今日のお昼は蕎麦を打って食べました。蕎麦粉は引き続き高山製粉の「縄文」です。前回までは、水こねで十割蕎麦を作る時の最適な加水率を探ってきましたが、今日は少し気分を変えて、がごめ昆布のネバネバをつなぎとして十割蕎麦を打ったらどうなるかを試してみました(つなぎが入っているので厳密には十割とは言えませんが)。結果、とてもつながりのよい美味しい蕎麦が出来ましたので、レポートしてみたいと思います。
昆布を蕎麦のつなぎにする
前回までは、高山製粉の「縄文」で十割蕎麦を打つ際の最適な加水率を調べていたのでした。
加水率46%、47%、48%、49%と試してみて、風味・食感を重視するなら46~47%が良いが蕎麦のつながりが悪いということが分かりました。一方、48%になるとつながりが良いが味がボケてイマイチ、49%はつながりも良く味は48%よりよくてバランスは良いという結果となりました(この最後の結果は少し不可解なので、加水率以外の差かもしれません)。
どうもこの「縄文」は味とつながりを両立するのがなかなか難しい蕎麦粉だなというのが、これまでの印象でした。
で、この蕎麦粉は1kgで買ったのですが、1kgの蕎麦粉の場合、
- 十割蕎麦(蕎麦粉120g)x 5回
- 外二蕎麦(蕎麦粉100g + 小麦粉20g)x 4回
というスケジュールで作ると粉をピッタリ使い切れますし、毎回の粉の総量が120gとなって、私としてはちょうどよい量となります(少したっぷりめです)。
この縄文では、既に、外二蕎麦3回(年越しそばの練習1回、年越しそば本番2人前なので2回分)、十割蕎麦は4回作ってきました。
ということは、十割蕎麦が後1回、外二蕎麦が後1回作れるわけですね。
最後の十割蕎麦の回をどうしようかなと考えていたところ、そういえば、昔、昆布の粘りをつなぎにするということ試したなと思い出しました。
まだ蕎麦打ちを始めて間もない時で、いかにしてまともに長い蕎麦にするかということを模索する中、布海苔という海草をつなぎとする新潟の名物「へぎ蕎麦」から連想したものでした。
この時は、根昆布入りのおぼろ昆布をそのまま水に溶かしてつなぎとして練り込んでみたのですが、つながりがかなり改善したことを覚えています(味は「僅かにモッタリした」と記録していますね)。
この回以降、昆布をつなぎにするということはすっかり忘れていました。つなぎなしでの十割でもそこそこ美味しい蕎麦が打てるようになったためです。
十割蕎麦の最後の一回、単にまた加水率を変えて打つよりも、昆布のつなぎをこの難しい蕎麦粉に使ったらどうなるかをみる方が面白そうだと思えて来ましたので、試してみることにしました。
では、前置きはこのくらいにして、今日の蕎麦打ちの様子を御覧ください。
今日の蕎麦打ちの様子
つながりは悪いが味は良かった加水率47%で、昆布をつなぎに入れたらどうなるのかを試してみます。
ちょうど、以前下の記事で書いたガゴメ昆布が今手元にあります。
これは、刻み昆布なのでそのまま蕎麦に練り込むわけにはいきませんので、水で溶かした時にでてくるネバネバを取り出して水の代わりに使ってみることにしました。
材料
- 石臼挽き蕎麦粉120g(高山製粉「縄文」2016年・長野県産)【蕎麦粉ID: 9】
- がごめ昆布 3g(ガゴメ昆布のネバネバ水 56.4g = 加水率47%相当)
がごめ昆布のネバネバを取り出す
がごめ昆布は3g使用しました。
熱湯80gを注いで、30分程置いておきます。
30分経ったら、茶こしでネバネバの液体部分だけを漉して取り出します。
これが、なかなか濾せなくて苦労しました。
こんなことは誰の役に立つか分かりませんが、コツは、上から押すのではなく、茶こしの下の裏側をスプーンでこするようにしてやることです。そうすると、ネバネバが茶こしの網をよく通り抜けてくれるようでした。
漉したもののネバネバ具合は、こんな感じです。
量を量ったところ、47.1gでした。かなりの水が切り昆布の方に吸われてしまったようです。
