今日のお昼は蕎麦を打って食べました。蕎麦つゆ用の新しいかえしを仕込んだので、今日はそれを使った蕎麦つゆで食べてみます。蕎麦は、高山製粉の「八ヶ岳」で二八蕎麦に初挑戦しました。
新しいかえしの仕込み
最近、『高橋邦弘の蕎麦大全』を購入して、色々、蕎麦打ちの参考にしています。

- 作者: 高橋邦弘
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2004/10/14
- メディア: 単行本
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今回、新しい「かえし」を仕込むにあたって、この本に載っていた高橋名人のかえしのレシピを参考にしてみました。このレシピでは、ワインビネガー、甘露醤油(再仕込み醤油)、氷糖蜜など、通常のかえしのレシピでは使われていないような材料も使われています。また、塩も加えたりしています。
プロのレシピというのは、やはり凝っているんだなと、勉強になります。
これらの材料をすべてを揃えることは出来ませんし、また、前回の仕込みで残った材料もありますので、今回は、ワインビネガー、再仕込醤油、塩を使うというあたりをまねてみることにしました。
それにしても、ここまでレシピを詳細に教えてくれるというのは、太っ腹ですね。
というわけで、今回の材料は、以下の通りです。ちなみに、今回の仕込みは、かえしを自作するようになって4回目の仕込みです。
- 濃口醤油(そば膳)468ml (535g)
- 再仕込み醤油(→たまり醤油) 137ml(145g)
- みりん(角谷文治郎商店 三州三河みりん 純もち米仕込)91ml (105g)
- ザラメ 90g
- ワインビネガー(バルサミコ酢)12ml(12g)
- 塩(ぬちマース)5g
濃口醤油とみりんは、前回の仕込みで使ったものが残っていたので引き続き使いました。
ちなみに、前回の仕込みの様子はこちら。
再仕込み醤油は、仕込みの時に塩水の代わりに醤油を加えるという醸造方法で作られた醤油で、濃厚な味が特徴の醤油です。刺身醤油として使われることが多いようです。
しかし、スーパーで再仕込醤油が売っていなかったので、代わりに「たまり醤油」を使ってみました。たまり醤油も普通の醤油より濃いのが特徴ということで、代用になるのではと思ったためです。
ワインビネガーとしては、バルサミコ酢を使用してみました。
塩は、この前下の記事で紹介した、沖縄の塩「ぬちマース」を使ってみました。
塩を入れるのは、隠し味効果を狙ったものだそうなので、ただの食塩ではダメで、ミネラル多いぬちマースが良いのではと思いました。
作り方も、前回とは少しかえて、本の作り方にできるだけ沿ってみることにしました。
作り方:
- みりんとワインビネガーを鍋に入れ、軽く沸騰させる
- ザラメを加えて、溶かす
- 濃口醤油を入れて、表面に細かな泡が出てくるまで加熱したら火を止める(84度くらいでした)
- たまり醤油、塩を入れる
- 冷めたら瓶詰めして、冷蔵庫で寝かせる
前回までは、全ての材料を入れてから加熱するだけでしたが、少し手順が複雑になっています。
いずれにしても、作るのはそれほど難しいわけではありません。普段購入する蕎麦つゆも、やってみたら意外と簡単に自作出るものです。
瓶詰めしたら、720mlの瓶で、このくらいの量になりました。もうちょっと多めにしても良かったですね。
最初の一週間は、瓶の蓋の代わりに、キッチンペーパーなどの通気性のあるもので蓋をしておきます。これは、本に書いてあったことではなくて、一番最初にかえしを作った時に参考にしたレシピに書いてあったことです。正直、どんな効果があるのかは分かりませんが、おまじないとして続けています。
冷えてきたら、冷蔵庫に入れて1週間以上寝かせます。
これを仕込んだのは、4月2日。十分寝かせたので、今日の蕎麦で使ってみることにしました。
今日の蕎麦打ち
前回までは十割蕎麦でしたが、今日からは、二八蕎麦です。計算では、今日も含めて3回、二八蕎麦を練習できるはずです。
材料
二八蕎麦:
- 石臼挽き蕎麦粉100g(高山製粉「八ヶ岳」2016年・長野県産)【蕎麦粉ID: 13】
- つなぎ用準強力粉 25g
- 水 55g(加水率: 44%)
