実は、昨日のお昼に「ニョックリ」というロングパスタとショートパスタのいいとこ取りのような生パスタを作ろうと生地をこねるところまでやったのですが、そこで急用が入ってしまい結局食べることができませんでした。夕方になって手が空いので、冷蔵庫に入れておいた生地をニョックリに成形し、前々から試してみたかった生パスタの冷凍保存を試してみることにしました。今日のお昼はその時に作った冷凍ニョックリを茹でて食べたわけですが、結論としては、生パスタは(長期保蔵はどうか分かりませんが1日くらいなら)冷凍しても食感には問題なくとても美味しいということが分かりました。その様子をレポートしてみたいと思います。
生パスタの保蔵方法
生パスタを自分で作って自分で食べる分には、作ってすぐ食べればよいので特に保存方法を考える必要がありませんが、お店で大量に生パスタを出すとなると、作りおきをする必要が出てきます。
いつも参考にしている『プロのためのパスタ事典』は「プロのための」と銘打っている通り、実際にプロの方が生パスタを作り置きしておく時のテクニックまで書かれています。お店によってやり方は様々ですが、冷蔵、半乾燥させて冷蔵、茹でて冷蔵、冷凍などの方法が取られているようです。
また、これまたいつも参考にしている『まいにち食べたい手打ち生パスタ』でも、生パスタは冷凍で2週間ほど保存できると紹介されています。
というわけで、生パスタの冷凍保存は前々から試してみたかったのですが、冒頭で書いた通り昨日たまたまそういう機会に恵まれましたので、挑戦してみました(成形する前の生地を冷蔵保存するというのも方法として考えられます。実際、『プロのための〜』では生地は一晩寝かせて作るプロの方もいますが、それはまたの機会に)。
では、今回の(二日間に渡る)生パスタ作りの様子をご覧ください。
生パスタ作りの様子
今回作るのは、最初にも書きましたが、ロングパスタとショートパスタのいいとこ取りのような「ニョックリ」というパスタで、10~20cmの棒状の生地に8本の指で窪みを作って作ります。
以前にも一度作ったことがありますが、食感に優れ、かなり美味しいパスタです。
ちなみに、このニョックリは『まいにち食べたい手打ち生パスタ』の方で紹介されているパスタです。とても美味しいパスタなのに『プロのためのパスタ事典』には意外にも載っていません。
材料
ニョックリ:
- デュラム小麦の全粒粉 45g(マリーノ社 石臼挽き デュラム小麦全粒粉)
- 00粉 45g (マリーノ社 石臼挽き 00粉)
- 水 50.6g(加水率56.2%)
- 塩 0.4g
- オリーブオイル 小さじ1/2
小麦粉はここ最近のお気に入りのマリーノ社の石臼挽き小麦粉二種類のブレンドとしました。
ソースは、いつもの野菜ジュースで作るボロネーゼソースにしました。材料や詳しい作り方は、こちらの記事をご覧ください。
生地の準備
いつものように、塩を溶かした水を小麦粉に少しずつ入れて混ぜます。オリーブオイルは、これまでは水に一緒に混ぜるようにしていましたが、今回から小麦粉の方に最初に入れる方法に戻しました(その方が後の食器洗いが楽になるためです)。
ある程度まとまったら、のし板の上で、均一で滑らかになるまでこねます。
こねた生地は丸めて、ラップをして15分程寝かせます。
加水率が高かったので、ラップをしたらベタつく心配もありましたが、そのままラップをすることにしました。
冒頭でも書いた通り、ここで急用が入ったので、生地はラップをしたまま冷蔵庫へ。
ニョックリの成形
夕方、手が空いたので冷蔵庫で寝かせておいた生地をニョックリに成形しました。
生地の表面にはかなり水が出ていましたが、生地がラップにくっついてしまうということはありませんでした。
生地を適量(全体の1/5位)をつまみ取り、両手の手の平の中でこするようにして棒状に伸ばしていき、太さ1cmくらいになったら、のし板の上で更に伸ばして太さ6mm程にします。
