年末年始にKindleで読んだ本です。とても面白くて一気に読んでしまいました。
本書のテーマは、縄文人の生き方、文化、思想などがその後の日本社会でどのような形で生き残ったかを解き明かすことです。狩猟採集民である縄文人が、農耕の弥生時代が来てどうなってしまったのか。本書によれば、なかなかスリリングでダイナミックな動きがあったようです。
もちろん、文献が残っていない古い時代のことなので、どうしても推測が入ってしまうわけですが、それでも本書で語られるストーリーは結構説得力があるように感じました。
縄文系の伝承や伝説と古事記や日本書紀に記録されている伝説との関係を解説した章を読む際には、以前『古事記』を読んだ時の記憶が役に立ちました。古事記や日本書紀の簡単な知識があると本書をより楽しめるような気がします。

- 作者: 中村啓信
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2009/09/25
- メディア: 文庫
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本書は、素人である私は、肩肘張らない読み物としてとても楽しむことができました。民俗学とか考古学とかが好きな人にはおすすめしたい本です。
私は、何故なのか分かりませんが、たまにこういう系統の本が読みたくなるんですよね。
少子高齢化だとかAIだとか未来の話ばかりで疲れた時に、こういう過去に思いを馳せる話は癒やしになるのかもしれません。
過去も未来も不明なことが多いのは変わりませんが、過去は今ある現在に確実につながっているという安心感があるように思うのです。
過去に思いを馳せたくなるのはそういうことなのかもしれません。
未来から目を背けてばかりではいけませんが、たまには良いのではないでしょうか。
ちなみに、本書の最後は、縄文の生き方を未来につなげる建設的な話となっています。

- 作者: 瀬川拓郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/11/24
- メディア: Kindle版
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同じ著者によるこちらの本も読んでみたいです。

- 作者: 瀬川拓郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/03/27
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