前回は「こねないパン」に挑戦しましたが、今回は、元のこねるパンに戻り、形をバゲットの長細い形からブールという丸い形に変えて焼いてみました。てっぺんが少し焦げ気味になりましたが、中のクラムがとても美味しいパンになりました。その様子をレポートしてみたいと思います。
丸いフランスパン「ブール(boule)」
フランスパンには、色々な大きさや形があって、形によって呼び方が変わります。
有名なものは、例えば、次のようなものですね。
- バゲット(baguette)
- バタール(bâtard)
- エピ(épi)
- ブール(boule)
バゲットは「杖」とか「棒」とかいう意味で、70cm~80cm細めの棒状のパンです。
また、バタールは「中間」という意味でもう少し短くて40cm~50cmくらい。
エピは「穂」という意味で、麦の穂のような形をしています。パン屋さんだと「ベーコンエピ」がよく売っていますね。
今日作る「ブール」は「ボール」という意味の丸い形をしたフランスパンです。フランス語でパン屋さんを意味する「ブーランジュリー」という語の語源となったパンだそうです。
私の場合、オーブンの大きさが小さいですので、「バゲットを焼いた」と言っても80cmのパンを焼けるはずもなく、小さい20~25cm位のものを勝手にバゲットと呼んでいるだけです。
今回のブールにしても、正しい大きさはあまり気にしないで、前回と同じくらいの粉の量で作れる、丸い形のフランスパンを焼いてみたということになります。
ちなみに、バゲットのように固い皮(クラスト)を楽しむフランスパンが多い中で、今回作るブールは中(クラム)の割合が高いので、それを楽しむことができるパンです。
個人的には、バゲットタイプの方が好きなのですが、ブールの丸い形はオーブンのターンテーブルの丸皿で焼くには一番面積を無駄にしない形とも言えます。
というわけで、今回はブールに挑戦してみることにしました。
前置きはこのくらいにして、早速、ブール作りの様子を御覧ください。
成形の手前までは、これまでのバゲットの作り方と同じです。
全体の工程としては、
- ホームベーカリでの「こね+一次発酵(前半)」で1時間
- パンチ
- ヨーグルティアでの「一次発酵(後半)」で1時間
- カット(→無し)
- ベンチタイム 20分
- 成形
- 最終発酵 1時間
- 焼成 230℃ 30分
となり、全体で4時間ちょっとかかる予定です。
ブールを自分で焼いてみる
材料
- 準強力粉(リスドオル) 198g
- 水 132.6g
- 塩 2.6g
- ドライイースト 1.3g
それぞれの材料の比率は同じですが、リスドォルがちょうど使い切って198gになったので、前回よりもすこし少ない量になっています。
こね&一次発酵(前半)
HBのパン生地モードで生地を作ります。
パンチ
HBから生地を取り出して、打ち粉を良くしたのし板の上に出します。
パン生地はとてもネバつくので、ここで打ち粉を良くしておくことがコツです。
こんな感じで、打ち粉の上に出すと、下の面は打ち粉でサラサラになり、扱いやすくなっています。
生地を軽く叩いてから、下の面を上に持ってくるように生地を折り曲げて形を整えます。
なかなか上手くいきました。
一次発酵(後半)
これを、ヨーグルティアの発酵容器に入れて、30℃で一時間発酵させます。
こちらは、一時間発酵させた後です。
生地の中に、気泡がいくつも出来ていて、発酵が進んでいることが分かります。発酵の心地よい香り(アルコール臭でしょうか)もしてきます。

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ベンチタイム
生地をヨーグルティアの容器から取り出し、形を整えて20分程休ませます。
乾燥しないように、この上にもクッキングシートをかけました。
成形
こちらは、ベンチタイム後の生地の様子です。ベンチタイムの間にかなり膨らんだようにも感じます。
薄っすらと、沢山の気泡が見えていますね。
バタールの成形の方法は、下のページの動画を参考にしました。
ブール | フランスパンをマスターする|お店作りをトータルサポート | ママパン パンとお菓子の作り方と材料を提供するお店
生地を一度平らにつぶして、それを、折りたたむようにして丸い形にします。
二回目の折りたたみは、一回目と90度方向を変えて行います。
最後に下のとじ口をしっかりと閉じます。
閉じ口を下にして、一時間置いておいて、最終発酵をします。
一時間発酵させたものです。少し膨らんだのが分かるでしょうか。
でも、予想よりは小さく、これで良いのかなと不安になりました。
前回のバタールの時には、丸皿がいっぱいになるくらいになっていましたので、これだと面積効率はよく無さそうです。高さはあるので、体積で言うと同じなのかもしれませんが。
焼いてどのくらい膨らむかですね。
焼き
オーブンを230度に予熱します。今回は、丸皿は入れない状態で予熱しました。
予熱が出来たら、生地にクープの切り込みを入れます。
今回は、包丁で入れてみました。
包丁研ぎで切れ味が戻ったばかりなので、結構よく切れました。
後から考えると、この切り込みは深くなりすぎだったようです。
やはり、こういう専用のクープナイフを買った方が良いのでしょうか。

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前回のこねないパンの時に有効性が確かめられましたので、途中で裏返して焼くことにしました。
まず、生地を丸皿ごとオーブンに入れて、オーブンの内部や、生地に霧吹きで水を吹きかけます。そして、ドアをしめて、2分ほど放置します。
その後、オーブンをスタートさせます。
表17分、裏12分、表 3分
という感じで焼きました。
こちらは、表を17分焼いたところです。
フライ返しなどを使って、裏返します。ボールのような形なので、裏返すと安定しませんが頑張ります。
裏が焼けたら、出来上がりなのですが、一部、表側で焼きか足りないところがあったので、追加で表を3分ほど焼きました。
出来上がり
こんな感じに焼きあがりました。ちょっとばかり、てっぺんが焦げてしまいました。
焼くことで、少し膨らんだようで、結構ずっしりボリューム感のあるパンになりました。
クープはかなりボコッとした溝になって、お手本とは少し違う感じですね。やはり、クープの切れ込みが深すぎたようです。
裏の焼け具合は、こんな感じです。
なかなかいい焼き色です。
試食
粗熱が取れてから、切って試食をしました。
中のクラムはなかなか良い感じじゃないでしょうか。
フランスパンにしては、気泡が小さいかもしれませんが、まんべんなく入っています。
一切れ食べてみました。
美味い!
クラムがとても美味いです。
これまで作ったパンの中で一番美味しいです。
確かに、このパンはクラムを楽しむ感じのパンですね。
もちろん皮もありますので、そこも楽しむことができます。
以前パン屋で買ったブールを食べた時には、やはりバタールのような皮が主体のフランスパンが好きだなと思ったのですが、今回自作したブールを食べてみて、その考えが少し変わりました。
ブールもなかなか良いです。
ブールなら、もう少し大きいものも今のオーブンで焼けそうですね(大きくしたら、上のヒーターとの距離が縮まるので、焦げにはさらに注意が必要になるかもしれませんが)。
まとめ
丸い形のフランスパン「ブール」に挑戦してみました。少し焦げたところができましたが、中のクラムがこれまで作ったパンの中で一番美味しくできました。ブールなら、もう少し大きいものも焼くことができそうです。クープなど、まだまだ完璧とは行きませんが、自分で食べる分には十分美味しいパンが自作できるということが確認できたように思います。
オーブンの検討も続けています。

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