前回の蕎麦打ちでは温かい蕎麦を作りましたが、今回はまた冷たいそばに戻ります。蕎麦打ちでは生地のこねすぎはいけないと言われているのですが、今回は、敢えて生パスタ作りの時のように思いっきり生地をこねてみることにしました。最近少し蕎麦打ちの技術が停滞しているような気がしたので、新しい方向性が見えてこないかというのが目的です。やってみたところ、意外と美味しい蕎麦になりましたので、レポートしてみたいと思います。
私が理想とする蕎麦の食感
私の蕎麦打ちでは、今のところ、麺に弾力があって表面が適度にツルッとした蕎麦の食感を目指しています。
十割蕎麦では、これを実現するのはなかなか難しいかもしれませんが、小麦粉のつなぎが入る二八蕎麦や外二蕎麦では可能なのではないかと思っています(十割蕎麦では求めるものが元々違うかもしれません)。
その理想の食感に一番近い蕎麦が打てたのは下の回です。
弾力があって、表面のつるっと感もあり、今まで打った蕎麦の中で一番と言っても良いくらいの出来でした。
ただ、これも完璧というわけではなく、理想を追い求めて蕎麦打ちを続けているのですが、この蕎麦打ちの後、これに匹敵、あるいは超えるような食感の蕎麦が打てていません。
その時に使っていた秋蕎麦の新そば粉の品質がとても良かったからということもあると思うのですが、何かやり方を変えないといけないのかなとも思い始めました。
蕎麦自作に初挑戦した時を思い出す
そんなことを思いながら今日の蕎麦打ちはどうしようかなと考えていたところ、一番最初に蕎麦打ちに挑戦したときの事を思い出しました。
その時の記事はこれですね。
この時はまだ蕎麦打ちのことが良く分かっていなかったので、それまでやっていた生パスタの作り方と同じように、生地をこね、生地を麺棒で伸してそれを畳まずに包丁で切って、なんとか、きしめんのような平麺の蕎麦らしきものが出来てしまったのでした。
今考えると、この時作った蕎麦がそこそこ食べられるものだったというのが、私が蕎麦打ちにハマるようになのきっかけだったのだと感じます。
で、この時の蕎麦の食感を思い出すと、結構表面がツルツルになっていたんです。
食べてみると、蕎麦にしては表面がツルツルしすぎているかなという印象です(近所の蕎麦屋が10割蕎麦を出す店ばかりなので、それが自分の蕎麦のイメージとなってしまっていて、二八蕎麦の正解をよく思い出せないのですが)。
と書いています。
もしかしたら、この時のやり方に何かツルッとした蕎麦を作るヒントがあるのではないか。そう思い、まずは、この時と同じように、生パスタの生地のこね方で蕎麦の生地を思い切りこねてみたらどうなるかということを試してみようと思いました。
その他の蕎麦打ちの技術はこの時より格段にアップしていますので、美味しいツルツルした蕎麦が作れるかもしれません。
では、今日の蕎麦打ちの様子を御覧ください。
今日の蕎麦打ちの様子
材料
- 石臼挽き蕎麦粉100g(長野県産、2016年夏新そば)【蕎麦粉ID: 7】
- つなぎ用小麦粉(準強力粉)20g
- 水 58.2g (加水率、48.5%)
上で挙げた蕎麦打ち初挑戦の時は二八蕎麦でしたが、今日は蕎麦粉10に対して小麦粉を2入れる外二蕎麦にしてみました。水の量は、前回の二八蕎麦の時49%でやって水が多い感じだったので、48.5%に下げてみました。
ちなみに、初挑戦の時の加水率は45%と書いてあったのですが、これはどう見ても低すぎるに思います。しかも、それで生地がのし板にくっつくくらい柔らかかった書いてあります。蕎麦粉の違いというのもあると思いますが、この時は、多分まだクッキングスケールを導入していなかったと思うんですよね。なので、この加水率は今考えると少し怪しい数字なのでは無いかと思います。
今では、こちらのクッキングスケールを買って、正確に0.1g単位で水の重量を量っているのでかなり安定した蕎麦作りが可能になりました。

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水回し
水回しは、いつもどおり80%-10%-10%法でやろうとしましたが、最初に入れる水の量が多くて実際は90%-10%法になりました。
最初の水が多かったためか、本来なら湿ったおから上にしたいところ、少しダマが多いです。
残りの水を入れて、まとめます。
ここからが最近のやり方が違うところで、生パスタの時のように生地を折り曲げては押し付けるということを200回ほど行いました。
最後にまるめて、潰したら生地の出来上がりです。
前回よりも加水率を下げたにもかかわらず、生地は今回の方がかなり柔らかく感じます。こねることによってより水が出てくるのかもしれません。
伸し
ここから後はいつもどおりです。
手で伸ばして、
麺棒で伸ばして、
4つ出しをします。少し歪んでしまいました。
本のしをして、
畳みます。
切り
麺帯の幅は12.5cmでした。目標切り回数94回のところ、実際の切り回数は99回となりました。
相変わらず切りは安定しません。
茹で
茹で時間は、いつも通り80秒としました。
水で洗い、冷水で締めて皿に盛ります。
試食
出来上がりはこんな感じになりました。
アップはこんな感じです。細くなりすぎた蕎麦が少し溶けて汚い感じになっていますが、適度な太さの蕎麦は角もそこそこあって良さそうです。やはり蕎麦の太さを一定にするのは重要ですね。
では、食べてみましょう。
薬味の辛味大根のおろし(これは冷凍してあった自家栽培の辛味大根を使っています)をつゆに入れて、食べます。
お!?
