今日のお昼は、蕎麦を打って食べました。高山製粉の「蓼科」を使った二八蕎麦です。前回と、ちょっと打ち方を変えてみました。また今日は、新しい試みとして、薬味に辛子を使ってみました。意外と美味しかったので紹介したいと思います。
前回の記事の訂正
まずは、お詫びです。
前回の記事で「二八蕎麦」と書きましたが、打った蕎麦は実は、二八蕎麦ではありませんでした。
100gの蕎麦粉に20gの小麦粉を入れているので、正しくは、蕎麦粉10に対して小麦粉を2入れる「外二蕎麦」と呼ばれる蕎麦です。これまでつなぎを入れる時には、外二蕎麦を打つことが多かったので、つい癖で、小麦粉を20gとしてしまいました。
二八蕎麦は、蕎麦粉8に対して小麦粉のつなぎが2ですから、蕎麦粉が100gの時には、25gの小麦粉を足さなければなりません。
「二八蕎麦は蕎麦粉の量の1/4の小麦粉を入れる」と覚えると分かりやすいですね。
さて、今日こそは、本当の二八蕎麦を打ちます。
今日の蕎麦打ちの方針
前回は、十割蕎麦のときと同じように、生地をまとめたらこねずに菊練りをするという打ち方をしました。また、菊練りも、あまりこねずにおにぎりを握るように圧力をかける方法で行いました。
出来上がった蕎麦のつながりは期待通り良かったのですが、食感がイマイチに感じました(蕎麦の弾力が弱い)。
そこで、今回は、菊練りに入る前に、こねを入れてみることにしました。こね方は、生パスタの時と同じような「畳みこね」です。
生地の上方を手前に持ってきて、押しこねるという方法です。
こんな感じですね。今日は、この畳みこねを菊練りの前に20回行いました。
生バスタの場合、そういうこね方をして小麦のグルテンの網目構造を作りますので、同じように小麦を使う二八蕎麦の時にも多少はその要素があった方が良いのではという考えからです。
他は、いつもと同じやり方で行いました。加水率は、47%としました。
試食
出来上がりはこんな感じになりました。
一部切った蕎麦同士がつながってしまった所がありました。二八ということで、生地にベタつきが出たのと、打ち粉の打ち方が不十分だったためと思います。これは、プロの蕎麦としては大失敗らしいですが、まあ、自分で食べる分には、少しであればそんなには気になりませんね。
アップはこんな感じです。
では、食べてみましょう。
蕎麦のつながりは前回よりも悪くなった気がします。
ずずっ。
お!明らかに、前回とは食感が違います。
蕎麦のツルツル感と弾力が増しました。
前回よりも美味しいです。
なんとなく分かってきた気がします。
こちらの回のことも思い出すと、
- 蕎麦粉の場合、こねないで圧力をかけるように扱った方が、つながりが良い。
- 蕎麦粉は、こねると食感(弾力)がよくなるが、つながりが悪くなる。
ということなのではないでしょうか。
十割蕎麦の場合は、このバランスが勝負になります。つながりをとるか、食感をとるかですね。
二八の場合、小麦粉はこねるほどグルテンが形成されてつながりがよくなるため、つながり低下を抑えつつ、食感も良くすることができるということのような気がします。
まだ、単なる推測の域を出ませんが、もしこれが本当なら、二八蕎麦というものはなかなか考えられたものだなあと感じますね。
ますます、二八蕎麦を極めたくなってきました。
辛子を蕎麦の薬味にする
後半は、薬味として辛子を入れて食べてみました。
この前、テレビ(ケンミンSHOWだったか)で、新潟名物のへぎ蕎麦を食べる時に辛子を薬味にして食べることがあるというのを見たからです。なんでも、ワサビが採れなかったため、代わりに辛子を使うようになったとか。
辛子を蕎麦つゆに溶かして、蕎麦を食べてみます。
おお!
これは、意外に良いですね。
私は、最近は蕎麦つゆにはワサビは入れないことが多いのですが、辛子は、わさびよりも蕎麦に合っているように感じました。
実は、この前、蛸の刺し身を買った時にワサビがついてなくて、思いつきで冷蔵庫にあった辛子を使ってみたら、意外に美味しくて、個人的に辛子を見直していたところなのです。
蛸や烏賊は元々、辛子酢味噌で食べることもあるので、辛子が合うのは不思議ではないのですが、辛子酢味噌の甘ったるさがあまり好きではなかったので、辛子だけを使うというのに最近まで気づかなかったのですね。
それから、他の刺し身でも試したりしていて、辛子って薬味として意外に万能だなと思っていたところでした。
よく考えたら、私が蕎麦の薬味として好きな辛味大根も、ワサビも、辛子も、全て「アブラナ科」の植物から作られるということで、得意な料理が似てくるのも不思議はないのかもしれません。
少し大げさですが、辛子の良さを知ることが出来たのは、今年の大きな収穫になりそうな予感がします。
今日の蕎麦のまとめ
諸元
項目 | |
---|---|
種別: | 二八蕎麦 |
蕎麦粉: | 高山製粉「蓼科」 100g |
つなぎ: | つなぎ用準強力粉 25g |
加水率: | 47% |
水回し: | 80%-10%-10% |
こね: | 畳みこね20回 |
菊練り: | 100回 |
麺帯幅: | 14cm |
切り回数: | 94回 |
平均蕎麦幅: | 1.47mm |
茹で時間: | 60秒 |
総評
評価項目 | 点数 |
---|---|
食感: | ★★★★★☆ |
香り: | ★★★★★☆ |
つながり: | ★★★★☆☆ |
太さ: | ★★☆☆☆☆(1.47mm、蕎麦同士が一部くっついてしまった) |
まとめ
高山製粉「蓼科」で、二八蕎麦を打ってみました。途中、こねを20回程入れてみたところ、食感がかなり改善されました。引き続き二八蕎麦の研究は続けていきたいと思います。また、今日は薬味として辛子を使ってみましたが、意外に蕎麦に合うというのが分かったのも大きな収穫でした。

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