それを、長さ10cm~20cmの好みの長さにカットします。後で指を8本使って窪みを作りますので、少なくとも自分の指8本くらいの長さにするのがよいと思います。私の場合は13cm~14cm位になりました。
冒頭にも書いたように、ある程度長いとロングパスタとショートパスタのいいとこ取りのような面白い食感が出てきます。
棒に親指以外の両手の指を揃えて押し付け、手前に少し引くと窪みが出来ます。
こんな感じですね。
もっと短くして3個~5個の窪みを作ると、「ストラッシナーティ」あるいは「カヴァテッリ」「カヴァティエッディ」「コルテッチェ」と呼ばれるパスタになります。
というわけで、このニョックリのニョックリたる所以は、上で書いたように「長い」ということですね。
冷凍する
バットにクッキングシートを敷き、出来上がったニョックリを隣同士がくっつかないようにして並べていきます。
ラップをしてそのまま冷凍庫へ入れます。
茹でる
1日冷凍した後、つまり今日の様子です。
カチカチの棒のようになっています。
一部、隣同士がくっついていましたが、軽く力をかけると簡単に離れてくれました。
普段柔らかいパスタが、木の棒というか、棒状のお菓子のように固くなっているのは面白いですね。
茹で時間は、冷凍の場合、通常よりも少し長めになります。前回作った時には5分だったのですが、今回は茹で加減をみながら6分半茹でました。
お湯に投入すると、意外にすぐに柔らかくなるようでした。
茹で上がったニョックリを、用意しておいたボロネーゼソースに投入してよく和えます。
食べてみる
出来上がりました。「ニョックリのボロネーゼ」です。
アップ。
食べる前から、麺のしなやかな様子が伝わってきて、とても美味しそうです。
早速食べてみましょう。
おおお!!
これは美味いです。
「にゅるん」としていて、それでいて、噛んでいくとしっかりとしたコシもあります。
まさに、ロングパスタとショートパスタが融合したかのような食感です。
指で付けた窪みは、ソースの絡みを良くするのはもちろんですが、パスタが口に入った時にボコボコとした食感を生み出すのが良いですね。
ボロネーゼソースとの相性も良いようです。
ニョックリはかなり久しぶりに作りましたが、これからはもっと定番にして食べたいなと思いました。
さて、今回のメインの目的の冷凍保存についてです。
冷凍したことによる風味・食感の劣化は全く感じられませんでした。
むしろ、少し美味しくなったようにも感じました(ニョックリを作ったのが久しぶりですし、また生地の寝かし時間がいつもよりも長かったですし、単に茹で加減が良かったのかも知れないので、冷凍保存のおかげとは断定は出来ませんが)。
少なくとも1日位の冷凍では、問題ないようですね。
一日以上冷凍する場合は、バットの上で凍らせた後、ジップロックなどの袋に移し替えてから保存すると、場所的にも冷凍臭を避けるためにも良いかもしれません。
あと、今回は太めの丈夫なパスタだったので、多少隣同士がくっついても問題ありませんでしたが、細いパスタの場合には、くっつかないようにスペースをちゃんと開けて冷凍させたほうがいいかもしれません(もしかしたら、くっついたまま茹でてもほぐれてくれるのかもしれませんが)。
個人的には、生パスタは作ってすぐに食べてしまうので、冷凍保存はあまり利用はしないかもしれませんが、パーティーの料理として生パスタを出したいという時などは、前日とかその日の午前中に生パスタを成形して冷凍保存しておくと、料理がしやすくて良いかもしれませんね。
また、冷凍しておけば何種類かの生パスタを同時に出すということも楽になりそうです。
まとめ
今回、成形した生パスタを冷凍保存したらどうなるかということを試してみましたが、冷凍したことによる劣化もなく、とても美味しい生パスタを食べることが出来ました。久しぶりに作ったニョックリは、にゅるんとしていてコシもありなかなか良い出来でした。新しい知識も得られたし、パスタも美味しかったので満足な1食でした。

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