今日のお昼は、生パスタにしました。挑戦したのは、蛇腹の筒状のショートパスタ「ガルガネッリ(Garganelli)」です。作るのも楽しく、見た目も面白く、食感も楽しいパスタでした。作るのがとても楽しかったので、作成の様子を少し詳しくレポートしてみたいと思います。
蛇腹のパスタ「ガルガネッリ」
ガルガネッリ(Garganelli)は、蛇腹ホースのような、表面の溝が特徴の筒状のショートパスタです。
エミリア=ロマーニャ州(州都ボローニャは、パスタのボロネーゼの発祥の地として有名ですね)の名物パスタで、名前の由来は、ロマーニャ地方の方言で「気管の軟骨」を表す語から来ていると言われています。
このガルガネッリは、『プロのためのパスタ事典』で見つけて以来ずっと作ってみたかったのですが、溝を付けるための「ペッティネ」という専用の道具が必要だということで、見送っていました。

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- 出版社/メーカー: 柴田書店
- 発売日: 2014/04/28
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いろいろ調べてみると、ニョッキに溝を付けるための「ニョッキボード」という道具を使ってもガルガネッリができるということが分かりました。
ニョキボードとは、こんな感じの小さな洗濯板(溝の方向は違いますが)のような道具です。

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- メディア: ホーム&キッチン
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ニョッキボードなら、お手頃な値段でアマゾンなどで手に入れることできます。
ちなみに私が手に入れたのは、千円以下と手頃な価格のニョッキボードです。
このニョキボードが家に届きましたので、早速ガルガネッリを作ってみたというわけです。
では、今日のガルガネッリ作りの様子を御覧ください。
ガルガネッリ作成の様子
材料
ガルガネッリ:
- デュラム小麦粉 45g(日清自家製パスタ用小麦粉)
- 00粉 45g (カプート クオーコ)
- 卵黄 1個分(14g)
- 水31g(卵と合わせて粉重量の50%)
- オリーブオイル 2g
- 塩 1g
今回は、『プロのためのパスタ事典』のレシピ通り贅沢に卵黄を使ってみることにしました。
しかし、卵が入るレシピは少し面倒ですね。私の場合、1食に使えるのは卵1個という制約を課しているので、まず卵黄の重量を量って、足りない分は水の量で調整します。今日は、卵黄と水を足して、粉の重量の50%となるようにしました。余った卵白は、「目玉無し焼き」にして食べます。
ボロネーゼソース:
- 豚牛合い挽き 30g
- 玉ねぎ 1/4
- ニンニク 1欠
- 赤ワイン 大さじ1
- トマト野菜ジュース 175cc
- 塩 少々
- 胡椒 少々
- 乾燥イタリアンパセリ 少々
- 五香粉 少々
ボロネーゼソースも、今日は少し贅沢に玉ねぎも入れました(本当に節約のときは、野菜ジュースだけでもできます)。
今日は、いつもよりも贅沢でコストもかかっていると思いますが、それでも全部合わせて材料費200円くらいだと思います(ニョッキボード代除く)。
生地をこねる
粉は、二種類の粉をボウルに入れてよく混ぜて均一にして置きます。
次に、卵黄、水、塩、オリーブオイルをよく混ぜた卵液を作っておきます。
それを、粉に少しずつ入れてよく混ぜます。
卵液をすべて入れた状態がこちら。小麦粉だけのときより多少ベトベトしています。
ボウルの中で、まとめます。
ここまで来たら、のし板に移って、生地をこねていきます。
多少板の上で滑って、こねにくかったですが、5分ほどこねるとこんな感じにまとまりました。
生地をラップで包み、15分以上寝かせておきます。今日は30分ほど寝かせました。
のし
寝かせた生地はこんな感じ。水分が表面にでて、しっとりしています。
これは、裏側の様子。
これを、厚さ1mmにまで伸ばしていきます。
下に打ち粉をして、玉をそこに置き、まずは、ある程度手で押し伸ばします。こんな感じですね。
上にも打ち粉をして、今度は、麺棒で伸ばしていきます。
このくらいになったら、円形から4角形に変形させるため、蕎麦打ちで言うところの「4つ出し」をします。
麺棒がくっつかないように、打ち粉をこのようにします。
そして、麺棒に生地を巻いていきます。
