煩悩退散!

シンプルライフを目指しています。なのに煩悩(物欲・食欲・承認欲 etc.)は尽きません。そんな煩悩をここで吐き出して成仏させようとする試み。

親指シフトに便利!左右分離型キーボードMiSTEL BAROCCO MD600(日本語配列)を買ってみた


f:id:skktmlab:20171108170351j:plain 使っていたMacBook Proの調子がいよいよ悪くなってきたので、少し前に新しくしたのですが、どうもキーボードが使いにくい。というわけで、前々から気になっていた外付けキーボードを購入してみることにしました。購入したのは「MiSTEL BAROCCO MD600」という左右分離型のキーボードです。色々なレビューで言われている、肩がこらないとか親指シフトに向いていると言う点を期待して購入しました。少し使ってみた感想や現時点でのキーの設定の紹介をしてみようと思います。

購入の動機:MacBook Proのキーボードが気に入らない

今のMacBook Pro (15inch, 2017)のキーボードの何が気に入らないかというと、まず、前使っていたMacBook Pro (13inch)よりも、トラックパッドがかなり大きくなっているためキーボードで文章を打っていると手首のあたりがトラックパッドに触れるのかカーソルが移動してしまい、誤入力が頻発するというのが第一です。これがかなりのストレスなんです。個人的にはトラックパッドは大きくしてほしくなかったです。

この文字入力の際のストレスが、今年後半にブログの更新が滞ってしまったきっかけになった気がしないでもありません。

第二には、配列が微妙に悪いのかどうも誤入力が多く、また最近は起きていませんが、キーが固まって押せなくなるということが何回かあって、いまいち気持ち良く入力ができないということです。

キーが固まってしまう現象はネットを見ると2016モデルの頃から報告されていたみたいですね。これだけ薄いキーでカチッと言うメカニカルな感触を実現しているのは凄いと思いますが、まだこなれていないところがあるようです。キーの感触は前のMacBook Proよりも好きなだけに残念なところです。

というわけで、いっそのこと前々から気になっていた高級な外付けキーボードというものを一度購入してみるのも良いかなという気分になってきました。

HHKB と Realforceはどうか

まず候補に上がったのは、「Happy Hacking Keyboard (HHKB)」と「東プレ Real Force」です。どちらも、おなじみの定評のある高級外付けキーボードですね。前々から一度使ってみたいなと思っていたものです。

HHKBには色々種類がありますが、その中ではBluetooth接続の日本語配列が良いかなと思いました。

PFU Happy Hacking Keyboard Professional BT 日本語配列/墨 PD-KB620B

PFU Happy Hacking Keyboard Professional BT 日本語配列/墨 PD-KB620B

  • 発売日: 2016/04/12
  • メディア: Personal Computers

東プレRealforceの中では、この日本語配列のテンキーレスの静音タイプが良いかなと思いました。 ファンクションキーがあるぶんだけHHKBより大きいのが難点でしょうか。

ただ、これらのキーボードをMacBook Proと一緒に使う場合、キーボードをマシンの手前に置く形になると思うのですが、そうすると画面が遠くなってラップトップの良さであるマシンとの一体感が失われますし、トラックパッドも使いにくくなります。

上でトラックパッドの文句を言いましたが、私はトラックパッド自体はマウスよりも好き(Appleのトラックパッドの操作性は素晴らしい)なので、それはいまいちです。アクリル板でMacBookのキーボードのカバーを作りその上にHHKBを置くという方法をされてる方もいるようですが、アクリル板を発注したりと少し面倒そうでした。

MiSTEL BAROCCO MD600

そんな感じで悶々としていた時に候補に挙がったのが「MiSTEL BAROCCO MD600」です。このキーボードも前々から存在は知っていて、気になっていたものです。

このキーボードの最大の特徴は、左右が別れているということで、左右を離して配置することで、エルゴノミクス的な配置になり、肩こりなどが軽減されることが期待できるそうです。レビューをみてもなかなか良さそうです。

