今日のお昼は、生パスタです。小さな耳の形のショートパスタ「オレッキエッテ(Orrecchiette)」に再挑戦しました。オレッキエッテは、これまでそれほどうまくできていなかったのですが、今日は、プリプリ、モチッとした弾力が凄い、これまでで一番の出来になりました。
小さな耳の形のオレッキエッテ
オレッキエッテの基本的な作り方は、生地を1cmの棒状に伸ばし、それを1cm幅に切ったものを、耳のような形に成形するというものです。
実は、オレッキエッテはこれまでも何回か挑戦してきました。その時の様子は、こちらを御覧ください。
このときに参考にしていた『まいにち食べたい手打ち生パスタ』では、テーブルナイフを使って生地を引き伸ばした後、生地を左手の親指にかぶせてひっくり返して、耳のような形に成形する方法が紹介されています。

まいにち食べたい手打ち生パスタ: パスタマシンを使わずに粉から作る、本場イタリア仕込みのレシピ集
- 作者: 金子琴美
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2013/12/02
- メディア: 単行本
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しかし、これがなかなかお手本通りの形にするのが難しいんですね。そこそこの美味しいパスタにはなるのですが、完全に満足できる出来だったかというと、そうではありませんでした。
今日は、私が生パスタ作りのために買ったもう一冊の本『プロのためのパスタ事典』を参考にして、オレッキエッテを作ってみることにしました。

- 作者: 西口大輔,小池教之,杉原一禎
- 出版社/メーカー: 柴田書店
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こちらの本では、テーブルナイフではなく、手の指を使って作る方法が紹介されています。お手本のオレッキエッテの形は、窪みが深めのドームのような形をしていて、とても魅力的な形です。
というわけで、今日は、こちらを参考にして、この少し深めの形を目指しました。
合わせるソースは、これまた『プロのためのパスタ事典』からヒントを得た「ゆで卵のトマトソース」です。乾麺バスタでは一度試してみて、けっこう美味しかったのでそれにしてみました。それに、畑からとってきたインゲン豆も入れてソースを作ってみます。
では、早速、今日の生パスタ作りの様子を御覧ください。
オレッキエッテ作成の様子
材料
オレッキエッテ:
- デュラム小麦粉 90g (日清自家製パスタ用小麦粉)
- 水45g(加水率50%)
小麦粉と水だけのシンプルな生地ですね。
ソース:
- ニンニク(自家栽培) 1欠
- 鷹の爪(自家栽培) 1本
- インゲン豆(自家栽培)5本
- 卵 1個
- トマト野菜ジュース 175cc
最近野菜が高騰していて、この前スーパーでインゲン豆が1袋360円くらいで売られてびっくりしました。今日のインゲン豆は家庭菜園で採ってきたものなので、原価はほとんどゼロです。助かります。
こね
生地は加水率50%にしては固めで、こねるのに相当の力が必要でした。
水を入れたばかりの時は、こんな感じで結構パサパサしていました。
力を入れて5分ほどこねると、なんとかまとまってこんな感じになりました。
ヘソのところは、水分が足りずくっつかない感じですね。
こねた生地は、乾燥を防ぐためにラップでくるんで15分以上寝かせておきます。
寝かせた後は、こんな感じです。
水分が全体に回って、少ししっとりしました。
成形
生地を適量とり、太さ1cmの棒状に伸ばします。
今日は、のし板が滑らないように、湿らせたキッチンペーパーを一枚置いてみました。タオルでなくても、それで滑り止めになるようでした。濡れタオルよりもキッチンペーパの方が、準備も片付けも楽でいいかもしれませんね。
また、今回の生地は固さがちょうどよく、手をあまり湿らせなくても、手の平ですこし強めに転がながら引っ張るといい感じで棒状になってくれるようでした。
次に、棒状になった生地を1cm幅に包丁で切ります。
そして、切り口を上にして、こんな風に一粒を置きます。
これを、人差し指で下に押し付けながら手前に引っ張ります。
こんな感じでめくれ上がって窪みができます。
次に、反対の手の親指にこれを押し付け、窪みをひっくり返します。
こんな感じになりました。
しかし、これはお手本とはかなり違う形です。
いろいろ試してみたところ、自分なりのコツを発見しました。
- 生地を押し付ける前に、右手の親指に打ち粉をつけておく
