ザワークラウトとは、キャベツを乳酸菌で発酵させたヨーロッパの漬物です。一般的に乳酸菌は体に良いと言われていますが、特に漬物に入っている植物性の乳酸菌は生きたまま腸に届くということで注目を浴びていますね。私も、これまで色々と乳酸菌発酵の漬物を自作してきましたが、今回はザワークラウトに(再)挑戦して成功したので、その様子をレポートしたいと思います。
乳酸菌発酵漬物と私
以前、こんな記事を書いたことがあります。
健康のためもありますが、そもそも乳酸発酵の漬物が結構好きなんです。
しかし、スーパーで売っている漬物は、本来乳酸発酵で作る漬物でも、ちゃんと乳酸菌で発酵させていない場合も多く、またしっかりしたものは買うと高いので、自作をすることが多いです。
これまで、ザワークラウト、水キムチ、糠漬けなど色々な乳酸菌発酵の漬物に挑戦して、一定の成功を収めてきました。
上手く行った時には、酸味の効いたとても美味しい漬物になるんですね。乳酸発酵の漬物は乳酸菌が生成する乳酸が腐敗を防いでいますので、そのぶん塩分も低めで、健康のためにもピッタリな漬物です。
しかし、上で「一定の」と書いたのは、失敗する確率も他の料理と比べると高いと言えるからです。最初は、「乳酸発酵の漬物簡単じゃん!」と浮かれたりもしましたが、私のこれまでの経験だと、成功率は8割くらいでしょうか。
失敗は、お腹を壊すとかではなくて、おそらく雑菌が増えるのでしょう、不味そうな香りがついてしまうという失敗が多い気がします。
漬物は正常に発酵していても臭いことが多いですが、美味しそうな発酵臭とダメな匂いというのは結構はっきり区別できるものです。漬物を自作する方なら分かると思います。
失敗すると、ショックからその漬物はしばらく作る気がなくなり、他の乳酸菌漬物に移るということを続けてきました。
私の場合、最初に挑戦したのがザワークラウト、その後、水キムチなるものに挑戦し、その後、糠漬けに挑戦してきました。
今回、ザワークラウトをまた作ろうと思ったのは、実は去年から使っていた糠漬けの糠床が苦くなってだめになってしまったからです。
ぬか漬けは最初の頃はこれは良いと思って食べていました(和食に合う!)が、途中から糠床の調子が悪くなり、毎日かきまぜないといけないという手間もあり、ちょっとこれは自分の生活の中で定番とする段階には無いかなと思い始めていました。
そんな時に、糠床がとても苦くなって野菜をつけられる状態ではなくなったのを機に、思い切って糠床を捨てました。
というわけで、ザワークラウトです(もちろんいつかは糠漬けにも戻ってくるつもりですが)。
なぜそこまでして乳酸発酵の漬物にこだわるかというと、やはり最初に書いたように健康に良いということで、私の目指す自給自足生活の食生活の中で何か一つは乳酸発酵の漬物を美味しく安定的に作れるようになっておきたいということがあります。
何処かで読んだ情報によると、納豆(これは自作が既に確立しています)と乳酸発酵の漬物を一緒に食べると相乗効果でより一層健康に良いらしいのですね。自分の食生活の中で、自作の納豆と自作の乳酸発酵の漬物を食べるということを確立したいわけです。そうそう、乳酸菌で腸内環境を整えるのは花粉症にも良いらしいです。
また、蕎麦打ちもそうですが多少難しいものは、挑戦しがいもありますしね。
ちゃんとコツをつかんで、安定的に美味しい漬物を作れるようになりたいです。
ちょっと前置きが長くなりすぎましたが、今回のザワークラウト作りの様子をご覧ください。
ザワークラウトの自作
やることは単純です。「キャベツを千切りにして、塩で漬ける」です。
仕込み
材料:
- キャベツ 2個(正味 2.2kg)
- 塩 22g(キャベツの重量の1%)
- 唐辛子 1本
- 水50cc
キャベツは一個160円の安いキャベツです。外側の皮や芯を取り除いて2.2キロありました。
ザワークラウト作りでは塩分濃度が重要です。一般的には1%~2%と言われています。