もちろん、残った切り昆布の方は自分で美味しくいただきました。
少し量が足りなかったので、水を10gほど足して目標の56.4gとしました。
水回し
ここ以降は水を使った時と同じように行います。
いつものように、80%-10%-10%法で行います。
と思いましたが、粘りがあるため量の調整が難しく、最初に90%程が入ってしまいました。90%-10%で行くことにします。
指を立てた手で一気に混ぜます。
が、粘りがあるため、いつものようには簡単に水が均一に混ざってくれません。
いつもより時間がかかりましたが、水分が分散して湿ったおからのようになってきました。
生地は少し粘りが強いようにも感じます。
残りのネバネバ水を入れます。
圧力をかけるようにして、生地を玉にしていきます。
なかなか玉にまとまらないところは、水で加水率47%の時の同じでした。
こね&菊練り
こねは、いつものように転がしこね6回です。
菊練りは50回。最後にとんがりにします。
これを手で潰して生地は出来上がりです。
同じ加水率47%の時とくらべてヒビが少ないように感じます。
延し
まず手の平である程度伸ばします。
この段階でヒビが結構でてきました。やはり、昆布を入れても駄目なのでしょうか。少し不安になってきました。
不安を抱えながら、麺棒で伸ばしていきます。
4つ出しをします。
本のしをします。
ちょと凹型になってしまいましたが、横長の四角にすることができました。
切り
生地を4つ折りにします。畳んだ状態の写真を取るのを忘れてしまいましたが、横12cm縦17cmとなりました。
麺きり包丁で切ったところ、切り回数は80回でした。平均幅は計算してみると、1.48mmとなります。
今日は、いつも以上に切りが安定せず、幅のバラつきが大きかったです。
蕎麦のアップはこんな感じです。
折り目のところのヒビは少なくなった気がします。
茹で
茹で時間は60秒としました。
食べる
出来上がりは、こんな感じになりました。
蕎麦のアップ。
水こねの時とはなんとなく蕎麦の表面の感じが少し違う気がします。茹ですぎではない様子なのですが、エッジが少しなまっているというか。
早速食べてみます。
おおお!
かなり長い蕎麦がありますね。
やはり、昆布のネバネバはつなぎ効果がかなり高いようです。
ちなみに、水こねで加水率47%の時がこちらですから、その差が分かると思います。
美味しいです。
蕎麦は水っぽいということはなく、水こねで加水率47%の時と同じように味の濃さがありますね。
表面のツルツル感もある程度あります。
食感は少しモチッとしていて、明らかに水こねの時とは違いますね。前回おぼろ昆布をつなぎにした時にも似たようなことを感じました。これが、昆布をつなぎにした時の特徴なのかもしれませんね。
やはり、食感は水こねの十割蕎麦の時の方が私は好みかな。
今日の蕎麦のまとめ
諸元
項目 | |
---|---|
種別: | 十割蕎麦 |
蕎麦粉: | 高山製粉「縄文」 120g |
つなぎ: | がごめ昆布のネバネバ水 |
加水率: | 47% |
水回し: | 90-10%法 |
こね: | 転がしこね6回 |
菊練り: | 50回 |
麺帯幅: | 12cm |
切り回数: | 80 [目標 - 回] |
平均蕎麦幅: | 1.48mm [目標 - mm] |
茹で時間: | 60秒 |
総評
評価項目 | 点数 |
---|---|
食感: | ★★★☆☆☆ |
香り: | ★★★★☆ |
つながり: | ★★★★☆ |
太さ: | ★★☆☆☆☆(平均1.48mm。バラつき大きい [目標 - m]) |
まとめ
高山製粉の「縄文」で、つなぎにがごめ昆布のネバネバを使って蕎麦を打ってみました。加水率が低いにも関わらず、蕎麦のつながりはかなり良くなりました。水こねの十割蕎麦と同じ食感とはいきませんが、つながりを重視するならこれもありだと思いました。

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