このように左右が別れているのであれば、MacBook Proの左右にそれぞれのモジュールを配置することで、上で書いたHHKBやRealforceの場合の問題も無くなりそうです。

また、左右が別れているため、スペースキーも左右に別れているという点も特徴となっています。この左右のスペースキーには別のキーを割り当てることができるので、親指シフト入力の親指左シフト・親指右シフトをこの左右スペースキーで行うことができ、非常に自然な指の配置で親指シフト入力することができます

私は、下の記事で紹介したように親指シフト入力がかなり好きなので、これはかなりのメリットに感じます。

www.bonnoutaisan.com

通常のMacのキーボードやJIS配列のキーボードで自然な親指シフトをしようとすると、この記事で書いたようにorzレイアウトを使うのが良いのですが、orzレイアウトの欠点は、英数入力の際に元のアルファベット配列より右手を右に一列ずれた状態で打つ(日英でホームポジションは変わらないが英でキーの表示と入力が一致しない部分がある)か、または、英数の時は元の配列で打つ(英でキーの表示と入力が一致するが、日英でホームポジションは変わる)必要があるという点です。

このMD600ならば、orzレイアウトの様に右手のホームポジションをずらさなくてもそのままで親指シフト入力ができることになります。

また、私は最初から日本語配列のものを買おうと思っていたのであまり関係は無かったのですが、US配列なのに親指シフト入力ができるという点は、一部の人には大きなメリットになりそうです。

個人的に不安だったのは、コンパクトにするために矢印キーがなく、Fn+i,j,k,lで入力する必要があるということです。私は矢印キーを多用するタイプなので、この点は不安です。

HHKBほどではありませんがなかなかの値段なので結構悩んだ末、「MiSTEL BAROCCO MD600(日本語配列)」を購入することにしました。

このキーボードは、機構的には独Cherry社のスイッチを採用したメカニカルキーボードということになります

今回キーボードを色々さがしていて、メカニカルキーボード、特にこのCherry社のスイッチを使ったメカニカルキーボードには結構な愛好者がいるということを知りました。また、Cherry社のスイッチにはいくつか種類があり、軸の色で、赤軸・青軸・茶軸などと呼ばれているということも知りました。それぞれの軸で、キータッチの感触や音が異なるそうです。面白い世界ですね。

ちなみに、「MiSTEL BAROCCO MD600(日本語配列)」では、購入する時に、ピンク軸(静音赤軸)・茶軸・赤軸・青軸・ 黒軸の中から選択することができます。

メカニカルキーボードというと音が大きいということを聞いていましたので、YouTubeで色々な動画を見てみました。確かに、かなり大きな音がするようですが、タイプライターの音のようで、他の人の迷惑を気にしなくて良い環境ならば、とても気持ちよさそうです。

うるさすぎるとやはり迷惑になりそうなので、今回は一番静かそうなピンク軸を選択することにしました。YouTubeの動画を見て、ピンク軸の音ならばなんとか行けそうな気がしたためです。なお、このピンク軸は、クリック感が無くキーを押し込むほどに反発力が強くなるという感触の軸だそうです。せっかくメカニカルキーボードにするならば、クリック感のあるものも使ってみたかったですが、致し方ありません。

音や感触は個人の好みですから、本当は、実物を触ってみて音や感触を確かめてから買うのが良いのでしょうね。

 MiSTEL BAROCCO MD600(日本語配列)のレビュー

というわけで、MiSTEL BAROCCO MD600を購入いたしましたので、少し使ってみた感想などを書いてみたいと思います。

箱は、キーボードとは思えないキューブ状をしていました。左右分離だからできる芸当ですね。 f:id:skktmlab:20171108170301j:plain 製造は台湾です。デザインは、フィンランドのようです。

スペックとしてはこんな感じです。 f:id:skktmlab:20171108170306j:plain 上で書いたように、静音赤軸(ピンク軸)の日本語配列です。キー数は66、キーの材質はPBTで、刻印は昇華印刷となっています。昇華印刷のものは刻印が消えにくいそうですね。

