今日のお昼は蕎麦にしました。寒なってからもずっと冷たい蕎麦を食べていたのですが、今日は、蕎麦打ちをはじめてから初めて温かい蕎麦を作ってみました。ずっとやってみたいと思っていた「自作年越しそば」の予行演習です。出汁も自分で取って、自作のかえしを使って蕎麦つゆを作りました。蕎麦が切れ気味でしたが、蕎麦つゆがとても美味しく、温かいそばも良いなと思いました。その様子をレポートしてみたいと思います。
温かい蕎麦の作り方
温かいそばの場合、十割蕎麦ではなく、小麦粉のつなぎが入る二八蕎麦とか外二蕎麦にするのが良いようです。
冷たいそばの時と同じように、蕎麦を茹でて冷水で洗って締めます。それを、お湯で再び温めて器に入れ、そこに温めた蕎麦つゆを入れ具を乗せて出来上がりです。
温かいそば用の「甘汁」の作り方
温かい蕎麦のつゆは、冷たい蕎麦のつゆより薄めに作ります。
そのため、冷たい蕎麦用のつゆを「辛汁」、温かい蕎麦用のつゆを「甘汁」と言ったりするそうです。
冷たいそばのつゆ(辛汁)は、かえし1に対して3~4程度の量の出汁を混ぜて作りますが、温かいそばのつゆ(甘汁)は、かえし1に対して出汁を9~10の割合で混ぜます。
冷たいそばのつゆは、作った後に一晩寝かせますが、温かいつゆの場合は寝かせる必要はありません。
私は辛汁の場合、下のように出汁を取るところをかなり省略した方法で作っています。
厚削りの鰹節を3g~4gくらい蕎麦猪口に入れて、そこに沸騰したお湯を60~70mlかけます。2分程置いたら、鰹節はそのままにして、そこにかえしを25ml入れます。ラップをして、冷えたら冷蔵庫に入れて一晩寝かせます。
こうすると、一人分の蕎麦つゆが簡単に作れます。60~70mlの少量の出汁を普通の鍋でつくるのは難しいですからね。そば猪口に入った鰹節も、蕎麦を食べた後につゆに蕎麦湯を入れて飲む時に一緒に食べますので、無駄がありません。
今回、甘汁の場合、出汁をしっかりと取りたかったのと、水の量もそこそこあるで、鍋で鰹節を煮出すということを初めてやってみることにしました。
ただし、鰹節の量は、節約料理がモットーですので、一般的に教えられている量よりもかなりケチって、9gとしました。それでも、冷たいそばの時よりかなり多めです。鰹節代だけで、30~40円くらいはかかる計算です。
ネットなどで調べると、昆布やいりこも使った凝ったものも出てきますが、鰹節だけでシンプルに作ってみました。
前置きが少し長くなりました。では、実際の温かいそば作りの様子を御覧ください。
今日の蕎麦打ちの様子
材料
外二蕎麦:
- 石臼挽き蕎麦粉100g(長野県産、2016年夏新そば)【蕎麦粉ID: 7】
- つなぎ用小麦粉(準強力粉)20g
- 水 58.8g (加水率、49%)
蕎麦は、蕎麦粉10に対して2の小麦粉を混ぜる外二蕎麦にしました。
つゆ:
- 鰹節 9g (ヤマキ氷温熟成かつお厚削り)
- 水 600ml
- かえし 30ml
かえしは自作のかえしで、一回目に作った古い方(甘めの方)のかえしを使いました。
その他の条件
- 水回し: 80-10-10%法
- こね: 転がしこね 6回
- 菊練り: 100回
- 麺帯幅: 13cm
- 切り回数: 99回 [目標97回]
- 平均蕎麦幅: 1.30mm [目標1.32mm]
- 茹で時間: 80秒
出汁をとる
所要時間を考えて、蕎麦を打ち始める前に出汁を取り始めます。
水600mlを火にかけ、沸騰したら鰹節を入れて、弱火~中火にして煮出していきます。
煮出す時間は、15分~20分程度としました。
ちなみに、ネットで調べて出て来る作り方だと、水1Lに鰹節30g、煮出す時間は30~40分などとあります。それに比べると、鰹節もケチっていますし、手間も省いてみました。
水回し
いつもは粉で土手を作って水を入れていますが、今日は、粉の上に回しかけてみました。そういうやり方を紹介しているところを見つけたためです。
水をよく回して、湿ったおから状態します。
残りの水を入れて、生地に圧力をかけて転がすようにして玉を作っていき、全体をまとめていきます。
いつものように「転がし練り」をして、最後に丸くまとめます。
菊練り
のし板に移動して、菊練りをします。回数は、100回としました。
ヘソの部分が頂点になるように円錐形にします。
これを、上から手で潰します。
生地は、理想よりは少し柔らかめのように感じました。
のし
手である程度伸ばします。
のし板でさらに伸ばします。
四つ出しをします。
本のしをします。
畳みます。
麺帯の幅は、13cmでした。
出汁の出来上がり
20分ほど煮出したところです。少し色が薄いかもしれませんが、鰹節の量が少ないのでこんなものでしょう。
