できる出来でした。