- その打ち粉を付けた右手の親指で生地を押し付け右方向に引っ張る
- それを、左手の人差し指か中指を使って窪みをひっくり返す。
というものです。
生地を押し伸ばす時に、生地が指にくっついてしまうようだったので、打ち粉をするようにしました。
また、生地を押し付けて伸ばすには、私の人差し指は小さいようでしたので、親指を使うように変更しました。
逆に、窪みをひっくり返すときには、親指では太すぎたので、人差し指か中指で行うことにしました。
ココらへんは、人によって状況が異なると思います。本の通りではなく、自分のやりやすい方法を見つけるということが重要だと思います。
これなんかは、なかなか良い形にできました。
こんな感じで、かなり深めの窪みになっています。
コツを掴んでしまえば、後は簡単でした。
こんな感じで、オレッキエッテの成形の完了です。結構お手本に近い形になったと思います。
これで半分の量です。
残り半分は、逆に置いてみました。
この写真では、最初に生地を押し付けて引き伸ばした時のし板に接していた面が上になっているわけですが、生地が引き伸ばされて網目のようになっているのが分かります。
作り方や形は、むしろ、以前作った、くるみの形の「スコルツェ・ディ・ノーチェ」というパスタに近いのかもしれません。
ソース&茹で
このオレッキエッテの茹で時間は、7分から8分です。今日は7分でやってみることにしました。
まず、お湯を沸かすついでに鍋に卵を入れておいて、ゆで卵(固め)を作ります。
ゆで卵を作っている間に、フライパンにオリーブオイルを入れ、刻んだニンニク、鷹の爪、インゲン豆を炒めます。そして、トマト野菜ジュースを入れ、塩・胡椒・オレガノで味を整えて、煮詰めていきます。
ゆで卵ができたら取り出し、そこにオレッキエッテを入れて茹でていきます。
オレッキエッテを茹でている間に、ゆで卵の殻を剥き、ある程度煮詰まってきたトマトソースにそのゆで卵を入れてフォークなどで崩して混ぜます。
この時、ゆで卵の黄身に水分が取られますので、それを考慮していつもよりは緩めのトマトソースにしておくと良いようです。
参考にした本のレシピでは、サラミも入ります。サラミも入ったら更に美味しいでしょうが、今日は省略しています。私のお昼の予算では、肉と卵は同時には入れられないのです。
私のお昼は節約がモットーですからね。
ちなみに、今日のお昼の材料費は130円くらい。手間さえかければ、130円でこのくらいの食事にはなるんです。
それはさておき、茹で上がったオレッキエッテをソースと和えたら出来上がりです。
7分も茹でると、茹で上がりの食感は結構ゆるい感じでしたが、下で書きますが、結果的にそれで良かったようです。
試食
出来上がりです。
「ゆで卵とインゲンのトマトソースのオレッキエッテ」です。
なかなか、美味しそうです。
アップはこんな感じ。
早速、食べてみましょう。
お、おおお!
プリッとしていて、モチッとしていて、弾力が凄いです。
言葉で表現するのは難しいですが、ドームの真ん中がプリッとした食感、ふちの生地が厚くなった所がモチッとした食感を生み出し、全体として弾力を生み出しているように感じました。
この食感は、これまで作った生パスタの中でも1位を争う感じの食感ですね。
ドームの形をしていることで、構造的に丈夫になり、より弾力が増しているように感じました。
ドームの真ん中あたりの生地は引き伸ばされて薄くなっているはずなのに、7分も茹でて食感がダレないというのは、この形のおかげではないでしょうか。
パスタの色んな形の目的の一つが食感を良くするためであるということは前々から感じていましたが、これほど如実に形が食感に影響することを感じられたのは初めてです。
ちょっと感動しました。
ゆで卵入りのトマトソースも美味しいです。オレッキエッテの深めの窪みにソースが溜まり、いい感じです。
唐辛子の辛味がゆで卵が入ることによってマイルドになり、また、全体にコクがでて、とても美味しく感じました。
私のお昼ごはんでは、肉などのタンパク質が入らない場合には、大体ゆで卵を1個、別に食べることにしていますが、こういう卵の使い方も良いですね。
まとめ
オレッキエッテに再挑戦したところ、かなり会心の出来になりました。プリッとしていて、もちっとして、全体としては弾力のある何とも楽しい食感のパスタです。ゆで卵を入れたトマトソースも美味しく、とても満足の出来る一皿でした。オレッキエッテは、比較的簡単な部類に入る生パスタですが、上手く出来ると、今回のように素晴らしい食感になりますので、興味のある方はぜひ挑戦してみて下さい。自分の中でかなりオススメの生パスタになりました。