今日のお昼は蕎麦を打って食べました。メインの目的は、昨日収穫した辛味大根を薬味にして蕎麦を食べてみることです。
辛味大根とは
辛味大根とは、大根の中でも特に辛味の強い品種のことで、蕎麦の薬味としても人気です。
私も、辛味大根を薬味に蕎麦を食べるのは結構好きなのですが、スーパーなどで売っていることはまれなので、自分で栽培するか、ネットなどで取り寄せるしかありません。
そこで、今年の冬野菜として、この辛味大根を栽培してみることにしたわけです。
ちなみに、大根の辛味成分は、アリルイソチオシアネートという物質で、抗菌効果があると言われています。これは、山葵(わさび)やカラシの辛味とも同じ成分です。
山葵も大根と同じアブラナ科の植物だそうで、同じ成分を持つということも納得ですね。
なお、大根には、辛味成分以外にも、蕎麦だけでは不足するビタミンCや、消化酵素も含んでいますから、蕎麦の薬味とするにはもってこいの食材だと思います。
ちょうど昨日、栽培していた辛味大根を収穫できたので、早速、蕎麦の薬味として使ってみることにしました。
こちらが収穫した辛味大根です。
長さ12cmくらいでしょうか。種の袋には、長さ15cm程と書いてありましたので、収穫が早すぎたかもしれません。肌はかなり汚く、形も悪いですね。大根を白くまっすぐに作るには、色々工夫が必要だそうです。
では、蕎麦を打っていきましょう。
今日は、小麦粉のつなぎを入れる外二蕎麦でやってみます。
今日の蕎麦打ちの様子
材料
- 石臼挽き蕎麦粉100g(北海道産、2016年秋新そば)【蕎麦粉ID: 6】
- 中力粉 20g
- 水 58g (加水率、48.3%)
水回し
いつものように、最初に80%程度の水を入れていく方法でやりました。
こね
こねは、軽くこね鉢でこねた後に菊練りを100回行う、従来のやり方に戻しました。
菊練りを終えて、とんがり帽子にしたところです。
とんがり帽子をつぶして、生地の準備完了です。
のし
手である程度伸ばし、表面に打ち粉を振り、麺棒で伸ばしていきます。
こちらは、4つ出し(円形の生地を四角形に変形させる工程)が終わったところです。
さらにのばして、こんな感じになりました。
少し歪みはありますが、まあいいでしょう。
切り
生地を四つ折りにして畳んだところです。
幅は13cmとなりました。従って、この麺帯を99回程度で切れば、いわゆる「きりべら23本(幅1.3mm)」となります。
で、実際切ってみたところ103本でした。蕎麦の平均幅1.26mmということですね。
最初の20本はそこそこ同じ幅で切れたのですが、その後乱れてしまい、結局髭のような細い蕎麦が何本かできてしまいました。
茹で&盛り付け
辛味大根は、おろしてから時間が経つと辛味がなくなってしまうらしいので、蕎麦を茹でる直前におろしました。
普通の大根と違って、水分が少なく固いです。薬味としては、このように水分が少ない方が適していそうですね。
蕎麦の茹で時間は、80秒としました。
茹でた蕎麦を水で洗い、最後に冷凍庫で冷やしておいた水でしめました。
小麦粉がつなぎとして入っている外二蕎麦なので、蕎麦のつながりはかなり良いです。
食べる
出来上がりは、こんな感じです。
お、良さそうじゃないですか。
蕎麦のアップです。
麺はしなやかな雰囲気です。角がちゃんとある蕎麦もありますね。
では、頂きます。
まずは、そのまま辛味大根を入れずに、蕎麦つゆだけで食べてみます。
うん。美味しいですね。この蕎麦粉の特徴でもある弾力のある美味しい蕎麦になっています。
次は、いよいよ、辛味大根を入れて食べてみます。
お、お、辛旨〜!!!
辛味大根の辛さが絶妙です。
辛味大根特有のツーンと来るような辛さはもちろん十分出ているのですが、辛すぎません。
いくら辛味大根が好きとは言っても、辛すぎたら蕎麦の味が分からなくなってしまいますからね。
ちなみに、大根おろしが辛すぎる場合は、少し時間を置けば辛さが和らぐそうですよ。
そして、この辛味大根、辛さだけではなく、大根の甘みもしっかりあって、とてもバランスが良いです。
大根の甘みが加わりますので、辛めに仕上げた二代目のかえしで作った蕎麦つゆが合う感じですね。最近ちょうど二代目のかえしに移行した時だったのでタイミングが良かったです。
最後に蕎麦湯を入れて頂きます。
良いですね〜。ほっとする味です。
自分で栽培した辛味大根で、こんなに美味しい蕎麦が食べられるとは思っていませんでした。感慨深いです。
これまで蕎麦屋で食べたどの辛味大根蕎麦よりも美味しかったんじゃないかな(まあ、ここまでの蕎麦打ちの練習や辛味大根の栽培の苦労も良い味付けになっているでしょうから、自画自賛ではありますが)。
とても美味しい蕎麦でしたが、注意点が一つ。
いつもは、蕎麦を食べ終わった後に用意した蕎麦つゆは半分くらい残っているのですが、大根おろしがつゆを吸い込んで蕎麦と一緒に食べられてしまうためか、食べ終わった後に蕎麦つゆがあまり残りませんでした。
25mlのかえしを使った蕎麦つゆには、私が計算したところ、3gの塩が入っています。普段は、つゆが残るので蕎麦1食の塩分は2g程度に抑えられていると思います。しかし、残らないとすると3gまるまる摂っている訳で、塩分を気にする場合には、最初からつゆの量を少なく作るなどの対策が必要だと思います。
評価項目 | 点数 |
---|---|
食感: | ★★★★★☆ |
香り: | ★★☆☆☆☆ |
つながり: | ★★★★☆☆ |
太さ: | ★★★☆☆☆(平均1.26mm、目標1.3mm) |
辛味大根の保存
最後に、辛味大根の保存について考えてみたいと思います。
結構時間をかけて育てて来た辛味大根ですが、大根の収穫適期は結構短いそうです(収穫が遅れるとスが入る)。
とすると、大根は長期保存できるのかということが気になります。出来るとすると、収穫適期に収穫しておいて保存しておくということが可能になります。
調べてみると、幸い、大根は冷凍保存が出来るそうです。
大根・大根おろし|野菜保存のポイント|保存テクニック|旭化成ホームプロダクツ
ある程度の大きさに切って冷凍しておいて、半解凍でおろすという方法と、おろした状態で冷凍するという方法があるようですね。
風味・辛味を残すには、塊のままで冷凍した方が良いかもしれません。
一番良いのは収穫したてを食べるということかもしれませんが、畑の辛味大根も、収穫適期になったものを順次収穫して、冷凍保存しておいても良いかもしれませんね。
まずは、今日の残りを冷凍してみて、味と辛味がどうなるか実験してみたいと思います。
こんな感じで、皮を向いて輪切りにしてラップでくるんだもの、おろしてからラップでくるんだものを作り、冷凍庫に入れました。
まとめ
自分で栽培した辛味大根を薬味にして、自作の蕎麦を食べてみました。「辛旨」という言葉がぴったりの、とても美味しい蕎麦でした。これまで食べたどんな辛味大根蕎麦よりも美味しいと感じるくらい感動しました。いやー、苦労ってこういう感じでたまには報われるんですね。