低すぎるとキャベツから水があまり出てきませんし、逆に高すぎると乳酸菌の増殖が進まず雑菌の原因になります。
今回は1%でやってみることにしました。1%だと塩の量を見るとけっこう少なくて心配になりますが、これまでの経験からすると少ないくらいの方が上手く行ったことが多いと感じるからです。
また、普通ザワークラウトを作る時には、ヨーロッパの漬物らしくキャラウェイシードやローリエ、胡椒などのハーブ類を入れることが多いですが、今回は、何も入れずプレーンなザワークラウトにしてみました。洋食だけでなく、和食のときにも合わせられるようにするためです。
キャベツの重量を正確に量り、塩を用意したら、後は、キャベツを刻んで適当に塩をまぶしながら容器に入れていくだけです。(適宜、水もまぶしていきます)。
もちろん、容器やまな板はアルコールなどで消毒しておきます。
よく塩を揉み込んで、上から押し付けでできるだけ空気を抜きます。最後に種を取った鷹の爪を置きます。
表面にラップで蓋をして、その上に漬物樽の蓋、漬物石を置きます。
容器の側面に付いたキャベツは取り除いて、念のため側面をアルコールで拭いて綺麗にしておきます。
後は、常温でおいておいて水が上がってきて乳酸発酵するのを待つだけです。
1日後
蓋を押し付けるとわずかに水が浸るくらいの水分量です。予定よりも少ないので、様子を見ます。
2日後
どうも水分が足りないようなので、1%食塩水を200g足してひたひたになるくらいにしました。
3日後~5日後
たまに、上から押し付けてやります。そうすると、泡が出てきて、発酵が盛んになっているのが分かります。
5日目以降
段々と酸味が出てきました。ある程度まで行くと、泡はなくなり静かになります。
好みの酸味になるまで待ちます。私の場合、つけ汁が白く濁ってきたあたりが好みなのでそこまで待ちます。
12日目
いい感じの酸味になったので、瓶に移し替えることにしました。
出来上りはこんな感じです。
今回はどうやら成功したようです。
上の写真で黒っぽく見えている所は、影やもともと緑色の葉だったところで悪くなっているわけではありませんのでご安心を。
ダイソーの900mlの瓶2つ強の量のザワークラウトが出来ました。店で買うよりも半額以下の値段で作れていることになると思います。
後は、冷蔵庫で保管します。少なくとも半年は保ちます(多分それ以上も保つでしょう)。
試食
食べてみます。
うん、成功ですね。ちゃんとザワークラウトになっています。
試しに、いつも納豆にかけているだし醤油をかけて食べてみました。
うん。これなら、和食にも合わせられそうです。
反省点とすれば、途中、食塩水を足したためでしょうか、心持ち酸味が弱いと感じました。
塩分濃度はもう少し高いくらいが良かったのかもしれません。また、これは仮説ですが、食塩水を足すにしても、砂糖などで糖分を補って乳酸菌のエサも入れてやるのが良いのかもしれませんね。
まあ、今回は成功と言っていいでしょう。
一応念のため、この記事は試食をして1日経ってから書いています。今のところお腹は壊れていませんので、成功は確実と思われます。
余談
実は、このザワークラウトを作るためにスライサーでキャベツをカットしている時に、誤って親指の先を切ってしまいました。絆創膏をして強く抑えていたら、すぐに血は止まりましたが。
この怪我のせいでしばらく生パスタも蕎麦も作れなくなって、指って大事なんだなということを実感できました。
私の周りでも、スライサーで怪我をしたという話は良く聞きます。みなさんも、スライサーには十分お気をつけ下さい。
まとめ
乳酸菌発酵漬物の、ザワークラウトを自作しました。仕込みの時に指をけがしたりとか、水の上がりが悪く途中で食塩水を足すとかのトラブルはありましたが、なんとか成功したようです。なんとなくザワークラウトのコツも分かってきたような気がしますので、今後も作り続けていこうと思います。