この時、麺棒の中央部分を押しながら転がすことで、そこの生地を伸ばします。
何回か転がる動作をしたら、麺棒毎90度時計回りに回転させて、広げます。
生地が少し横長になっているのが分かるでしょうか。
次に、この方向でも同じことをします。
さらに、後2回、残った方向で同じことをします。
これで、四角形の4つの角を出すことができます。
最後、45度回転させて生地を広げると、こんな感じになります。
ある程度、四角くなりました。
ここから、本のしに入りますが、前回の生パスタ作りで見つけたコツを使ってしっかり四角形にします。
そのコツとは、四角形が壊れそうになったら、すかさず対角線の方向に麺棒をかけるということです。
対角線に麺棒をかけるときは、麺棒の中心部に力をかけるようにすると良いようです。なお、この対角線の技は、パスタではうまくいきますが、蕎麦の時には通用しないようです。
生地は、最終的にこんな形になりました。まあ、そこそこ綺麗な形になったでしょうか。
これを、3cm x 3cm に切り分けます。
ガルガネッリの成形
生地を3cm角に切ったら、ニョッキボードを使って、成形していきます。
ニョッキボードには、こんな感じで溝が彫ってあり、これで模様を付けることができます。
まず、ニョッキボードに、生地の対角線が溝と平行になるように生地を置きます。
この生地を、編み棒のような棒を使って巻いていきます(私は祝箸を使っています)。
巻いていく時に、うまく力をかけると、下のように溝の跡が付いた筒状のパスタができます。
生地が乾燥して、うまく接着ができないようでしたので、下のように、生地に少し水を付けて巻いてみました。
そうしておいてから生地を巻いていくと、生地が接着し、上手く筒状になるようでした。
この成形作業は、それ程難しくもなく、かなり楽しいです。
こんな感じでガルガネッリが出来上がりました。なかなか魅力的な外見ですね。
本のお手法よりは、少し太くなったかもしれません。これは、棒の太さで調整するのでしょうね。
ガルガネッリは、茹でた時に潰れないように、多少長めに乾燥させると良いそうですが、今回は、生地が既にかなり乾燥していて硬い感じだったので、そのままソース作り&茹でに入りました。
茹でてソースと和える
ボロネーゼソースは、いつもの野菜ジュースを使う方法で作っておきます(玉ねぎのみじん切りを追加使用)。
その間にお湯(塩入り)を沸かし、ガルガネッリを茹でます。
ガルガネッリの茹で時間は、本では7分となっていましたが、今日は5分程でよい茹で加減になりました。
茹で上がったガルガネッリを、ソースとよく和えて出来上がりです。
ガルガネッリを食べる
出来ました。
「ガルガネッリのボロネーゼ」です。
なかなか美味しそうな外見です。
ではさっそく食べてみましょう。
おお、なるほど〜。
かなり弾力のあるパスタに仕上がっています。生地自体というよりも、筒という構造により生み出されているような感じの弾力です。
もしかしたら、溝を付けることで筒の強度が増し、より弾力のある食感になっているのかもしれません。
卵が入っているので、モチッという感じではなく、弾力がありかつ歯切れがよいという感じの食感ですね。
私はタリアテッレのような本来卵が入るパスタでも、卵無しのもっちりコシのある麺にするの方が好きなのですが、このガルガネッリの場合は、この歯切れのよい卵入りの生地の方が合っているような気がします。
また、表面の溝のデコボコが舌にあたり、面白い食感を表現しています。
ソースは、筒の中にもたまりますし、表面の溝にもたまって、パスタとソースの絡み具合はなかなか高いです。
それにしても、このガルガネッリは、作っても楽しいし、見た目も面白いし、食べても美味しいという三拍子そろったパスタですね。
かなり満足度の高いパスタでした。
わざわざ道具を買って作る価値はあったと思います。
まとめ
今日のお昼は、溝の付いた筒状のショートパスタ「ガルカネッリ」に挑戦しました。作るのも楽しく、見た目もよく、食べても美味しい、かなり満足度の高いパスタだと思いました。リピート確実です。
このガルガネッリは、(1)麺棒で生地を伸ばす、(2)棒で筒状にする、(3)道具で表面に溝を入れるという、三つの技術の集大成にもなっているので、生パスタ作りの一つの到達点としての目安にもなるような気がします。ぜひ挑戦してみて欲しい生パスタの一つです。
いやー、それにしても生パスタ作りを始めた頃はここまでのものが自分で作れるようになるとは正直思っていませんでした。何事も挑戦ですね。