加水率は、袋に書いてあった標準加水率43%よりも、心持ち高くしてみました。ただ、前回までの十割蕎麦の経験からすると、これでも結構固めの生地になるはずです。
では、打っていきましょう。
水回し
80%-10%-10%法(80%-10%-7%-3%)です。
蕎麦粉とつなぎの小麦粉を量り、ボウルの中で良く混ぜておきます。
ふるいにかけながら粉をこね鉢に入れ、真ん中に窪みを作って、最初の80%の水を入れます。
水の上に粉をかぶせ、それを指を立てた手で一気にかき混ぜ、その後、揉み手のような動作で、水をまんべんなく回していきます。
次に10%の水を入れて、同じことをします。
7%の水を入れます。
やはり、かなり水分が足りない感じがしますが、今回は用意した水だけでなんとかしてみます。
最後の3%の水を入れます。
これでも自然とはまとまってくれなかったので、手で集めて圧力をかけて強制的にまとめました。
15回ほど畳みこねをします。
手を洗い、こね鉢も拭いて綺麗にして、菊練りに移ります。
菊練り
菊練りは100回としました。生地のまとまりが悪かったので、おにぎりを握るように圧力をかける方法で行いました。
ヘソの部分をとんがらせます。
上から潰します。
のし
延しに入ります。のし板に打ち粉をして、生地を載せます。
まず、手で延ばします。
十割蕎麦の時には、フチに大きなヒビが出来ましたが、二八だとヒビは小さめですね。
次に、麺棒で延ばしていきます。ちょっと歪んだ形になってしまいました。
四つ出しをします。これもあまり、上手くありませんでした。
本延しをします。
切り
打ち粉をしながら、生地を4つ折りにして、打ち粉をしたまな板の上に置きます。
麺帯のサイズは、横14cm x 縦15cmとなりました。
駒板を当て、麺切り包丁で切っていきます。
切り回数は、80回となりましたので、蕎麦の幅は、1.73mm。少し太めの蕎麦です。
茹で
茹では、前回の十割蕎麦が結構固めだったので、茹で時間を長くしてみることにしました。
数本だけを茹でる「試し茹で」をしてみて、良さそうだった80秒にしてみました。
試食
できあがりです。
蕎麦のアップはこんな感じ。
エッジは少し甘い感じになっていますが、どうでしょうか。
食べてみます。
蕎麦のつながりは、そこそこ良いです。
やはり、小麦粉のつなぎ効果は絶大ですね。
味はどうでしょうか。
うん!
表面のツルツル感もあり、噛んだ時の弾力もあってとても美味しいです。
(欲を言えば、もうちょっとだけ柔らくても良かったかもしれません。)
新しいかえしで作った蕎麦つゆの味ですが、ワインビネガーの酸味が確かに隠し味になっていて、より深い味になったように感じました。なかなか美味しい蕎麦つゆです。
このワインビネガーの酸味は、蕎麦湯で割って飲む時に特に感じられますね。
ただし、たまり醤油を入れたり、塩を入れたりした割には、思ったほど味が濃いとか塩っぱいとかは感じませんでした。もしかしたら、溜まり醤油では再仕込み醤油の代わりにはならないのかもしれません。
個人的には、もう少し濃厚な味わいの蕎麦つゆが好みなので、今後はそういうかえしを目指して色々工夫していこうかなと思いました。
今日の蕎麦のまとめ
諸元
項目 | |
---|---|
種別: | 二八蕎麦 |
蕎麦粉: | 高山製粉「八ヶ岳」 100g |
つなぎ: | つなぎ用準強力粉 25g |
加水率: | 44% |
水回し: | 80%-10%-10%(80%-10%-7%-3%) |
こね: | 15回(畳みこね) |
菊練り: | 100回(おにぎり) |
麺帯サイズ(横x縦): | 14cm x 15cm |
切り回数: | 80回 |
平均蕎麦幅: | 1.73mm |
茹で時間: | 80秒 |
総評
評価項目 | 点数 |
---|---|
食感: | ★★★★★☆ |
香り: | ★★★★☆☆ |
つながり: | ★★★★☆☆ |
太さ: | ★★★☆☆☆(1.73mm) |
まとめ
今日は、新しいかえしで作った蕎麦つゆで蕎麦を食べてみました。ワインビネガーの酸味が隠し味になって、より複雑な味わいの蕎麦つゆになった気がしました。高山製粉の「八ヶ岳」で初めて打った二八蕎麦は、なかなか良い出来になりました。

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