普通の大豆は、熟すとクリーム色になります(若い時は緑色の枝豆として食べられます)が、今回、納豆作成に使った大豆は「あおばた豆(青畑豆)」という熟しても青いままという珍しい大豆です。この緑色の大豆で納豆を作ったらどうなるか興味があったので、試してみました。緑色のきれいな納豆になって、ブログのいいネタになるんじゃないかと思ったんですね。さて、一体どうなったでしょうか(タイトルに答えが書いてありますが)。
納豆自作のススメ
これまでも何回かこのブログで紹介していますが、私は自分で食べる納豆を自作しています。メモをみると、今回の納豆作りは76回目でした。
納豆は、安価で、タンパク質の補給にもなり、健康にも良いというパーフェクトな食べ物です。
納豆は元々とても安いので、自作したとしても、節約としては300円分の納豆が200円~250円の材料費で作れるくらいなものですが、自作には、自分の好きな種類の大豆を使って好きな納豆を作れるという利点があります。納豆好きなら、納豆の自作はオススメです。
なにより、発酵の過程を見るというのは、純粋に楽しいですしね。
あと、自作には、納豆臭いパックがプラゴミとして出ないという利点もあります。いくら納豆好きでも、ゴミが納豆臭いのは嫌ですよね。
ヨーグルティアなどの温度を一定にすることができる発酵器があれば、ほとんど失敗なく納豆やヨーグルトなどの色々な発酵食品を作ることが出来ますので、興味のある方は是非挑戦してみて下さい。

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あおばた豆とは
上でも書いた通り、あおばた豆は熟しても青いままの珍しい大豆で、青大豆の一種です。脂肪分が少なく、枝豆の雰囲気を残した風味が特徴です。
主な栽培地域は、山形県や宮城県、岩手県などの東北地方で、枝豆としても食べられますが、茹でてだし汁につけて作る「ひたし豆」が有名です(この豆自体を「ひたし豆」と呼ぶこともあるそうです)。