中身はこんな感じ。 f:id:skktmlab:20171108170312j:plain キーボードの左右モジュールの他に、左右をつなぐためのmicroB USBケーブル、PCとの接続に使うminiB USBケーブル、オレンジ色のリターンキーの替え、キーを取り外すための道具、そして簡単な説明書が付属していました。

左右をつなぐmicroB USBケーブルは、英語配列のものではカールしたケーブルが付属していて評判が悪かったようですが、日本語配列ではストレートのナイロン編みの丈夫そうなケーブルが付属していました。日本語配列になって少し改善されたようですね。ただ、このケーブルは結局使わないことになるのですが。

キーのアップはこんな感じです。 f:id:skktmlab:20171108170316j:plain

こちらは右手モジュールです。 f:id:skktmlab:20171108170321j:plain Fnキーを押した時の機能が、キートップの側面に白で印刷されています。白なので見やすいです。一方、メインの刻印は黒なので、自分の体の影に入ったくらいでも見にくくなりますね。

では、早速使ってみましょう。購入時に想定していた配置にしてみます。 f:id:skktmlab:20171108170330j:plain 本当は左右をつなぐケーブルはディスプレイの裏にまわす予定だったのですが、長さが微妙に足りず、上のように元のキーボードの上を這わせる形になってしまいました。状況に応じて元のキーボードの方も使いたいと思っていたので、これは後でどうにかしましょう。

キーの設定

BAROCCO MD600の特長の一つは、キーのプログラムが柔軟にできることにあります。Layer1 ~ 3と3通りの設定を保存することができます。

私の場合は、Macの日本語配列との一致性、親指シフトとの相性を考えて下の画像のようにプログラムしてみました。 f:id:skktmlab:20171108170337j:plain

  • Fnは矢印が打ちやすいように、左に移動。
  • WinはMacのCmd、AltはMacのOptと解釈されるため、Macと一致するように位置を入れ替え。右の「KANA」キーはWinにしてあります。
  • 左スペースにリターンを割り当て。これは後述の親指シフトを実現するLacailleの動作と合わせるためです。
  • 右スペースの右の変換キーはWin+Space。Mac側の設定でCmd+Spaceを「前の入力ソース」としています。Macのキーボードでは、ここは「かな」キーなっているので、意味的には近い動作になっています。
  • 左スペースの左の無変換キーに何を割り当てるかは悩みましたが、とりあえず直前のかな漢字変換をキャンセルする「Ctrl+Backspace」を割り当ています。
  • E/J ESC反転をオンにして、左上のキーがEscとなるようにしています。

Karabiner-Elementを使えば、英数・かなキーも再現できるようですが、今回はハードウェア側の設定だけでどうにかしてみることにしました。

注意としては、Fnの場所を変えた場合、キーのプログラムに使うFnも移動するということですね。また、Fnはキーボードで一つしか設定できないようです。それから、シフトキーなど一部のキーもプログラムすることができません。

また、Macで親指シフト入力を実現するLacailleの設定は以下のようにしました。

  • 親指左: Return(親指左単独打鍵でReturn)
  • 親指右: Space(親指右単独打鍵でスペース)
  • 記号類はできるだけそのまま出るように調整

余談ですが、一番最初に繋いだ時にMacでのキーボード認識に失敗したので、不良品をつかまされたかと冷や汗がでました。調べてみると、単にキーレイアウトの設定がDvorakになっていた(LED1が青色に点灯)だけでした。これは、Fn+_でJIS配列に切り替えることができます(LED1は消灯)。ちなみにこのキーボードでは他にColemakという配列も使えるそうです。これらはQwerty配列よりも優れていると言われる英語用の配列だそうですので、時間のあるときに習得してみるのも良いかもしれません。

しばらく使ってみた感想など

まず、左右に分かれている効果ですが、たしかに肩が広がって楽な姿勢のような気がします。ただ、まだなれていないためか、疲労度は変わらないか少しあるように感じます(実は新しいMacBook Proにしてからはローマ字入力に戻っていて、今回久しぶりに親指シフトに復帰したのでそれの疲れもありそうです)。

