ハリソン・フォード主演、リドリー・スコット監督のSF映画「ブレードランナー」の原作となったこの小説。SF小説の名作ということは知っていましたが、恥ずかしながら読んだことがありませんでした。前回、映画「トータル・リコール」の原作が含まれているデックの短篇小説集を読んで、結構良いなと思ったので、満を持してこの小説も読んでみました。

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そもそも、映画は子供の時に見たことがあったのですが、あまり好きではなかった(子供には早すぎたのかな)ので、その「好きではない」というイメージで固まっていて、原作の小説を読むという気になかなかなれなかったんですね。
上で書いたように、この前、映画「トータル・リコール」の原作が含まれているデックの短篇小説集

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を読んでみると「あれ?意外にこの作者の小説良いな」と思ったわけです。
ということで、この作者の一番有名な作品であり、今まで読む気になれなかった『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(原題: Do androids dream of electric sheep?)』を読んでみました。
結果は、読んで大正解。今読むととても面白かったです。そして、映画よりもずっと深くて面白いじゃないかと思いました。
一部、前回読んだ短編小説集の中にあった『世界をわが手に』ともなんとなく似ているなという気分になりました。今の人からするとどうでも良いようなことに人々が夢中になっている様子が似ているというか。
前回も書きましたが、この作者の作品は、別々の作品なのになんとなくつながっているという妙な感覚を受けますね。
原作を読んでみると、映画は原作の面白さを十分に伝えられていないなと思う反面、映画の中でのデッカードやレイチェルのイメージが頭に浮かんできて、小説を読むのが楽になっているなという感覚を覚えました。
やはり、実写化する場合には、見た目をどう良くするかの方に力もお金も注がなければいけませんし、広く公開するためには物議を醸しそうな所は省いたりしなければならず、実写化も大変なんだろうなとも思いますね。でも、そうして実写化することにより、原作にある程度の映像的イメージを付加できるという意味では、結構役に立っているのではないでしょうか。
一般的に、小説やマンガが実写化されると、原作よりもつまらないという評価が出ることが多いように思いますが、私のように実写化を見てから原作を読むというのは、結構良い楽しみ方なのではないかと思いました。原作と映画のいいとこ取りをして読むという楽しみ方ですね。
本書を読み終わってから、映画も今観たら解釈が変わるかもと思い、HuluとかNetflixにないかなと探しましたが、ありませんでした。
はて?と思い、本棚の奥にしまってあったDVDを見てみると「ブレードランナー 最終盤」というDVDがありました。最初の印象が好きではないと言いながら、DVDは買っていたんですね。多分買ったのは、大学生くらいではないかと思います。
再生してみると、DVDのディスクが劣化しているのか、この前買ったUSB接続のドライブが悪いのか、エラーで途中で再生が止まってしまう所が何箇所かありましたが、なんとか最後まで観ることが出来ました。
やはり、今見ても、映画版はあまり好きではありませんでした。
ちなみに、映画「ブレードランナー」の続編「ブレードランナー 2049」が来年公開されるそうです。
SF映画「ブレードランナー 2049」予告編がYouTubeで公開開始、ハリソン・フォード演じるリック・デッカードも登場 - GIGAZINE
ハリソン・フォードもデッカード役として出演するそうですが、どんな出来になっているのでしょうか。注目しておきたいと思います。