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私の実家は東北系だったので、正月のおせちの数の子はこのひたし豆に入れて食べる「数の子豆」が定番でした。甘ったるい料理が多いおせちの中で、ちょうどよい塩味のこの数の子豆は子供にも人気の料理でした。
去年の暮れ、正月のおせちとしてこの数の子豆を再現しようとして、あおばた豆を購入しました。
結果は大成功。もっと前から作っていたら良かったなと思いました。
数の子豆とは、こんな感じの料理です。知っている人は知っているのではないでしょうか。
豆が枝豆のような食感でそれが数の子とよくマッチしてとても美味しい料理なんです。茹で時間も15分程とすぐ出来て簡単なので、ぜひ多くの人に知ってほしい料理ですね。数の子を入れないただの「ひたし豆」も、酒のつまみにも良さそうで、正月に限らず、年中作り置きしてたべるのも良さそうだなと思いました。
で、この時買ったあおばた豆が残っていたので、試しに納豆を作ってみたくなった訳です。想像するに、緑色の綺麗な納豆になるんじゃないかな、そうしたらブログのいいネタになりそうだなと思ったんですね。
というわけで、早速あおばた豆で納豆を作ってみましたので、その様子を御覧ください。
あおばた豆での納豆作り
材料:
- あおばた豆 250g
- 納豆菌 耳かき1杯
これで、豆の状態によりますが、500g位の納豆になります。ちなみに、あおばた豆は1000円/kgくらいで、少し高価な大豆の部類に入ります。
水で戻す前のあおばた豆はこんな豆です。良い緑色ですね。
本当に青いままでカチカチになっています。
まず、250gのあおばた豆を水につけて戻します。今回は11時間ほど水につけて戻しました。
水で戻すとこんな感じになります。見た目は、ほとんど枝豆ですね。
水で戻したあおばた豆を、圧力鍋で22分蒸します(圧力鍋で蒸すと短時間で済むので便利です)。時間は、おもりが回り始めてからの時間です。実際は、ちょっと間違えて24分ほどになりました。
時間が来たら、火を止めて7分ほど蒸らします。
その間に、容器の消毒(少量の水を入れてレンジで2分)、ボウルのアルコール消毒、納豆菌の準備などをします。
納豆菌を耳かき一杯分程出し、そこに沸騰した熱湯を大さじ1~1.5程度注ぎます。
これには、納豆菌以外の菌を殺し、休眠状態になっていた納豆菌を起こすという意味があります。
ちなみに、市販の納豆を混ぜるという方法もありますが、純粋培養の納豆菌を購入して使うのが失敗がなくて良いと思います。納豆菌は、一回買ったら相当回数使えますので、元はとれますし。
圧力なべの圧力を抜き、蒸しあがった豆をボウルに開けます。立ち上がる蒸気でのやけどに注意。
あ!?あれれれ?
綺麗な緑色がなくなって、くすんだ色になってしまいました。
これは想定外でした。
少し残念ですが、まあ、気を取り直して続けましょう。
蒸した熱々の豆に、先ほど熱湯で溶いた納豆菌をかけて、良く混ぜます。
混ぜた豆を、ヨーグルティアの発酵容器に入れます。
ここで、ちょっとしたコツですが、ラップを豆の上に、少し隙間を開けて、かけます。
納豆菌の発酵には、酸素と適度な湿度が必要なためです。
豆の入った容器をヨーグルティア本体にセットし、キッチンペーパーをかけ、カバーを少しずらして空気が入るようにして置きます
発酵温度は44℃、発酵時間は24時間です。
ここは、色々人によって流儀があると思いますが、私はこの設定に落ち着いています。
24時間後、カバーには結構水滴がついています。キッチンペーパーは、この水滴が下に落ちないようにするためです。
さて、発酵状態はどうでしょうか。
うん。成功ですね。いい感じで発酵しています。
粗熱を取ったら冷蔵庫に入れ、1日熟成させたら食べ始められます。
試食
では、食べてみましょう。
正直なところ、見た目は、あまり良くありません。
想像したような綺麗な緑色ではなく、緑がかった茶色といった感じ。
また、作った後に気付きましたが、あおばた豆には、黒いヘソがありますのでその黒い色が目立ちます。
箸で混ぜてみると、ネバネバがとても多く、これまで作った納豆の中でも一番ネバネバが多いのではと思わせるくらいでした。
だし醤油をかけて食べてみます。
美味い!
旨味が凄くあります。
次に、ご飯にかけて食べてみます。
これも美味。
この前紹介した「紅大豆」で作った納豆も旨味が凄くありましたが、このあおばた豆の納豆も旨味が強いですね。
これは、これまで作った納豆の中でも、最高レベルの美味しさだと思います。
見た目は、想像したような綺麗なものはありませんでしたが、味は素晴らしいですね。
見た目からして、この納豆は今の日本では売り物としては成立しないでしょう(もちろんごく少量は生産されているようですが)。
ということは、納豆を自作する物だけが味わえる納豆と言えるのではないでしょうか。
そう言えば、最近『謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉』という納豆の本を読んでいるのですが、日本の納豆に使われる大豆は(大豆のヘソをゴミや異物と間違える消費者がいるため)最近はヘソが白い白目大豆がほとんどになったが、アジアの納豆にはまだヘソが黒い大豆が使われていて見た目が悪いということが書いてあったような気がします。

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ちなみに、この本めちゃくちゃ面白いですよ。納豆好きは必読の一冊です。
まとめ
熟しても青い珍しい大豆「あおばた豆」で納豆を作ってみました。想像したような緑色の納豆にはなりませんでしたが、味はこれまでで一位二位を争う美味しさでした。あおばた豆は、ひたし豆として食べても美味しいですし、納豆としても美味しい豆であることが分かりました。追加で購入しておきたくなりました。
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