切り
目標切り回数が97回のところ、99回となりました。大体目標通りでしたが、幅のバラつきは相変わらずかなりあります。
乾燥を防ぐためラップを上にして、つゆの準備に入ります。
つゆの準備
出汁の量は320gでした。最初600mlの水がありましたから、約半分の量になったことになりますね。
かえしを30ml入れます(後から考えるともう少し多めにしておくべきでした)。
出汁とかえしが合わさって、とても良い香りが漂ってきます。この香りは、本当にホッとしますね。
具のネギを入れて、少し煮てネギに火を通します。
蕎麦を茹でる
蕎麦の茹で時間はいつもどおり、80秒としました。
また、冷たいそばの時と同様に、水でヌメリをとり、最後に冷凍庫で冷やしておいた冷水で締めます。
この段階で、少し味見してみました。そのまま食べたいような美味しい蕎麦でした。
蕎麦をザルごとお湯に浸けて、温め、器に入れます。
実は、この蕎麦の下には出汁をとった後の鰹節が敷いてあります。蕎麦を食べた後にそれも食べてしまおうという魂胆です。
温かいつゆをかけ、具などを乗せて出来上がりです。
試食
こんな感じに出来上りました。ちょっとばかりつゆの量が少なかったですね。
アップです。
なかなかそれっぽく出来ていますね。
さっそく食べてみましょう。
なかなか美味しいです。寒い時期は温かい蕎麦も良いですね。
冷たい蕎麦とは違って、蕎麦自体はかなり柔らかくなっていましたが、温かい蕎麦というのはまあそういうものでしょう。
蕎麦の表面のツルツル感はあまりありなく、むしろすこしザラザラしている感じでした。個人的には、もう少しツルッとした蕎麦の方が好みです。
また、蕎麦は、食べているうちに切れて短くなってしまうものも多いようでした。
つゆが少なめだったため、箸で蕎麦を持ち上げる際に大きな抵抗がかかって切れてしまうのと、そもそも蕎麦のつながりがまだ温かい蕎麦に耐えられるほど無かったというのが原因だろうと感じました。
もう少しコシのある、つながりの良い蕎麦だとなお良かったと思います。
ただ、年越しに蕎麦を食べるのは、蕎麦は切れやすいので「悪いことを断ち切る」という意味もあるそうですから、年越しそばとしてはこれでも良いのかもしれません。
つゆは少し塩気が薄めに感じましたが、とても美味しくて(本当はいけないのですが)全部飲み干してしまいました。
出汁の強さも個人的にはこれで十分で、全然嫌な感じのしない、おいしい蕎麦つゆでした。
蕎麦つゆを楽しむという意味では、冷たい蕎麦よりも温かい蕎麦の方がいいかもしれませんね。
完璧というわけではないですが、なかなか美味しい温かい蕎麦ができました。
蕎麦もつゆも自作で、このくらいの美味しい温かい蕎麦ができるのが確認できて、少し嬉しくなりました。
これなら、年越し蕎麦も自作できそうです。
鰹節はそんなに高い買い物ではない
最後に少し余談です。
今回、蕎麦の下に隠してあった出汁を取った後の鰹節ももちろん食べました。
ちょっと考えてみると、鰹節って、タンパク質の含有量を考えるとそれ程コスパは悪くないんですよね。
今使っている鰹節は、80gで400円くらいなのですが、乾物なのでタンパク質の含有量は高く、重量の77%くらい。計算すると、61.6gのタンパク質が400円で買えることになります。
ちなみに、今使っているのは、「ヤマキ 氷温熟成かつお厚削り」という鰹節です。

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通常よりも旨味が多くなる製法で作っているそうです。
豚肉(バラ肉)だと100g中のタンパク質は14gくらいらしいですから、同じ量のタンパク質を取るには、440gの豚肉が必要になります。それって400円より高いんじゃないでしょうか。
出汁を取った後の鰹節を食べてタンパク質源にもするという前提ですが、旨味という付加価値を与えてくれる割には、安い買い物だと思います。
これまで鰹節で出汁を取るなんて面倒だし高いと思ってやっていませんでしたが、蕎麦打ちを始めて、蕎麦つゆも自作するようになって、その考え方が少し変わってきました。その価値を考えたらむしろ安いですし、やはり鰹節からとる出汁は美味しいです。
まとめ
年越しそばの予行演習として、自分で打った蕎麦で温かい蕎麦を作ってみました。蕎麦は少し切れ気味でしたが、自分で出汁を取ったつゆはとても美味しく、初挑戦にしては満足の行く出来でした。今回の経験を活かして、大晦日には年越しそばの自作に挑戦したいと思っています。

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