ダイコー製粉の「上州秋そば花一文」という蕎麦粉で、ひきつづき蕎麦打ちの研究をしています。今日は、前回に続き二八蕎麦です。加水率を少し下げたらどうなるかということを調べてみました。結果は大成功で、かなり会心の二八蕎麦になりましたので紹介してみたいと思います。
前回の二八蕎麦の様子はこちら。
この時には加水率50%で打ちましたが、今回は49%と1%下げて打ってみることにしました。
では、早速今日の蕎麦打ちの様子をご覧ください。会心の出来で嬉しかったので、今日はいつもより少し詳しく説明してみます。
今日の蕎麦打ちの様子
材料
二八蕎麦:
- 石臼挽き蕎麦粉100g(ダイコー製粉「上州秋そば 花一文」2016年・群馬県産)【蕎麦粉ID: 14】
- つなぎ用準強力粉 25g(大西製粉)
- 加水率: 49%
水回し
いつも通り80%-10%-7%-3%法で行いました。
まず、こね鉢に蕎麦粉と小麦粉を良く混ぜてふるいで振るって、クレータのように真ん中に窪みを作り、そこへ全体の80%の水を入れます。
水の上に周囲の粉をかぶせていきます。しばらくすると下のように水が漏れ出します。
そうなったら、指を立てた手で一気にかき混ぜていきます。本当はこんな写真を取っている場合では無いのですが、この場面の写真はこれまであまり紹介していなかったように思うので、撮ってみました。
こね鉢のふちに付いた粉や、手の指に付いた粉も、適宜、本体の方に移していきます。指に付いた粉はあまり早く取ろうとするとベタベタで扱いにくいので、乾いた粉とぶつけるようにして少し乾燥してから取り外します。
二八蕎麦の場合、十割蕎麦の時に比べてこの時点の手触りがふわっとしている気がします。
次に、粉同士を両手の手の平の中で軽くぶつけるようにしてほぐし、水を全体に行き渡らせます。
このように、湿ったおからのようになったら、次の水を入れていきます。
10%の水を入れて、先程と同じような動作をして、水を行き渡らせます。
7%の水を入れます。このくらいになると、生地がまとまりだします。
少し手の平で圧力をかけるようにして転がして、より大きな玉にしていきます。
このくらいになったら、最後の3%の水を、こね鉢の底の部分に垂らします。
この水を接着剤のようにして、玉をくっつけていきます。
こんな感じです。
ここで、畳みこねを10回ほど行って生地を均一にします。
次に菊練りをします。
私の場合、生地をあまりこねないように、おにぎりを握るような動作で100回菊練りをします。実際、一人分の生地だと生地が小さすぎていわゆる普通の菊練りのような動作は難しいような気がします。
菊練りが終わったら、ヘソ(生地の真ん中のシワの部分)を尖らせていきます。
手の平で圧力をかけて尖らせていきます。この動作もこれまでこのブログではあまり紹介していなかったかもしれません。
こんな感じです。
最後形を整えて、トンガリの上から手の平で潰します。
次に、生地をのし板の上で延ばしていきます。
まずは、手の平である程度延ばします。
次に麺棒で延ばします。
この時の動作としては、生地を30度くらいずつ回転させつつ麺棒で伸ばすという感じです。最終型はまんまるが理想ですが、最近はまんまるに出来ることが少ないです。
次に「4つ出し」という動作を行います。これで生地を四角形に変形するのですが、ここもまだ上手く行くことは少ないです。
最後に、本延しをします。
少し歪んだ形になってしまいました。個人的な感触ですが、二八蕎麦の時の方が十割蕎麦よりも延しは難しいような気がします(十割蕎麦の時は後から形の修正が効きやすい)。小麦粉の弾力が悪さをするのかもしれません。
伸し終わったら、4つ折りに畳みます。
まず、生地の下半分に打ち粉をして、奥側を手前に重ねます。
次に、左半分に良く打ち粉をして、右側を左側に重ねます。
まな板に打ち粉をして、上の生地を時計回りに90度回転させて置きます。
のし板に残った打ち粉はもったいないので、この時に生地の上にかけておきます。
生地の上に打ち粉を良くします。
後で、蕎麦の太さを計算できるように、この段階の麺帯の大きさを測っておきます。今日は、横15cm x 縦16cmでした。いつもよりも少し大きめ(薄め)になりました。
最後に、畳んだ麺帯に駒板を当てながら、麺切り包丁で蕎麦を切っていきます。
今回は、切り回数は80回でしたので、蕎麦の幅は平均1.85mmとなります。
アップはこんな感じ。やはり二八蕎麦だとこの段階で折り目の所で蕎麦が切れてしまうということは無いので、切りは比較的に気楽ですね。
茹で時間は、60秒としました。
茹で上がった蕎麦を冷水で数回洗い、最後に冷凍庫で冷やしておいた水で締め、ザルに盛ったら出来上がりです。
今日はいつもと違い、真ん中に山盛りに盛ってみました。
この盛り方もなかなか雰囲気が出て良いですね。
蕎麦のアップはこんな感じ。エッジも綺麗ですし、蕎麦の表面の水分の残り具合もよさそうです。
では試食してみます。
お、蕎麦のつながりがかなり良いですね。
食べてみると、蕎麦に適度な弾力があり、表面は適度につるっとしていて、とても良い食感です。
かなり会心の出来で、一気に食べてしまいました。
今回は前回よりも加水率は低かったですが、食感は柔らかくなりました。
蕎麦の幅はむしろ少し大きくなったので、生地を前回よりも大きく(=薄く)伸ばしたことがかなり効いているのかもしれません。前回、畳んだ時の麺帯の大きさが13cm x 13cm で、今回は15cm x 16cmですから、切り幅は大きくなっても、トータルでは前回より蕎麦がかなり細くなっているはずです。
蕎麦の太さについては、切りの時の幅のバラつきも問題ですが、生地の厚さにも今後はもっと気を使って行くべきだなと思いました。
今日の蕎麦のまとめ
諸元
項目 | |
---|---|
種別: | 二八蕎麦 |
蕎麦粉: | ダイコー製粉「上州秋そば 花一文」 100g |
つなぎ: | つなぎ用準強力粉(大西製粉) 25g |
加水率: | 49% |
水回し: | 80%-10%-7%-3% |
こね: | 10回(畳みこね) |
菊練り: | 100回(おにぎり) |
麺帯サイズ(横x縦): | 15cm x 16cm |
切り回数: | 80回 |
平均蕎麦幅: | 1.81mm |
茹で時間: | 60秒 |
総評
評価項目 | 点数 |
---|---|
食感: | ★★★★★★☆ |
香り: | ★★★★☆☆☆ |
つながり: | ★★★★★★☆ |
太さ: | ★★★★☆☆☆(1.81mm) |
(今回から最高点の時の星の数を7に増やしました)
まとめ
ダイコー製粉の「上州秋そば花一文」での二八蕎麦の第二弾でした。加水率を49%に下げてみたところ、かなり会心の美味しい蕎麦になりました。今回の成功には、蕎麦の太さ(生地の厚さ)も関係していると思われるので、そこらへんも今後追究していきたいです。

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