少し前に、Huluで「トータル・リコール(2012)」という映画を観ました。これは、アーノルド・シュワルツェネッガー主演で1990年に公開された同名の映画のリメイクです。1990年版のトータル・リコールは私の結構好きな映画の一つだったので、どんなリメイクがされているのかと期待して観たのですが、前作からの変わりぶりと、それは無理があるだろうという設定が、ある意味楽しめました。
この映画は、フィリップ・K・ディックの同名の短篇小説(原題: We Can Remember It for You Wholesale)を原作にしています。
フィリップ・K・ディックの作品には、この他にも、映画「ブレードランナー」の原作となった『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』や、映画「マイノリティ・リポート」の原作になった同名の短編小説など、映画化された小説が数多くありますね。
同じ原作を元にしていても、(共通点もありながら)これだけ違う映画になるのは面白いなと思い、原作を読んでみたくなったわけです。
それで、アマゾンで見つけたのが、こちらの『ディック短篇傑作選 トータル・リコール Kindle版』です。

- 作者: フィリップ・K・ディック,大森望
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/08/01
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これは、「トータル・リコール」の原作や「マイノリティ・リポート」の原作を含めた以下の10作が収められた傑作選です。
- 『トータル・リコール』(We Can Remember It for You Wholesale)
- 『出口はどこかへの入り口』(The Exit Door Leads In)
- 『地球防衛軍』(The Defenders)
- 『訪問者』(Planet for Transients)
- 『世界をわが手に』(The Trouble with Bubbles)
- 『ミスター・スペースシップ』(Mr. Spaceship)
- 『非O』(Null-O)
- 『フード・メーカー』(The Hood Maker)
- 『吊るされたよそ者』(The Hanging Stranger)
- 『マイノリティ・リポート』(The Minority Report)
なかなかお買い得感のあるラインナップだと思い、購入してみました。
短篇小説というものを、これまで食わず嫌いであまり読んだことがなかったのですが、今回この短編集を読んで、短編もなかなか良いなと思い直しました。
短編なので、ちょっとした時間で一つの話を読めましたし、ここに収められている作品は、どれも映画化できそうな面白い設定のものばかりで、なかなか楽しめたためです。
収められている作品の中では、『訪問者』と『フード・メーカー』が好みでした。
また、別々の作品とは言え、作者フィリップ・K・ディックの世界観が全体を貫いている感じもして、短編を読んでいるのに長編を読んでいるような少し変な気分になりました。
最近は、Kindle Unlimitedの読み放題の本を読むことが多いのですが、この本はお金を出して買って読む価値があったと思います。
フィリップ・K・ディックの作品は、実はちょっと前に『高い城の男』という作品を、それが映画化されるということがニュースになっている時に読んだことがあります。(調べたところ、正しくはAmazonがドラマとして制作してAmazon Videoで配信したらしいのですが、日本のプライムビデオでは今現在観れないようですね。)

- 作者: フィリップ・K・ディック
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/11/30
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内容は、第2次世界大戦でドイツと日本が勝利した架空の世界を描く小説だったのですが、ちょっとイマイチだなと思っていたんです。しかし、今回この短編集を読んで、すこし考えが変わりました。
というわけで、フィリップ・K・ディックの一番有名かもしれない作品の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』も読んでみたくなりました。
アマゾンで調べてみると、値引きプラスポイントでかなりお安く買えるようでしたので、ポチッてみました。

- 作者: フィリップ・K・ディック,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/08/01
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追記: ちょうどよいタイミングで12/13からドラマの『高い城の男』がプライムビデオで観られるようになったみたいですね。これも観てみたいと思います。