また、左右に分かれている副産物として、数字や記号部分のタッチタイピングが全然できていないということに気づくことができました

キーボードが目の前にあると、打ちにくい場所はついついキーを見ながら中指や薬指で押してしまっていたんですね。このMD600を私のような配置で使う限りは、完璧なタッチタイピングが必須のような気がします。いい機会だと思い、現在練習中です。

矢印がFn+i,j,k,lになっている件ですが、やはり面倒に感じます。しかし、タッチタイピングをするならばむしろこの方がやりやすい位置ではあります。慣れの問題かもしれません。

そんなこんなでタッチタイピングを復習していると、英語キーボードにこだわる人の気持ちがだんだんと分かってきました。JIS配列だと、リターンがホームポジションから遠いんですね。私はJISの大きなリターンキーが好きだったのですが、タッチタイピングが完璧ならば英語キーボードの様に横に長く小指で届きやすい方が理にかなっているのかなと思えてきました。

私の場合、上で書いたように左スペースをリターンに変更したので、リターンはどんな配列よりも押しやすくなっているはずです。JISの欠点を解消したとも言えるかもしれません。ただ、これまでのスペースのつもりで左スペースを押してしまうこともあり、これも慣れが必要そうです。

ちなみに、私はこれまで英語の時のスペースは右の親指で押し、日本語入力中の漢字への変換の意味でのスペースは左の親指で押すように使い分けていたようで、今やリターンとなった左スペースを押して無変換のまま入力されてしまうという間違いが頻発しました。そのため、左スペースの左にある無変換キーに漢字変換をキャンセルする「Ctrl+Backspace」をプログラムしています。

この配置の目的であったタッチパッドの併用ですが、そこそこはできるのですが、やはりMacBook Proのキーボードからよりも手の移動が大きいので、いまいち一体感がありません。これなら右手でマウスを使いながらの方が一体感はあるかもしれません。慣れの問題かもしれませんので、しばらくこれでやっていこうと思います。

親指シフトは、自然で気持ちよく入力ができますね。これは中々うれしいです。明らかにMacBook Prpのキーボードでorzレイアウトでやるよりも、良いです。

静音赤軸(ピンク軸)ですが、音は個人的には許容範囲でした。

打鍵感は、確かにはっきりしたクリック感は無く、スコスコという感じでしょうか。ただ、力いっぱい最後まで打ち込んだ場合はカタカタというメカニカルな音はします。小指の範囲は少し引っかかって私には重く感じるキーがあります(力がきれいに真上からかかっていないとそうなるようです)。ただ、全体的にはなかなか良い打ち心地だなというのが感想です

このようなキーが厚いキーボードらしいキーボードを使うのは久しぶりだったので、最初はとまどいましたが、今ではMacBook Proのキーボードよりもしっくり来るような気がしています。

他の方のレビューでも見かけましたが、キーボード底面の厚みがかなりあるので、リストレストと併用するのが良いような気がします。

冒頭の写真にもあるように、今現在、少し長めのmicroB USBケーブルとリストレスト(マウス用の小さいもの)を追加で購入して、こんな感じで使っています。これで結構快適になりました。 f:id:skktmlab:20171108170351j:plain ただ、このリストレストは底面が少し粘着性があるのですが、力のかかる方向によっては意外と簡単に滑ります。動いてほしくない時にも動いてしまうので微妙ですが、完全に粘着するのも嫌ですし、難しいところです。

ちなみに追加購入したのはこちらです。

まとめ

左右分離型キーボードMiSTEL BAROCCO MD600(日本語配列)を購入したので、簡単にレビューしてみました。一見変態的な形に見えますが、なかなか良さそうです。特に、親指シフト入力はとても気持ちよくできました。これだけでも買って損はなかったかなと思っています。メカニカルキーボードは耐久性は抜群だそうですので、かなり高い買い物でしたし末永く使っていきたいと思います。いざとなれば左右を近づけて普通のコンパクトなキーボードのようにも使えますので、興味のある方は一度試してみてはいかがでしょうか。