ヨーグルティアのガラス容器も購入したので、以前から気になっていたカスピ海ヨーグルトの自作に本格的に取り組んでみることにしました。
あれっ?カスピ海ヨーグルトが美味しい
以前からカスピ海ヨーグルトには興味はあったのですが、数年前に食べた時にはいまいちピンとこなくて、自作に取り組むまでには至っていなかったんです(もしかしたら、一回自作しようとして失敗したような気も)。
ところが、最近、スーパーで売っていたフジッコのカスピ海ヨーグルトをふと購入して食べてみたところ、
「これは美味しい」
私の味覚が変化したのか、製品が改良されたのか、なんとも言えない弾力と粘りがとても美味しく感じました。
上の記事で紹介したように、ちょうどヨーグルティアの容器をガラス製のものに新調したのもあって、カスピ海ヨーグルトの自作に真面目に取り組んでみようかなと思いはじめました。
というわけで、早速、カスピ海ヨーグルトでは老舗のフジッコの種菌を購入しました。

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種菌の袋が2袋入って1000円程度と少し高く感じますが、後で書くように、上手く使えばトータルでのコストはそんなに高くないと思います。
カスピ海ヨーグルトの特徴・良いところ
作る前に少し、カスピ海ヨーグルトについて説明します。
カスピ海ヨーグルトは、他のヨーグルトとは一線を画す特徴をもっています。
- クレモリス菌FC株とアセトバクター菌
- 発酵温度が低い(20℃~30℃)
- 粘りが強く、酸味が弱め
- 植え継ぎができる
カスピ海ヨーグルトは発酵温度が低く室温域にあるため、ヨーグルトメーカーなどの保温器がなくても作ることが可能です(もちろん、保温器があった方が安定して作ることができると思いますが)。
また、特徴的なトゥルンとした粘りのある食感は、クレモリス菌が生成するEPS(菌体外多糖)によるもので、様々な健康効果が期待されています。
EPSは、最近売れているR-1ヨーグルトの有効成分としても知られていますが、粘りの強さから分かる通りEPSの量はカスピ海ヨーグルトの方が圧倒的に多いと思われます。
もちろんEPSにも色々な種類があるでしょうし、一概に粘りが強いから健康効果も強いということはできないかもしれませんが、EPSを摂りたければ、R-1よりカスピ海ヨーグルトという意見もあるようです。
カスピ海ヨーグルトは歴史も古く、研究の積み重ねがそこそこあるというのも嬉しいポイントでしょうか。
また、カスピ海ヨーグルトの嬉しい点は、植え継ぎができる(できたヨーグルトを種にしてまた作れる)ことです。
メーカーも種菌を販売し、そのような作り方を公式に推奨していますし、食感がとても特徴的なので、うまく植え継ぎができているかを「自分の舌で」容易に判定することができます。
最近多い健康効果を謳ったヨーグルトは、食感は普通のヨーグルトであることが多く、製品を種にしてヨーグルトができたとしても、健康効果に関わっている乳酸菌がちゃんと繁殖しているかを素人が確認することはほぼできません。
その点、食感に明らかな特徴のあるカスピ海ヨーグルトは、自作派にとってはとても都合が良いわけですね。
実は、R-1を種にしたときにも出来上がったヨーグルトの乳清部分に少し粘りを感じるので、R-1乳酸菌が一応繁殖しているのではと個人的には思っているのですが。
まあ、素人が製品を種にして簡単に増殖できると、製品が売れなくなってしまうわけで、研究開発に多大なコストをかけているメーカーとしては、仮に可能だとしても認めることはできないでしょう。
公平のため書いておくと、フジッコのカスピ海ヨーグルトでさえ、製品は「種菌としては適さない」としています。
カスピ海ヨーグルトを種菌から作ってみる
では、まずは種菌の粉末からの作成です。
種菌付属の説明書に沿って作っていきます。
- 種菌粉末から作成の場合、牛乳は500ml、発酵時間は24時間~72時間
- ヨーグルトから作成の場合、牛乳1L、発酵時間は6時間~48時間
種菌粉末からの方が時間が長めとなっているということは、種菌粉末は発酵力自体は弱いのかもしれませんね。
レンジで高熱殺菌をした容器に少し牛乳を入れ、そこに種菌を入れて容器を回して混ぜました。
残りの牛乳を入れます。
ヨーグルティアの温度は28度にセットし、とりあえず24時間発酵させてみたのがこちら。
どうやらうまく固まっているようです。
スプーンですくってみると、「ぷるるん」としていてEPSもちゃんと生成されているようでした。
ただし、この段階ではまだ混ぜないていないので粘りという感じではありません。
出来上がったヨーグルトの一部(大さじ6杯)を次の種用として取り分けて保管します。冷蔵庫で一週間程度保存できるそうです。
(実は、この時は出来たヨーグルトの表面を6杯とったのですが、表面にはクレモリス菌ではなくアセトバクター菌が多いので、真ん中の方を取ったほうがよいという情報を後で見つけました。)
冷蔵庫で少し冷やしたあとに、プレーンで味見してみました。
スプーンで混ぜると、カスピ海ヨーグルト特有の粘りが出てきました。
食べてみると、食感も、期待通りトゥルンとしていますし、味も良いです。
これは完全に成功ですね。
カスピ海ヨーグルトを植え継ぎで作ってみる
一回目の500mlはすぐに食べきってしまいましたので、早速、前回のヨーグルトを植え継ぎして作ってみました。
冷蔵しておいた前回のカスピ海ヨーグルトと、レンジ殺菌した容器とスプーンです。
少量の牛乳を容器に入れ、そこへ種ヨーグルトも入れてスプーンでよく混ぜます。
説明書に書いてありましたが、種ヨーグルトは多すぎても固まりが悪くなるそうです。面白いですね。
よく混ざったら、残りの牛乳を入れます。
種ヨーグルトと牛乳を1L入れることになり、ヨーグルティアの1L容器は結構タプタプになりました。
今回は、28度、12時間にセットして発酵を行いました。
出来上がりです。
こちらも、ちゃんと固まっていて、食感もカスピ海ヨーグルトでした。
植え継ぎでも、問題なく作れるようですね。
ちなみに、植え継ぎは一ヶ月程度で菌が弱くなってくるので、一月ごと(最低でも季節ごと)に新しい種菌に替えることをメーカーでは推奨しています。
私はどこまで植え継ぎできるのかを、実験としてやっていきたいと思っていますが、仮に、5回植え継ぎするとすると、0.5L + 5 x 1L = 5.5Lのカスピ海ヨーグルトが、1000円/2 = 500円の種菌で作れることになります。
牛乳を1L 200円と計算すると、1Lのカスピ海ヨーグルトが290円で出来る計算になります。
スーパーで売っているものが400mlで250円くらいなので、1Lあたりに直すと625円。
つまり、自作の方が半分以下のコストとなります。
このくらいの差であれば、自作するかいもありますね。
種菌2袋で1000円は一瞬高いなと思いますが、ちゃんと植え継ぎをするなら、適正な価格だと分かります。
まとめ
独特の弾力と粘りが特徴のカスピ海ヨーグルトの自作を始めてみました。少し面倒かなと思いましたが、意外と簡単に自作することができました。カスピ海ヨーグルトの食感が好きな方は、自作に挑戦してみるのも面白いのではないでしょうか。

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ちなみに、私は以前紹介したLKM512菌のヨーグルトと今回のカスピ海ヨーグルトを混ぜて食べるというのをこれからしばらくの間の習慣にしたいと思っています。