意外と良いですよ。
弾力が適度にありますし、蕎麦の表面は全体的にはざらついた感じですがごく僅かにツルッとした食感もあります。
期待した初挑戦の時のような蕎麦としては異質なツルツル感はありませんでしたが、これは普通に美味しい蕎麦です。
この粉で作った外二蕎麦では一番の食感だったかもしれません。
一般的に教えられているようなこね方をやらなくても、意外と美味しい蕎麦になるものですね。
蕎麦打ちは難しいもののように思われがちですが、 もっと気楽にやって良いものなのかもしれませんね。
実際、私の初挑戦の時も今考えるとかなりいい加減なものでしたが、まあ蕎麦のようなものになっていましたからね。
さて、今回、生地のこね方はあまり大きな影響はなさそう(もちろん、完璧を求めたら違いはあるのでしょうが)だということが分かりました。
そうすると、初めての蕎麦のツルツル感の理由として考えられるのは、後は、下のようなものでしょうか。
- 加水率が45%と低かった
- つなぎが普通の強力粉(カメリア)だった
- 打ち粉に小麦粉を使っていた
加水率については上でも書きましたが、多分45%というのは計量間違いのような気がします。ただ、今回よくこねるとこによって生地がいつもより柔らかくなることが分かりましたので、良くこねる場合は、もう少し加水率を下げることもできそうです。
加水率が原因でないとすると、後はつなぎの小麦粉の違いか、打ち粉の違いが原因そうですね。
初挑戦の時の記事を、よくよく見てみると、打ち粉に小麦粉を使っていたようなんですね。
今は、打ち粉としては、打ち粉用の蕎麦粉を使っていますが、小麦粉を打ち粉として使うと、蕎麦の表面に小麦粉の層が出来て、それが半ばうどんのようになってツルツル感を出していたのかもしれません。
ツルツル感を出すためだけに、小麦粉を打ち粉に使うというのは邪道なような気もしますが、次はそれを試してみたいと思っています。
最後に、今日の蕎麦のまとめです。
諸元
- 石臼挽き蕎麦粉100g(長野県産、2016年夏新そば)【蕎麦粉ID: 7】
- つなぎ用小麦粉(準強力粉)20g
- 水 58.2g (加水率、48.5%)
- 水回し: 90-10%法
- こね: 生パスタこね200回
- 菊練り: 無し
- 麺帯幅 12.5cm:
- 切り回数: 109回 [目標94回]
- 平均蕎麦幅: 1.316mm [目標1.32mm]
- 茹で時間: 80秒
総評
評価項目 | 点数 |
---|---|
食感: | ★★★★☆☆ |
香り: | ★★★☆☆☆ |
つながり: | ★★★★★☆ |
太さ: | ★★★☆☆☆(平均1.32mmだがバラつきあり [目標1.32m]) |
まとめ
ツルツル感のある蕎麦を作るために、かなりツルツル感のある蕎麦ができた蕎麦打ち初挑戦の時の事を思い出して、生地を良くこねるということをしてみました。ツルツル感がよく出たわけではありませんでしたが、弾力があり、ごくわずかですがツルッとした美味しい蕎麦ができました。次は、打ち粉について少し調べてみたいと思っています。